シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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EV が増えると半導体不足を加速させる (半導体狂詩曲3/3)

2021年06月19日 | 電子産業は花形?
左は EV の仕組み (くらし TEPCO https://evdays.tepco.co.jp/entry/2021/04/13/000006 から)。 右はテスラ車の ECU と MCU の2枚の基板 (HW3.0 は車載コンピューター)。
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現在 世の中は ガソリン・エンジン車が主流ですが、そのエンジンから排出される大量の排気ガスが環境破壊の原因の一部・地球温暖化の一要因だとして、将来的にはガソリン・エンジン車を全廃し、全て電気自動車 (EV) に切り替えるという方針が最近 各国で打ち出されました。

電気を生み出す大元は発電所であり、そのエネルギー・燃料?はというと 今や水力は少数派で、天然ガスや原子力が主流ですから、天然ガスを燃やすと 当然 排気ガスが出るので 環境破壊抑制に大きく貢献するかどうかは議論の分かれるところです。

その議論は別として EV が増えていくと、モーターを使った電気制御による自動車ですから、別の言葉でいうと “電気制御の自動車が増える” (=電気制御用の半導体が大量に必要) という意味にもなります。

米テスラ社は、売上を増やしている EV の代表的メーカーですね。 冒頭右写真はその「モデル3」制御基板の一部です (日経 XTECH https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00565/00023/ から)。 ECU はエンジン・コントロール・ユニット、MCU はマイクロ (モーター?)・コントロール・ユニット。
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では どのくらい 半導体が増えるのでしょうか?
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「一般的な自動車に使われる半導体の数は50個から150個」(CNN 1月13日 ※1)

「ガソリン車1台あたりの半導体価格 220ドルに対し、EV は 450ドルと約2倍。 HV (ハイブリッド車) はさらに多く、500ドル近くになる」__『広がる “産業のコメ” 騒動 自動車に半導体不足の逆風』(日経ビジネス 1月12日 ※2)
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記事※2によれば、 EV はガソリン・エンジン車の “倍の半導体” を消費します。 まさに EV は ”半導体ガブ飲み” ですね。

先日書いたブログの「市場規模約 50兆円の半導体の需要先を俯瞰すると、大雑把にいって __ スマホ向けが全体の3分の1強、PC・サーバー向けが3分の1強、民生家電向けが1割強、自動車向けが1割弱、残り1割弱が産業向け・軍用、という構図」から、この1割弱の自動車向けが単純に倍増となると、極端な話し 従来 5兆円弱でしかなかった市場が最終的に 10兆円近くになるという事になります。

この流れは、減る事はなく EV 生産が増えるに連れ、加速していくのは間違いありません。 つまり 更なる “半導体不足のひっ迫要因” になるのです。
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一方で 逆の “緩和要因” もないではありません。

それは、現在の半導体不足の渦中にある 半導体ユーザーの多く・或いは一部が、目先の半導体確保のために 供給元や中間商社向けに、ダブル・トリプル発注をしている事です (これは確かめたのではなく 私の “想像” です)。

供給が満たされてくると ダブル・トリプル発注していた半導体ユーザーは、当然 不要分をキャンセルしますが、それがどの位の割合なのかは誰にも判りません。 これらは多少 といえる程度ですから、この緩和要因割合は低いと見ていいでしょう。
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__ というわけで、実需・仮需を織り交ぜながら、”半導体業界の不足を巡る狂詩曲” は当分の間 続くという結論になります。 “当分の間” が1年なのか2年なのか、それとも …

今日はここまでです。

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