goo blog サービス終了のお知らせ 

シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

"独断と偏見" で世相・経済からコミックまで 読んで楽しい 面白い内容を目指します。 

「エリート」の救いのない結末

2006年11月22日 | コミック界を語る
サンコミックシリーズ第3巻から拝借、左上は亡くなったヒロイン、左下はそれを抱いて呼ぶヒーロー、中央はそのあと夜空にヒロインを思い描くヒーロー、右は宿敵との決闘場面。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 
第1部 精神病院で、ジュディがダンガーの手下により、性格を変える注射をされると、淑やかだった彼女がお転婆に変わります。 この辺りは、英戯曲「ロメオと ...」でジュリエットが一時的に死んだ状態になる ありえない秘薬を連想させますね。

また この精神病院で、筋肉マンの精神異常者が襲ってくる場面から 竜太郎が戦闘服を着て格闘する場面の間が、サンコミックシリーズ単行本では削除されています。 復刻版では "復刻" しているのでしょうか?

「魔王ダンガー」冒頭で ヒロインが圧倒的に強いダンガーに倒され、瀕死の重傷を負います。 そのジュディが病院で亡くなるシーンを読んで、ヒーローコミックでヒロインが亡くなるのは珍しく、後で生き返る設定じゃないかと考えました。 それが後で違った形で展開する訳ですが、これは読者には "つらいプロット" ですね。
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
「エリート」なんか、ヒロイン死んじゃうし ... ひどいや (勝手に気になるマンガ・桑田次郎祭り から)。 最後は主人公は勝利するが、なんか空しいもやもや感が残り考えさせられる (桑田次郎先生コレクション展示サイト PRIME 資料館)。
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
その直後の大男との決闘で倒れ、踏みつぶされそうになった時 気を失った竜太郎は地の中へこつ然と消えてしまいます。 ジュディの家の地下の巨大な施設に、倒れた竜太郎が何者かに運び込まれているという設定ですが、ヒーローの守護神なのか ご都合主義を感じます __ 見てみぬフリを。

最後の闘いの直前 宿敵ダンガーがジュディを一時的に蘇らせて彼女を操り、竜太郎を懐柔しようとするのですが、失敗します。 最終的に竜太郎がダンガーを倒すのですが、これも 明るい結末ではないですね。

その再び死ぬ運命にあるヒロインの救いが示されてなく、ここでも "救いのない" "勝ってもヒーローの笑顔がない" 桑田コミックの結末が繰り返されています。 ヒロインを何かの形で救済する話しを加えて 終えてほしかったですね。
………………………………………………
このシリーズの中で、桑田の画風が二~三回変わります __ 竜太郎が最初は高校生風、最後は中学生風です/ジュディは最初は高校生風、「魔王ダンガー」冒頭で大学生風、最後は中学生風です/ダンガーの侍従長が最初は七等身の "トニー谷" 風、最後は五等身の "イヤミ" 風です (「おそ松くん」に登場するキャラクター似です)。 また この連載ものでは、三枚目役に 田中課長と時々、主人公自身も加わります。

余談ですが 復刻版下巻の表紙は、原作のコマ (冒頭右) から抜き出して彩色していますが、やたらと緑を多用しています。 私個人の趣味ではこの作品と合わない彩色ですね。 桑田の彩色ではないでしょう。 原作者の平井和正は、この「エリート」が桑田コミックの最高傑作と褒めています。 

「最後の共作デスハンター」へ続く。


コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。