JINCHAN'S CAFE

My essay,My life
エッセイを書き続けることが、私のライフワーク

『イェ~イ! めっちゃ ホリディ♪』 後編

2007年07月31日 02時34分00秒 | 旅行記
 伊豆旅行2日目の朝は、ホテルの朝食バイキングで幕を開けた。意地汚い私は、少量ずつでも全種類制覇しなければ気が済まぬので、他の家族が終わっても一人挑戦し続けている。ったく 『テレビチャンピオン』大食い選手権か!だが恐怖の体型へリーチがかかった今、そんな事もしておれなくなった。

 ’女子たちみんなが勝負どき~ ライバルなんかにゃ負けないゼ♪’
 ’どんな場所でも気を抜くな~ ひょんな出会いもあるものぞ♪’

 気分は、あややである。気持ち的に負けたくないのだ。あーおばさんでいいやーと思った時から堕落が始まる。素敵な40代を迎えられるか、否か、ここが正念場。と言いながら、バイキングのパンがあまりに美味しかったので全種類制覇。おかわり4つをトレイに載せて帰ってきた私に、「ちょっと母さん!」「何だよ。昨日あれだけ大騒ぎしといて。」と家族のツッコミが入る。「だって、このホイップバターちゅーのがイケるんやもん。それにパンかてちっこいしサ。」「それがイカンだろーっ。」あっちゃこっちゃから鉄拳がとぶ。いてっ。いてててっ。うふっ。私って愛されているのね♪って、誰が思うか!コノヤローッ!お前らやり過ぎなんだよ。えーい!えーい!1回は1回の精神で、謹んでお返しする。

 2日目のメインは、観光バス。伊東駅から乗り込み、城ヶ崎海岸を見学して小室山へ。その後、天城高原ベゴニアガーデンに立ち寄り、伊豆スカイライン経由で熱海駅へというコース。昼食付きで10時から16時までの観光なので、結構長い。「お客さま。私の話がつまらなくっても逃げられませんよ。一種の軟禁状態でございます。ホホ」たおやかな物腰のガイドさんに、軽く脅かされた。子どもたちは、それぞれ「王子さま」 「お嬢さま」と呼ばれる事となる。「アンタ何王子やねん?」「足クサ王子かな。」「ひどっ。」昔幼稚園の方針で、裸足に靴を履かされましてね~汗をかく時期には泣きましたね。家族が。

 まずは、伊東の街中の案内から。東海館という昭和初期の建築様式の旧旅館を車窓から眺めたり、町で芸者体験ができるという話を聞いたり・・・。この芸者体験、プロがメイクや着付けをし、美しくなった姿で記念撮影や人力車遊覧ができる。老年のご婦人が人生最後の思い出に、また母と娘の旅の思い出にと、人気らしい。宿泊コースなら、一般のお客さんの宴席へ出て酌をする事もある、という話だった。「男性の方もOKですよ。旦那さま、いかがですか?」とふられ、ニヤリと笑う夫。『舞妓Haaaan!!!』の堤真一&アベサダになっちゃうよ~。

 その後、伊豆高原を経由して城ヶ崎海岸へ。憧れの一碧湖を眺め、ご満悦の私。「秋には、紅葉が美しゅうございます。」という言葉の如く、バス通りの並木がいい感じ♪胸より薄い過去の恋バナ帳をぺらっと紐解き、あの人と来たかったなと、ちょっとセンチになった。日頃は胸の奥深くに沈めている想い、今ならまだ何とかちょっとしたきっかけで、鮮やかに浮かび上がらせる事ができる。だが、いつまで忘れずにいられるだろう。忘れたくないなぁ。あんなにも恋していたこと。忘れたくないなぁ。私の青春。移り行く景色を見つめながら、そんな事を考えていた・・・

 伊豆海洋公園へ到着。そこから城ヶ崎海岸まで20分の道のりを歩く。並んで歩く夫が 「さっきのガイドさんサ、大沢家政婦協会から来ました~に似てね?」と変な指摘をする。「あ~確かにね、市原悦子。家政婦は見た!だね。」情緒のないヤツだよ、まったく。妻がセンチになってる時に、アンタは市原悦子かい。と思ったが、その指摘があまりに的を得ていたので、ついつい「柔らかな声で毒のあるコメントをするもんね。何だかお顔も似てないかい?」と付け足してしまった。吊り橋を渡っている時も「そこから突き落とされてだな。あそこにホラッ死体が浮かぶんだよ~。」一人大盛り上がりである。まったく、2時間ドラマの見過ぎだよ!20分の散策時間では、全然足りない。ゆっくりのんびり来たい所だった。橋も頑丈でちっとも怖くないのだが、眼下に見える海の藍がキレイだった。

