シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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カラヤンの70年代寄せ集め映像 DVD を見ると

2021年06月21日 | カリスマは死せず
DVD 2枚組みで発売されている「カラヤン・イン・コンサート」。
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“才人” カラヤンは、指揮者・演出家・映像監督・音楽祭プロデューサーその他 クラシック音楽に関するイベントを数多く取り仕切りました。

その殆どが成功したと思いますが、指揮者カラヤンの評価と演出家・映像監督カラヤンの評価とは違いがあるようです。 早くいうと 指揮者カラヤンの評価はとても高いのですが、演出家・映像監督カラヤンの評価となると、指揮者ほどではないようです。

20代前半の若い頃 ドイツ田舎の地方都市の歌劇場で5年を過ごしたカラヤンは、スタッフや予算に限りがあったせいか 指揮以外の多くの事をこなさなければなりませんでした。 その時の経験もあってか 後年 名声を得た1950年台のウィーン・オペラの監督以降は、上記の役割をも手がけるようになりました。
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そこで 今回見た『カラヤン大全集』の中の DVD 映像もの「カラヤン・イン・コンサート」(2枚組み) です。 収録は1970年台の73・75・78年、ベルリンのフィルハーモニー・ホールで、演奏は全て BPO です。

中身を紹介すると__
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1枚目 (93分) ~ ベートーヴェン 序曲「コリオラン」「エグモント」
ロッシーニ 序曲「ウィリアム・テル」
ワーグナー 序曲「タンホイザー」
ウェーバー 序曲「魔弾の射手」
ドビュッシー 交響的詩「海」「牧神の午後への前奏曲」※

2枚目 (113分) ~ ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」 ※
ラヴェル 「ダフニスとクロエ」組曲第2番 ※
カラヤン・インプレッション (1時間のポートレート映像 78年)
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という合計 200分ほどの映像集です。 ※はカラヤン監督です。

先ず1枚目だけを27インチ PC 画面で見ましたが、画質はボケ気味で あまりよくありません。 おそらく 編集機材が古いものと想像します。 ライヴ映像ものと録音後の後撮り映像もののミックスのようですが、後者では 独奏者を際立たせるために 無理なアングルや生演奏では撮れないような映像があります。
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2枚目も想像できそうな内容です。 ポートレート映像は TV 番組向けにフィルムで制作されたものでしょう。 その中の演奏会もの映像は何代目かのコピーで、音質も良くありません。 監督は Vojtech Jasny (ヴォイテヒ・ヤスニ?)。 YouTube にも2020年に投稿されています (Karajan Documentary 1977 https://www.youtube.com/watch?v=ziuv6jrcOd4)。

はっきりいって “カネを掛けて凝った編集” の音楽映像作品として、あまり “よろしくない出来栄え” かと思います。 この程度の映像作品をカラヤン以外の指揮者が振ったら、と考えると … おそらく 売り物にならないと想像します。

逆にいうと、カラヤンが指揮している映像ものだから、そこそこ売れるのでしょう。 つまり “カラヤンあっての映像作品” だと思います。 この DVD の価値はここにあります。

好意的に評価するならば、”クラシック音楽映像作品として試行錯誤していた70年台” の時期の産物ではないかと思います。 今はライヴもの映像を自然な形で収録するのが一般的となっていますね。

今日はここまでです。

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