シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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聴きものだったモノリスコンサート

2016年07月27日 | 音楽界よもやま話
上左は大島莉紗さんのネット画像から (十年位前?)。 上右は (1月に亡くなった) 仏指揮者ブーレーズと __ この顔が今回の実演の様子に近いですから数年前の撮影? 下2つは他のモノリスコンサートのネット画像 (ステージにはいつも胡蝶蘭の鉢が置いてあります)。
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20日 新宿西口モノリスビルで月1回昼休み (12:20〜13:00) に開催されるモノリスコンサートに出向きました。 今月はヴァイオリンのリサイタルですので楽しみでした。 12時10分頃 着きましたが、余裕で前列から2列目中央に座れました。 近隣の年配者が中心の聴衆ですから、それほど趣味の人は多くないようです (先月はハープとソプラノでした)。

プログラム内容は3部に別れ、1部がプロコフィエフ「ロミオとジュリエット」から小品3曲、2部がイザイの無伴奏ヴァイオリンソナタ4番、3部がプロコフィエフ「シンデレラ」から小品5曲、という構成でした。

一般に最も馴染みがあるのは、1部の曲でしょう。 最も馴染みがないのは2部でしょう。 3部も どちらかというと馴染みがない方だと想像します。 私も3部の曲を聴くのは初めてでしたが、同じ作曲家の1部の曲に似ていると思いました。

パリ•オペラ座で弾く演奏者の大島莉紗さん本人が演奏前に解説していましたが、時々オペラ座でも弾くので、3部は気に入った曲ということですから、本人の希望でプログラムに組んだのですね。 イザイの曲も “知る人ぞ知る” の類いで人気曲ではありません (クロウト好みの曲です)。

10分ほどのイザイの無伴奏ヴァイオリンソナタは全曲の CD を保有していて聴いてはいたのですが (ベンヤミン・シュミット演奏 ARTE NOVA の98年録音)、あまり面白い曲ではないので、そうそう何度も聴き返してはいませんでした。 全くメロディは覚えていませんでしたが、実演は意外と面白く聴けました。 生演奏の迫力の魅力ですね。
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使用するヴァイオリンが間近に見え、相当に古い楽器なのがすぐ分かりましたが、いい音色を出していました。 駒と指板の間が灰色ですすけているようにも見え (早くいうと かなり汚れていましたが)、そこには松ヤニが最も飛び散るので、二〜三百年分も積もってしまい、いくら取り除こうとしても取りきれないのでしょう、チョット目にはかなりの “オンボロ楽器” に見えます。

松ヤニが取りきれないのなら、新たに全体を塗装し直せば 新品同様になりますが、そうすると音色が変わるかも知れず __ つまり 塗装前よりも悪くなる可能性もあるので、(過去と現在の) 所有者はあえて塗装せずに使っているのだと想像します。 外観は音色には無関係ですからね。 なお 所有者は演奏者本人とは限りません (公的団体や財団所有の高価な楽器などを有望な演奏家に貸し出すことも多いからです)。
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「ロミオとジュリエット」からの冒頭曲『モンタギュー家とキャピュレット家』は、実は私も練習中の曲目です。 内容はプロですから 当然 良かったですね。 特にG線の音色が __ あれは出しにくいのです。 プロが間近に弾くのも見られて今日は聴きものでした。

最後に アンコール曲に J. シュトラウスのワルツ「春の声」を演奏していましたが、これは聴衆受けも良かったです。 有名曲、人気曲ですからね。 1つ 付け加えたいのは、伴奏のピアノが時々大きすぎる音を出すので、ピアノの蓋を全開にせずに半開きにするなどして音を抑え気味にしたら なお良かったと思いました。 主役は音が大きいといえないヴァイオリンですから。

恐らく 後方の席にいる聴衆にはヴァイオリンの音よりもピアノの音ばかりが届いていたのではないでしょうか。 それ (会場の特性) をよく理解していない伴奏者が意外に多いと思います。 或は ヴァイオリニストも「もっと音を抑えて伴奏して下さい」とは、恐らく 頼みにくいのでしょう。 音楽事務所経由か知り合いに頼んだりすると、あまり強いことはいえないものだろうと想像します (うまい伴奏者は、リサイタル主役の場面になると伴奏音を さっと弱めます)。

もっというと モノリスコンサート会場自体 (冒頭下写真) が、反響などを考慮した作りになっていないスペースで、ビル1階ロビーのただの吹き抜けのコーナーですから、もともと弱音楽器の演奏には向いていないのです。 それでも何やかやで 300回近くも続いているのは、主催するモノリス ≒ 都とビル内飲食店のバックアップがあるからなのでしょう (出演料が出ているかどうかは不明ですが 出ても薄謝でしょう)。

早くいうと クラシック音楽市場の底辺の掘り起こし活動の1つなのです。 無料演奏会に釣られてやってきた聴衆がビル内飲食店を利用することを期待しているのでしょうが、プログラム裏の広告が載り続けていることは、少なからず 効果があることを意味していますね。

プログラムを置いてある台の すぐ横に、近々開催される大島莉紗さんの有料リサイタルのパンフレットも置いてありましたから、オペラ座の夏休みを利用して里帰りする最中に幾つか演奏会を開く、その一環の無料コンサート企画に (所属音楽事務所の薦めで?) 参加したということでしょう。 盛りだくさんの内容で、終わったのは1時10分ほどでした (お疲れさまでした)。

以上

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