 お次は小室山。レストハウスで昼食。いただきますをして、食事にとりかかろうとしたら、夫がおしぼりがないと騒ぎ出した。そっちに紛れてない?お盆の下に隠れてない?「ないよー。」「ないよっ。」「ないよ~。」「僕だけかよっ。」「日頃の行いが悪いんじゃないの?」「・・・・・」食後、あわよくば山頂から美しい景色が見えますって、ガスで見えないよ。「やっぱり誰かの行いが悪いね。まぁ私じゃないけどね。さっきもおしぼりあったし。」「えっ・・・・・」意気消沈する夫。まぁいいよ。雨が降らなかっただけでも。リフトにも乗れたしサ。この小室山公園、春には10万本のつつじが咲き乱れ、美しいらしい。「是非その時期にいらしてね♪」と、ガイドさんに勧められた。

 ベゴニアガーデンは、こじんまりとしていたが、それでも目の保養になり、いい休息となった。カップルで写真を撮るのに最適なスポットがあります~。私たち夫婦がそこで写真を撮ったかどうかはミステリー♪伊豆スカイラインもガスの為、行けず・・・急遽予定を変更し、海沿いの道へ出てマリンタウンへ。個人的に行きたかった所なのでよかった。限られた時間ながらも、海産物とお土産を物色。 

 最後は、熱海への海岸線を走ります。「あちらにございます別荘は・・・」と、ネタで不動産紹介も手がけるガイドさん。「もし購入されたあかつきには、私は飯炊と掃除。運転手はゴミ出しをさせていただきます。」夫と顔を見合わせ「市原悦子!」。やっぱりな~。もしかして、ご本人も承知の上だったのかな。最後に家政婦話で締めくくるなんて。できすぎじゃ。

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『イェ~イ! めっちゃ ホリディ♪』 前編

2007年07月26日 20時20分00秒 | 旅行記
 行って来ました!伊豆旅行。楽しい楽しい伊豆旅行♪となるはずが、とんだ己を見つめ直す旅となってしまいました。ホント、自分自身ってわかっていないものですねぇ・・・

 我が家の伊豆行きは、新幹線こだまを使ったゆったり旅。パック旅行で料金が安く上がるのに加え、移動途中に飲むビールが格別でして・・・今回も名古屋駅の売店でビールを購入しようとする夫を認め、「私のもおねがーい!」と叫ぶミセス羽田美智子。スーパードライを掲げる夫に、「一番搾り~!」とダメダシをするとんだミセス羽田美智子。さて新幹線に乗り、ビールとおやつで一息ついた所で、前夜の夜更かしがたたり爆睡。トランプに興じる家族を他所に、ひたすら船をこぐ。検札が来たのも気づかず、その現場写真を夫に撮られるのであった・・・ふんま性格悪くてねー。人の嫌がる場面でシャッターを切るんだよねぇ。口いっぱいに頬張っている時とかサ。女性相手に、少しは気をきかせろっての。

 約2時間の新幹線旅を終え、熱海で下車、そこから伊豆急行に乗り換え伊東へ。初日は、ここで宿泊なのでございます。お目当ては、子どもが喜ぶプール♪ 水着だって何のその。’スレンダー美人’(自称)は、行け行けGO!GO!しかしまぁ、見目形がわからん思て、言いたい放題ですな。例のションボリおっぱいも、水着のパッドがあるから平気だよ~ん。おーっほっほ。あたしゃ白鳥麗子か!しばらくプールで遊んだ後、お風呂へ。やっぱ大きなお風呂はいいねぇと、開放感に浸りながら体を洗っていると・・・むむっ。何だか腕のあたりがふっくらしてないかい?はて、’スレンダー美人’のはずだが。前方の鏡にぐっと顔を近づけ、まじまじと観察。何だ?この全体的なむっちり感は。つつーと視線を落とし、ギャッとのけぞった。何なの!?このお腹は~

 気づかなかった。家には、風呂上りに全身をチェックする鏡なんてないし、お腹も上からしか見ていなかったもん。若い頃から、’幼児体型’ ’ビール腹’で、そこだけぽっこり出ていたものの、子どもを生んで育児をやっていたら、ぺしゃりと引っ込んでしまった。産後の激太りと無縁と言えば聞こえはいいが、それを通り越しての激やせ状態。はっきり言って、嬉しくなかった。痩せている人にとっては、それもまた悩みの種なのである。せめて、ふつーでありたいと。しかしまぁ、こりゃふつーを通り越して、完全に振り切ったね。どうするよ~。

