ヤッセンボの七目八目 (By 鈴木ジョージ)

情報・通信の世界に半世紀以上います。擬科学の横行には??です。世情の動きにも切歯扼腕することがあります。

二股ソケット 松下幸之助の目の付け所

2008-10-02 09:40:26 | Weblog
昨日、松下電器は社名もパナソニックになり、ブランド名とともに新スタートを切った。松下の名は消えても、創業者としての「松下幸之助」の名は消えることはないだろう。

松下電器の基礎は、彼の“二股ソケット”の発明である。しかし、なぜそれがヒット商品になったかは、今では知る人が少ないかも知れない。
戦前から戦後にかけて、電気の契約は、定額制と従量制があった。従量制は今と同じで、使用量で料金を支払う。定額制は、電力会社と、「40ワットの電球2個、20ワット1個」のように契約を結び、使用量に関係なく料金を払う。電球が切れると、それを持って交換所に行き、同じ電力の電球を買うことが出来た。

会社としては、メーターの設置、検針の必要がない“良い制度”である。多くの家庭は、定額制だった。しかし、電球以外の電気の使用を認めていない。天井からのソケットが下がり、皿形の傘の下に電球があるのが普通である。

我が家は、メーター制だった。しかし、家中にコンセントはなかった。ラジオもあったが、これが2股ソケットの世話になっていた。コンセントは、定額制の家にないのは当然である。

メーター制の家でも、自宅ならコンセントを設置しただろう。借家だったので、そのままだった。コンセントがないとすると、ラジオ、電蓄、扇風機など、使い難いことおびただしい。

松下幸之助はここに目をつけ、二股ソケットを発明・販売し、大松下電器の発展の基礎を築いた。コンセントが設置されるようになってからも、二股ソケットはスイッチ付きになるなど改良され、昭和30年代まではかなり使われた。我が家には、その名残が残っている。

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