原発問題

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『除染が続く福島での悲劇』<リンゴが腐るまで ~アメ玉の限界~> ※13回目の紹介

2016-07-04 22:24:22 | 【除染が続く福島での悲劇】

*『リンゴが腐るまで著者 笹子美奈子 を複数回に分け紹介します。13回目の紹介

『リンゴが腐るまで』原発30km圏からの報告-記者ノートから-

著者 笹子美奈子

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**『リンゴが腐るまで』著書の紹介

第1章 オフサイトで起きていること

アメ玉の限界

(前回からの続き)

用地買収交渉が今後進めば、地権者と地権者以外の住民の間で、補償金をめぐって新たな確執が生じる可能性がある。

「道路1本隔てての問題は、いずれ出てくるだろう。今でも避難先の集会所などで中間貯蔵施設の話になると、グループでひそひそ話になる。ある地権者はこう言っていた。『地権者はもちろんのこと、地権者でない同じ町民が納得しなければ、私は(同意書に)はんこを押すことはないし、そのような条件を付けている」と。地権者以外の町民の理解が得られなければ、この問題はいつまでも尾を引くことになる。町民の理解を得るためには、中間貯蔵施設の問題だけでなく、福島第一原発でメルトダウンを起こして溶け落ちた燃料デブリや地下の汚染水の処理を含めた廃炉工程を、国が明確に示すことが必要不可欠だ」。

 大熊、双葉町に建設される中間貯蔵施設とは別に、隣の富岡町には「指定廃棄物」の最終処分場が造られる予定だ。指定廃棄物とは、1キログラムあたり8000ベクレル超の放射性廃棄物を指す。1キログラム当たり10万ベクレル超の超高濃度の放射性廃棄物は中間貯蔵施設に保管し、8000ベクレル超10万ベクレル以下の放射性廃棄物は富岡町の施設に保管されることになる。

 中間貯蔵施設の放射性廃棄物は30年後、福島県外に造られる最終処分場に搬出される予定だが、富岡町の施設は一時的な保管施設ではなく、最終処分場となる。

 国は当初、東京電力福島第二原発から約3キロメートル西にある民間の管理型処分場「フクシマエコテッククリーンセンター」を、最終処分場として使用する計画だった。2013年12月、当時の石原伸晃環境大臣が富岡町に対して、計画の受け入れを要請したが、地元の反発は中間貯蔵施設のそれと同じかそれ以上に根強かった。

 ※「アメ玉の限界」は次回に続く

2016/7/5(火)22:00に投稿予定です。 

リンゴが腐るまで 原発30km圏からの報告‐記者ノートから‐ (角川新書)


7月3日(日)のつぶやき

2016-07-04 02:30:00 | つぶやき