 風呂上りに、おそるおそる体重計に乗ってみた。4~5キロ減っていたものが、若い頃の体重に戻っている。cafe活動を始めて3ヶ月でだよ。そこからは未知の領域。ひぇ~。ヤバい!ここで何とか、食い止めなくては。中高年まで痩せていた母と、同じ道を辿ると思ってた。体重の話で騒ぐママ友を横目に、「ええやん別に。田辺聖子かて言うとるで。世の亭主族は、カモシカ足の女房なんか求めとらんて。ふっくらした女房に安心感を抱くって。」と内心ツッコんでいた。昨今の斉藤由貴にも、「リアル子持ち体型いいじゃない♪」。しかし、いざ自分に同様の環境が降りかかってくると、落ち着いていられなくなった。これでも一応、ミセス羽田美智子を目差しているもんで。

 夕食時にこの話をしたら、家族一同大爆笑。「いいじゃん。母さん、痩せてたんだから。」とにこにこ顔の息子も、「せやかてこのお腹やで。」と示すと、「わっひどっ!」。夫も、「最近すごいなと思ってたんだよ~」。わかっとったなら教えんかい。「気づかんかったの?」「気づかんかったよ。」それどころか、最近ケツでジーンズはけてる!いい感じなんて、スーパーの鏡でうっとり眺めてたよ。あ~んつくづくトロい。すべては、わが身に合わせてジーンズをぴったり仕立てた所為だと思っていた。娘の指摘が一番当たってた。「母さん、赤ちゃんできたんでしょう?」ホンマ一人入ってる状態。5ヶ月でも、そう目立たんというのに。一体何ヶ月状態やねん。

 「運動しろよ~。」「夕食が遅いからだぞー。」「生活習慣、大事だからなっ。」「メタボ一直線!」てんでに言葉の雨を降らせる。『8時だヨ!全員集合』か!!

 しかし悔しい思いをしながらも、ご馳走はしっかりいただく。なけなしのお金をはたいた旅行なので、子どもの余り分にまで手を伸ばす。それがいかんちゅーねん。ふぅ苦しい・・・さらに、はちきったお腹を抱えて部屋へ。布団にもぐり込み、一寝入り。それがいかんちゅーねん。せっかくのラウンジ演奏会も、ふっとんだ。かくして、1日目の夜は更けたのである。後編へ続く・・・

 P.S. 自力で何とか致しますので、美容系勧誘の類は、お断りだよっ。

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妻の条件

2007年07月21日 17時51分00秒 | 夫婦
 男性の方々に、お聞きします。あなたが妻に求める条件とは、何ですか?

・ 家族を愛すること(精神的ケアも含めて)
・ 家庭をしっかり守ること
・ 家事ができること
・ 子どもを育てること
・ 夜の××××(←こら。いえいえ大切なことです♪)

 こんな所でしょうか。もっとある?細かい事を言えばキリがないね~。

・ できれば美人が~
・ スタイルもよく~
・ 頭もそれなりに~
・ んでもって、やさしい人~
・ 欲いやーちょいエロかな(僕にだけ♪)

 そんなヤツおるか~!

 ちなみにうちの夫は「家事ができること」の要求度が高く、辛い思いをしております。これでも努力してるんだけどね~。たまーに主婦仲間へ、ちょいとグチるのですが、大抵の人が「家の事にうるさく口を出してくる夫は嫌だ」と言いますね。「うちは手も出さんけど、口も出さん。その方が楽でええわ~」とも。どうやら究極は、「口は出さずに、手だけ出せ」のようでございます。

 ーここからは、従来のじんちゃん節ー

 ちょっと前に、よく拝見させていただいている人生の大先輩のページへおじゃました所、’妻にするならこんな人’といった日記を目にした。「頭や器量はほどほどでよし。気立てがよく、家事ができれば」という内容だったかと思う。一般的に言えばそうなのだろう。しかしその言葉に、一抹の寂しさを感じたのも事実だった。結局ここへ落ち着くのかぁと。家事というのは、日々生活していく上で軽視できないもの。ただ事情が許すならば、他の人に任せられることでもある。そういう意味では、頭や器量はその人オリジナルのものなので、それに拘るのも悪くはないかと。

