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シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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宮本オーボエの CD

2021年05月10日 | 音楽関係の本を読んで
左から ブルーヴォイス、ヒーリング・ベスト、夢のあとに (Sony Classical)。 どれもクラシックの CD には見えない。
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私の手持ち “宮本 CD” は冒頭の「ブルーヴォイス」と協奏曲集の2枚だけです。

「僕は作られたアーチストだ (と読むと 私はショルティを連想しますね)。 20代半ばにしてソリストとしてデビューできたが、首席奏者として名が知られていたわけでもないし、国際的なオーボエ・コンクールで優勝した事もない。

当時 ビクターのレコード・プロデューサーだった井坂 綋さんが、たまたまドイツで僕の事を耳にした。 エッセン市響のオーディションを受けたばかりか、入団を待っていた状況だった。 ヴィンシャーマン先生の意見を聞き、デビューさせようと思い立ったらしい」(189~190p)
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『オーボエの『時間 (とき)』(宮本文昭著 2007年 時事通信社刊)
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「そもそも オーボエのメジャーな曲なんてあまりなく、モーツァルトや R. シュトラウスの協奏曲は知られているかも知れないが、他の曲は誰も知らないだろう。 デビュー作はビクターで、2枚目は数年後に 井坂さんが立ち上げたカメラータ・トウキョウから出したが、2枚とも全然売れなくて …

その後 ソニー・クラシカルから出した『ドリーミング・ストリーム』は正統派のクラシックではなくて、誰もが気軽に楽しめるようなものにした。 これまでに出したアルバムは20枚を超えるが、これらは全て自分がやりたいと思ってやってきた事の結果」(190~195p) __「ソリストとしてデビュー」

__ 最初の2枚が売れなかったので、売れるレコードを目指したのがその後の成功に繋がり、20枚超のアルバムとなったんでしょう。 “クロスオーバーをやったのは正解だった” といえますね。 クラシックのオーボエ独奏曲ばかりだったら、すぐにネタが尽きてしまったかも知れません。

「最近の若いアーチストには、人にいわれた事は出来るけど、自分が何をしたいのかが描ききれていなくて『売り出してくれるなら何でも』というタイプが多く、その主体性の無さに呆れるとプロデューサーたちがよく嘆いている。

アーチスト自身に『これがやりたい』という強い欲求がないと、せいぜい CD を1~2枚作れても、後が続かない。 2枚くらい出したら そこで終わってしまう人が山ほどいる」(199p) __「ソリストとしてデビュー」

__ これは金言ですね。 自分がやりたい事を明確に持っているアーチストがいないのも解ります。 20代では 大概 音楽学校を出たばかりで、教授から指導ばかりを受け、カリキュラムをこなす事で時間ばかりが過ぎていたでしょうから、コンクールで優勝するか、オケに入団したとしもて さて独自に何をやったらいいのかが頭にないのでしょう。

既に 先代の有名ソリストたちが膨大なレコードを残しているので、若い演奏者も何をやったらいいのか 途方に暮れているのかも。 また CD 会社のプロデューサーも、このソリストに何をやらせて CD を制作したらいいのか、これもソリストの個性を明確に掴んでいない証拠ともいえますね。

最初に宮本に目をつけた井坂 綋氏も、宮本の個性・市場の要求を明確に掴んでいなかったともいえます。 その証拠に 彼が制作した、ビクターとカメラータ・トウキョウの2枚はネットで探し出せませんでした (つまり 廃盤です)。 出てくるのは、全てソニー・クラシカルばかりです。
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それで 「ブルーヴォイス」はどうかというと、気軽に楽しめる CD です。 また 協奏曲集の中のモーツァルトのオーボエ協奏曲は、あまりに明るすぎて、私の好みではないです。 モーツァルトをあんなに明るく演奏するのも1つの表現ですが、どうにも異質としか受け取れません。 ですから 宮本の CD はクロスオーバーがお勧めです。

今日はここまでです。

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