上左から プロイセン国立管 (1944 KOCH 第1楽章なし)、BPO (57 EMI)、BPO (79 DG)、VPO (88 DG ※)。 下左から VPO (79 DG ライヴ映像 DVD)、VPO (88 Sony 映像 ※)。 ※の音声は同じソース。
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カラヤンの最後のブルックナー8番の録音を聴きました。 亡くなる前年の録音です。 これを聴いて、終戦前の44年の最初の録音の方がもっと良い演奏だと再認識しました。 録音品質は全然良くないのですが。 更に第1楽章未発見なので2~4楽章のみです。
カラヤンのブル8記録物は、上記の他ライヴものを含めると数種ありそうですが、調べきれませんでした。
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なぜ 第1楽章なしの44年ものが良く聴こえるかというと、全くの独断・偏見ですが、2~4楽章に比べて第1楽章の作品の出来があまりいいとは思えないのです。
ブルックナーの曲というのは、旋律の変化に乏しく 似たような旋律を延々といつまでも続けているような曲ばっかりです。 おまけに 以前の曲の使い回しもあったり、聴いていて どれがどの曲か分からなくなる事もしょっちゅうです。 早くいうと “眠くなる部分が多い曲” です。
57年の EMI 録音は聴いていませんが、79年の同じ BPO と大差はないと想像します。 20年以上前ですから録音品質が良いとは思えないですし、同じ楽団で演奏に差があるとは思えません。
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79年6月4日のリンツ・フロリアン大聖堂 VPO ライヴ映像は、照明の制約があるらしく、全体に暗い感じ・茶色っぽいトーンで、少し古い印象の画質です。 フィルムではなく、磁気記録のようで、高品質とはいえません。 コンマスは G. ヘッツェル。 これを80分以上も暗譜で指揮するカラヤンの体力・記憶力がすごいと思いました。
私は途中で何度もウトウトと眠ってしまいました。 不思議に思ったのは、正面 最後尾の机と椅子に座る一列の人たちは、奏者ではなく、何をする人なのかよく分かりませんでした。 正装で燕尾服のようですが、フロリアン修道院関係の人かも。
拍手はなく、カットされてるのか、それとも拍手しない事になっているのか? バイロイト音楽祭での『パルシファル』上演では拍手しない事になっているそうですから、その類かも知れません。
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ウィキから __ ザンクト・フローリアン修道院の聖堂にあるオルガンの真下の地下墓所にブルックナーの棺が安置されている。
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また驚く事に この前後の御大のコンサートのスケジュールが凄い __ 6月1日ザルツブルクで BPO と楽聖のトリプル・コンチェルトと7番交響曲、2日ザルツブルクで BPO とブル4他、3日ザルツブルクで BPO と仏管弦楽曲、4日がこのライヴ、5日リンツで BPO とブル4他、という具合に1日~5日にびっしりと連続スケジュールが組まれています。
当然 オーケストラと曲を仕上げる副指揮者がパート毎に練習を付け、ほぼ仕上げた上でカラヤンに引き渡しているものと推測します。 御大の自家薬籠中の得意曲ばかりとはいえ 当時71歳の御大には そうした5日間連続演奏会を指揮するエネルギーがあったんですね。 もっと付け加えると その後の18~25日も演奏旅行で、ロンドン・パリ・デュッセルドルフを BPO と訪れています。
88年の映像は未視聴です。 映像品質はもっと良くなっていると想像します。 YouTube に投稿されている映像は79年のものだけです。
今日はここまでです。