人類の半数を死滅させる人造ウイルス、実験室で誕生
オランダ・ロッテルダムにあるエラスムス医学センターの分子ウイルス学教授ロン・フォウチャー率いる研究チームは2011年9月、強毒性の鳥インフルエンザウイルスH5N1の遺伝子を組み換えた人間への感染力がきわめて高い致死性インフルエンザウイルスの作成に成功したと、マルタ島で開かれたインフルエンザ会議で発表した。
この研究は米国NIH(国立衛生研究所)が生物兵器防衛計画の一環として「H5N1ウイルスがパンデミックを起こし得るかどうか」調べるために同チームへ委託したもので、「想定よりも簡単に作成でき」「オリジナルのウイルスと同等の致死力を保有し」「空気感染できるウイルスへの変異も可能」だという。
この人造ウイルスは人間へも容易に空気感染する可能性を示しており、もしもこれが生物兵器として悪用され、世界規模で蔓延していった場合、その致死率は60%に達するとされる。
引用元資料↓↓
Bird flu: Research row as US raises terror fears (BBC News)
Bird flu created in lab could kill millions (Belfast Telegraph)
ワクチン効かない猛毒ウイルス、米で開発
【ワシントン=笹沢教一】米セントルイス大の研究チームが、米政府の生物テロ対策研究の一環として、ワクチンが効かない猛毒の「スーパーウイルス」を遺伝子操作で作り出したことが明らかになった。
英科学誌「ニュー・サイエンティスト」最新号など英米メディアが相次いで報じた。
スーパーウイルスは、人の天然痘ウイルスに似たマウス痘ウイルスに、免疫の働きを抑える遺伝子を組み込んだもの。2年前、オーストラリアの研究者が致死性の強いマウス痘ウイルスを偶然作り出した技術を応用した。ワクチンを接種したり抗ウイルス剤を投与したりしたマウスも、感染すると100%が死んだという。
研究チームは、ウイルスの作成過程を含む研究成果を先月下旬、スイス・ジュネーブで開いた国際学会で公表した。
「人には感染しない」としているが、今回の手法を天然痘ウイルスに応用すれば、ワクチンが効かない生物兵器を作り出せる可能性があり、研究の是非や公表の仕方などをめぐって論議を呼んでいる。
研究は、ブッシュ政権が年間約18億ドル(約1900億円)を投じて進める「生物テロ防衛計画」の予算を使い、この種の猛毒ウイルスへの対抗手段を開発する目的で行われた。通常のワクチンでは撃退できないため、効力の高い“スーパーワクチン”が必要になるとみられる。ニューヨーク・タイムズ紙は、米陸軍生物防衛研究所が、この計画に関連し、人間への感染力を持つ牛痘ウイルスで同様の遺伝子操作実験を実施すると報じている。
(読売新聞 2003/11/03)
引用元資料↓↓
US develops lethal new viruses (New Scientist)
Bioterror Researchers Build a More Lethal Mousepox (New York Times)