原発問題

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『除染が続く福島での悲劇』<リンゴが腐るまで ~一次下請け企業~> ※21回目の紹介

2016-07-19 22:20:36 | 【除染が続く福島での悲劇】

*『リンゴが腐るまで著者 笹子美奈子 を複数回に分け紹介します。21回目の紹介

『リンゴが腐るまで』原発30km圏からの報告-記者ノートから-

著者 笹子美奈子

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**『リンゴが腐るまで』著書の紹介

第2章 原発と生計

一次下請け企業

(前回からの続き) 原発事故で業務は一変した。

 原発事故直後、従業員は避難所を転々とし、混乱の日々を送る中、元請け企業から仕事の発注があり、3月18日から事業を再開した。当時の社長と専務ともう一人の3人が真っ先に駆けつけ、当時の社長のいわき市の実家を事務所にして従業員をかき集めた。原発事故前は建物、設備のメンテナンスを行っていたが、原発事故後の発注依頼は汚染水タンクの水位計の取り付けや海水をくみ上げるモーターの点検、計装品の取り付けやメンテナンスだ。夜間24時間ライトを点灯し続けるため、ガソリンを給油する仕事もあった。

「以前とはだいぶ違う内容だが、できることなら何でもやっていこうという意欲でやっている」という。

 原発事故前にはなかったもう一つの業務が除染だ。事故後の福島第一原発の作業で被曝線量が高くなり、原発構内で働けなくなった従業員の仕事を確保するため、従業員と話し合い、除染の業務をはじめ、樽葉町の除染作業や除染前後のモニタリング業務を請け負っている。

 原発事故後、他の仕事がよいといって辞めた従業員もいる。だが、従業員の生活を考えると、元請けから発注のあった仕事を受けざるを得ないという。従業員の7割が40~60代で、年齢的に、再就職が難しく、新しい仕事をはじめるには厳しい現状がある。

「実際は食べていくための仕事。原発の仕事は就労手当も悪くない。転職してそれ以上もらえるかというと難しい。費用対効果を考えて残る人もいる」という。

 ※「第2章 原発と生計「一次下請け企業」」は、次回に続く

2016/7/20(水)22:00に投稿予定です。 

リンゴが腐るまで 原発30km圏からの報告‐記者ノートから‐ (角川新書)


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