 頭なんかほどほどでええねん
      ↓
 その方が可愛げがあるしな
      ↓
 やっぱ従順が一番やで 
      ↓
 その方が守り甲斐もあるっちゅうもんや

 ヒネクレた私は、ついこんな論理展開をしてしまうのである。むちゃ被害妄想やねぇ。すんませんね。悪い方にばかり考えてしもて。結婚当初、見知らぬ土地へ飛び込んだ私には知り合いもなく、最寄の郵便局の文庫コーナーで、色んな本を乱読していた。それまで読みもしなかった作家の作品を手にして、未知の世界へ次々と魅了されていったのである。中谷彰宏、曽野綾子、堺屋太一。どれも新鮮な内容だった。

 ある日、夕食時の会話として、そんな自分の感想を夫に語っていた所、嫌な顔をされた。堺屋太一の経済本だったかな・・・取りだてて小難しい内容ではなかったのだが、’コイツ何言ってんだ?’みたいな空気がその場を支配したのである。私は、その時こう悟った。「専業主婦が賢くなっちゃいけないんだ・・・」と。中谷彰宏の how to 本も、軽いビジネス書のような内容だったが、そこに示されていた考え方や取り組みは、日常生活にも応用できる。だから、自分の身に置き換えて、面白く読んでいた。ちょうどその頃、仕事のグチをこぼしていた夫にタイムリーな部分もあったが、本人にあまり受け止める気がないので、伝えるのは止めにした。意地っ張りの夫は、人が「いいよ~」と勧めるものは、絶対避けて通る。かわいくない。男が女をかわいくねーと思うように、女だって男に対して、そう感じることがあるのだ。女になんか教えられたくない?男の沽券に係わるとでも?つまんない事で意地張ってるなぁ~と思うけれど、仕方がない。あっそ。別に押し付けるつもりもないし、乞われてる訳でもないから、「それじゃあ、ようござんす」と引くだけである。私はフェミニストじゃないし、テレビでその筋の理論をわーきゃー展開している論客などは、むしろ苦々しく見ている方なのだが、それでもそう感じるのだった。

 確かに、夕食の席の話題ではなかったのかもしれない。1日仕事をして疲れて帰ってきて癒されたい時に、そんな話は聞きたくないのだろう。でも、それはお互いさま。私だって、夫の職場のグチを受け止めていたのだから。専業主婦として家にいると、夫や子どもが色んな話をもってくる。楽しい内容もあるが、怒り、苦しみ、悩みも。そういった話をひたすら吸収していたのは、家族がまた笑顔で外の世界へ向かえるようにと、願えばこそ。私にだって、聞いて欲しい事はあるのだ。今、こんなものに興味があってね~こんなものに感銘を受けてね~本当は素直に、そんな他愛もない事を伝えたい。世の中の妻が求めているのって、意外とそんなことではなかろうか。それがままならないから、夫を見限り、自分の世界へ走る。うちの奥さん、ドラマばっかり見てトカ、趣味にハマって、なんていうのはこんな所が原因かと。

 ’夫として男として’という必要以上の気構えは、時として自分の固定観念へ、妻を閉じ込める結果になりかねない。現代の夫像でウケが悪いのは「精神的マッチョ」というのは、ここだけの話。’妻の条件’を提示される側としては、できそうな事、誇れる事を上げていただき、それを認めてもらえると幸せ♪かな。

 ちなみにうちの息子(小4)にも、未来の奥さんの条件を聞いてみた。

・ 美人(唇が薄い人)
・ たばこを吸わない
・ スタイルがいい
・ 気立てがいい
・ お金を大切にする
・ 家事ができる(料理が上手い)
・ 育児をしっかりする(子どもの教育)
・ 不倫をしない

 やっぱり母ちゃん、立つ瀬ないわ~  

 P.S.大変お優しく愛妻家の大先輩のお言葉を拡大解釈してしまい、重ね重ね失礼致しました。ヒネクレ者の若輩者をお許しくださいませ。

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性春の門

2007年07月13日 16時46分00秒 | ちょ色気
 今回は、ちょ色気ネタで参ります。では、いきますよーっ。

 お・と・な・の’ボキャ天’

 朝食を終えた息子が、計算機を取り出して何やらやっていると思ったら・・・「えーっと、3×60(分)×24(時間)×365(日)=1576800(回)か。ねぇねぇ母さーん、この間の女の人さー1年間に157万6800回、あの事を考えてるって訳だよー。」「ははっ。すごいねぇ~って、アンタ何やってるの!」 「えへへへへー」

