原発問題

原発事故によるさまざまな問題、ニュース

『除染が続く福島での悲劇』<リンゴが腐るまで> ※53回目の紹介

2016-09-20 22:31:32 | 【除染が続く福島での悲劇】

*『リンゴが腐るまで著者 笹子美奈子 を複数回に分け紹介します。53回目の紹介

『リンゴが腐るまで』原発30km圏からの報告-記者ノートから-

著者 笹子美奈子

----------------

**『リンゴが腐るまで』著書の紹介

 あとがき

(前回からの続き)

 「日本中が大パニックになる。いったい、これからどうなってしまうのだろうか?」

 しかし、ビルの外を見下ろせば、人々が普通に歩いています。何時間か後には、東京にも放射性物質が飛んでくるというのに。「のんきに外を歩いている場合じゃないですよ。急いで会社なり家に戻って対策を初めて下さい!」。

 心の中でそう叫びました。

 しかし、知らないのです。みんな、そのとき福島で起きていることの意味も、原発がメルトダウンしたらどうなるのかも、知らないのです。私は原発取材を通じて、ある程度の原発の知識を持っていました。中部電力浜岡原発がメルトダウンした場合、約6時間後に放射性物質が東京に到達するシミュレーションも知っていました。思えば、そうしたことを私は記事に書いてきませんでした。日々の記事執筆に追われる中で、そうした記事を書く機会がありませんでした。

 東京電力福島第一原発事故は防げなかったのか。事故検証で引き合いによく出されるのが2007年7月の新潟県中越沖地震です。中越沖地震は東京電力柏崎刈羽原発の近くが震源となり、震源が原発に与える影響について再考する契機となりました。それまでの安全基準では足りず、見直すべき点が少なからずあるという警鐘を鳴らしました。

 中越沖地震が発生した当時、私は新潟支局で新潟県政を担当していました。柏崎羽原発の担当でもありました。でも、地震の取材で手一杯で、原発についての記事を1行も書きませんでした。

 ※「あとがき」は次回に続く

2016/9/21(水)22:00に投稿予定です。 

リンゴが腐るまで 原発30km圏からの報告‐記者ノートから‐ (角川新書)


最新の画像もっと見る