JINCHAN'S CAFE

My essay,My life
エッセイを書き続けることが、私のライフワーク

『グッド バイ』改め『復活の日』

2007年05月10日 18時06分00秒 | 夫婦

 数日前の深夜、夫と大ゲンカになった。このエッセイについて、どんな妨害工作が入るやらと思っていたら、案の定である。もうたくさんだぃ。私が外の世界とつながっているのが許せないんだね。あんまりガタガタ言うものだから、「あなたは、私が外の世界へ踏み出そうとすると、いっつもそうやって邪魔するのよ!」となり、その後、激しい言い争いが続いた。まったく2時間ドラマか!要するに、妻が他の事に夢中になるのが腹立たしいのである。これまでも、ちょっとしたストレス解消に目くじらをたてられ、様々な妨害工作を受けてきた。そこまで眉をひそめられるような事をしている訳ではないのにと、こちらは納得がいかない。いい加減にしてくれ! と怒り心頭に達する。
 
 大体何でそういう心情に至ったのか、わかってんのかー。今まで我慢していた事をぶちまけた。「私を閉じ込めるな!」気分は『ヤヌスの鏡』の杉浦幸である。ヤンキーに変身して、深夜に暴れるゾ。トウがたっているのと、胸がショボいのはお許し願いたい…。「ドラマだって、いっつも邪魔するじゃない。あなただってプラモデル製作してるでしょ~。私、邪魔したりしないよ。そのひと時があるから、また頑張れるんでしょー!」「うん、確かにそうだな」 体勢が微妙に変化してきた。「こりゃ、弱いトコ突かれたなー」 などと頭を掻いている。最後は 「まぁ体に気をつけて」 トカ何とか、つぶやきながら消えていった。そちらの見当違いな言いがかりのせいで、私の睡眠時間が削られたのだ。何が ’無理のないよう’ じゃ!!ええ加減にせぇ~。

 翌日は、朝からひどい頭痛で最悪の一日だった。人との諍いは苦手なのである。だから今まで極力反論せず、黙って言葉を呑み込み、不愉快な思いをくすぶらせてきた。今回自分にとって譲れない問題だったので立ち向かってみたものの、精神的にぐったりだった。子どもたちが帰宅しても、元気がでない。ふさぎこんでいる母をみかね、娘が 「お母さん大丈夫?」 と掻き抱く。柔らかな体が心地よい。しばらくして、今度は息子が近づいて来た。「母さん、いいもの作ってきたよ。」それは、夫の写真を枕にピンでとめ、うりゃ~っ! とケリを入れるというもの。つい可笑しくなり「わっはっは」と笑ってしまった。その日初めて、心の底から。「ねっいいでしょ。写真はここにしまっとくからね、辛くなったら使うんだよ。」「わかったよ。」彼は、私以上に関西人である。辛さを笑いに昇華させるスベを知っている。えらいなーと思った。夫が帰宅すると、いつになく寄り添う子どもたち。息子は昼間の行動を押し隠し、いつも以上に、にこにこ笑いながら話しかけている。’アイツ世渡り上手やのー’ と、またまた感心した。 (親バカなのだ)

 夕食後、ある作品が読みたくなり、近所の本屋へ自転車をとばした。ラプンツェルという娘が、魔女によって塔の上に幽閉される話である。彼女は数年間髪を伸ばし続け、やがてその髪を切り、一本の綱にして脱出するのだ。学生時代から大好きな話だった。その作家の作品を読まなくなって、随分経つ。’思春期にかかるはしかのようなもの’ と評されるが如く、私も大人になって向き合うのは気恥ずかしく、何かの機会がない限り、手には取らなかった。ただし、その何かの機会に触れたなら、もう昔のようにハナから心酔はしないものの…「バッカじゃない♪」とか「またぶっちゃって」とか、ニヤニヤ対峙しながらも…その後、きっと感動して泣いてしまうのである。今回も、そうだった。

 その夜、夫との仲は一応修復した。「少し言い過ぎた。 君がそんな気持ちでパソコンに向き合っているとは思わなかったから。」と、彼は言った。 私は、ふてくされた表情で「書く事とドラマは私の生き甲斐だから奪わないで」 と返した。ドラマが余計だな、カッコつかないやと思ったが、仕方がない。一介の主婦なのだから、気取る必要などないのである。まぁいいや。

 翌朝 「辻ちゃん、結婚だってねー」で、夫婦の会話はスムーズに幕を開けた。みんなが出かけてからパソコンを開くと、友人からのメール。「まったくその通り。 家もです! 夫は覆面マッチョだし…」「負けるなISSAこれにあり。 最近行方不明のISSAに応援されても、嬉しくないかな。」 などクスリとしているうち、元気になってきた。そして自分のH.P.を開けたら、活動停止状態だった前日も、何人かの人々が遊びに来てくれていたのである。まだ始めて日も浅いのに… ありがとう♪心からつぶやいた。ほのぼのエッセーを楽しんでくれていた方、とんだ楽屋ウラを見せてしまってごめんなさい。

 P.S.『ろまん燈籠』の結末は涙ものです。夫婦関係に行き詰った方は、是非お読みください。私自身まったく忘れていた ’続き’ があり、’ラスト’ がありました。

コメント (1)
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