原発問題

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『除染が続く福島での悲劇』<リンゴが腐るまで ~汚染水タンクの森~> ※18回目の紹介

2016-07-12 22:06:26 | 【除染が続く福島での悲劇】

*『リンゴが腐るまで著者 笹子美奈子 を複数回に分け紹介します。18回目の紹介

『リンゴが腐るまで』原発30km圏からの報告-記者ノートから-

著者 笹子美奈子

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**『リンゴが腐るまで』著書の紹介

第2章 原発と生計

汚染水タンクの森

(前回からの続き)

 4号機に近づくと、「心をひとつに がんばろう! 福島」という標語が見えてきた。付近の線量は50マイクロシーベルト。4号機は東日本大震災時、定期点検中だったため、建物の周りには点検に必要な資材や機材が置かれていた。津波で流された機材やがれきが道路をふさぎ、1,2,3号機の現場に向かうのを妨げたという。

 今では道路のがれきは撤去されたが、道路から少し離れたところにあるがれきはまだそのまま残されている。車両やタンク、分電盤、柵等が倒れたままの状態で放置されている。クレーンも傾いたままだ。付近の線量は140マイクロシーベルト。

 バスは4号機から3号機、2号機の横を通りながら1号機へと北上していく。線量は最大で720マイクロシーベルトに達したが、3号機の端に来ると300マイクロシーベルトに下がった。1号機付近の建物は、放射性物質の飛散を防止するために散布された薬剤で緑色に染まっている。建物の窓ガラスは割れている。津波で割れたのか、水素爆発で割れたのか。

「線量が高いのでこれぐらいにして、車はUターンします」

 原子炉建屋の対岸では、仮設防潮堤の工事が行われていた。従来の防長堤は津波で流され、ところどころ倒れた防潮堤の破片が見える。防潮堤の代わりに、今では消波ブロックが一時的に置かれている。津波で大きく変形したタンクが海側から陸側に流され、挟まりこんでいるのも見える。

 ※「第2章 原発と生計「汚染水タンクの森」は、次回に続く

2016/7/13(水)22:00に投稿予定です。 

リンゴが腐るまで 原発30km圏からの報告‐記者ノートから‐ (角川新書)


7月11日(月)のつぶやき

2016-07-12 02:32:43 | つぶやき