記事※2から。
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クラシック・レコード・CD 業界の代表誌『レコード芸術』が休刊となりました (本来は廃刊ですが)。 復刊はあるのでしょうか?
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『 “レコード芸術“ 休刊 70年以上続く雑誌、音楽関係者は存続の署名活動』(4月19日 J-CST トレンド ※1)
『月刊誌 “レコード芸術“ 休刊 音楽文化、変化の荒波 ファン・批評家・音楽家の集う場』(6月19日 東京新聞 ※2)
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昔 父が毎月購読していたので、私もよく読んでいました。 1960~70年代の頃です。 80年代からはあまり読まなくなりました。 というのも 同じ特集の繰り返しが多く、新鮮味を感じなくなってしまったからと、LP・CD 批評家が書く批評文も私には参考にならなくなってしまったからです。
興味のある LP・CD 演奏が自分の感性に合うかどうかは実際に買って聴いてみればよく、批評家の感性とは一致しない事が解ってきたからです。 思い返すと 批評家はルーチンで聴いて、大演奏家ならソコソコの褒め方をし、無名演奏家は取り上げない事が多かったように感じます。
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また 音楽評論家先生方は、個人の趣味が嵩じて評論家になった人 (1)、筆が立つ人 (2)、元映画評論家だった人 (3) など、ちゃんと音楽そのものを音楽学校で研鑽を納めたかどうか分からないような人が多かったように想像します。 一番多いのは (1) のケースだったかも知れません (早くいってしまうと シロウトだけど その道の “通の人“ ですね)。
そのような人たちの書いた「新譜月評」などの書き物で __ 例えば「精神性がない」という表現は何をいってるのかとんと見当がつかないケースや、また海外誌を読んでから その翻訳を参考にして「この箇所がミスった演奏だ」と書いたところ、日本盤 LP では訂正された演奏録音だったため、この評論家は日本盤を聴かず、"海外誌を訳していただけ" がばれたケースもありました。
また ウラ話では「新譜月評」のために 毎月何十枚も視聴するので、締め切りに間に合わなくなると 長い曲の場合、"最初と最後だけ聴いて" 批評文を書いた先生もいらっしゃったとか …
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__ という具合に ある意味 “得体の知れない“ 評論家先生方が書いた、本当に聴いているかどうか判らない LP・CD の批評文や、シロウトだけど筆が立つ人が書くような文章を読む気がしなくなっていくのは避けられませんでした。
また50~60年代の頃は、LP が二千円前後に対し レコ芸誌が三~四百円と比較的安かったので、LP を買えない渇を癒してくれたという意味もありましたが、今 中古 CD なら数百円から入手できる時代なので、1,500円のレコ芸は割高にも感じますね。 でも 発売元からしてみれば、千円や五百円では出版できないのも明白です。
私も若い頃は「そうか、そうか」と有り難く 批評文を読ませていただきましたが、多くの LP・CD を聴いて、それなり (私なり) に経験を積みあがってくると、「読んでも読まなくても同じ」という事になってきて、遠のいたものです。
ただし クラシックを聴き始めた頃の人には、入門書のような評論文は参考になると思いますよ。
大きな流れとしては、紙媒体によるメディアはいずれ無くなる運命にあります。 今年になって「週刊 ザテレビジョン」「週刊朝日」も休刊を明らかにしています。
今日はここまでです。