 この間の女の人というのは、『たかじんのそこまで言って委員会』(関東地区では、放送されておりません)で紹介されていたお色気エクササイズのDVDに登場する、外国人のお姉さん。フェロモンをむんむん撒き散らしながら、インタビューにこう答えていたのである。「そうねぇ。20秒に1回はエッチの事を考えるわん」つまりうちのせがれは、彼女が年に何回エッチについて考えているのかを、はじき出したって訳。まったく朝から何やっとんじゃ!しかも小学4年やっちゅーねん!!まぁテレビの前で、手をたたいて大笑いしていた私も、悪いんやけどね。少しは遠慮せいっちゅーねん。子どもの前で。

 はて、あれは去年の今頃だったか。家の中で診察券が見当たらなくなり、親子3人引き出しをさらって大捜索をしていた時の事。手伝っていた息子が、やにわに隣室からたずねた。「ねぇ何?この’うすうす’ってやつ」「はぁ~?何じゃそりゃ」商品名を意識していない私は、それが何たるか、わからなかったのである。作業の手を止めて、その場へ行くと・・・あちゃーコンドームやがな。思わず下を向いて、ぷーっと吹き出した。うつむいたまま肩だけ激しく上下に揺れる。「フッフッフッフッ フッフッフッフッ」まるで明智くんに正体を見破られた、二十面相である。次第にこらえ切れず、「わっはっはっは わーっはっはっは」よく見破ったな明智くん!

 「何だよ~」子どもたちも、つられて笑っている。さて、場がすっかり和んだ所で、どうしたものかと考えをめぐらし、こう切り出した。「うむ。これはだね。男の人の大事な所につけるものだぁね。」「えっ!?○○○○に?」「そうさね」「えーっ!?」兄妹顔を見合わせ、「なんでぇ?」「それはやなー。赤ちゃんの素が、お父さんからお母さんのお腹へ、お引越ししてくる時にやねー。ああなって、こうなって・・・

 (ここから後は、しばらく音楽をお楽しみください。曲目は、つボイノリオで『金太の大冒険』です。知っている方は、大きな声で歌ってみましょう♪ はいっ!)

 あるーひ 金太が歩いていると~ 美しいお姫さまが逃げてきた~  
 悪い男にー ネェ 追われているの~ お願い 金太まもってぇ  
 金太まもーって 金太まもーって 金太まもーってぇ♪
 (うちの一家、車でこの歌を合唱しております。)

・・・という話やねん。」「そっかー。やっと謎が解決したよ。」「赤ちゃんの神秘?」「’うすうす’だって。僕、何なのかよくわかんなかったんだ。」「アンタ知ってるの!?」「うん。だって『クレヨンしんちゃん』に出てくるもん。」しまったー。

 息子が手にしたコミック第1巻を見ると、あるある。ひろしとみさえがいい雰囲気になり、さてこれからという所で、寝かせたはずのしんちゃんが・・・というくだり。バックに描かれてますがな。商品名’うすうす’と入ったコンドームの箱が。くーやられた。確かに大人向けの雑誌に連載していた漫画だから、そういうシーンがあっても、おかしくない訳で。自分の所有物だったにもかかわらず、あまりに大昔の品で、細かい内容など、すっかり忘れていたのである。勿論、下品なのは承知していたが、そうした世界に対してマユをひそめるタイプじゃなかったので、息子がバイブルのように繰り返し読んでいても、さして気に留めなかった。こりゃ私の責任か?だよなー。が、困った事に、自分にはこういう場面をいたく面白がってしまう側面もあり、結果的に本日も反省の色ナシ。「しかし、アンタ何からでも学んでくよね・・・」彼は、十二支も江戸川乱歩の小説(少年探偵団シリーズ『大金塊』)から学んでいた。宝の隠し場所を示す方位として登場するのだ。『しんちゃん』からも、学ぶべきものがあったって訳ね。こうして、我が家の性教育入門はつつがなく修了。

 さて現在、母を面白がらせるこの息子。実は出産時にトラブルがあり、仮死状態で生まれてきた。お腹の中を下りてくる途中で心音が低下し、吸引によって、ひっぱり出されたのである。出生から自発呼吸が始まるまで8分間。酸素を投与されながらの蘇生となった。「ちょっと赤ちゃん、しんどそうなんでねー」男か女かも教えてくれず、先生も助産婦さんも、隣室へ消えてしまった。それくらいの緊急事態だった。先生方の尽力で蘇生したものの、低酸素状態にさらされた影響がどうでるのかわからなかった。贅沢は願わない。みんなと一緒に走って、嬉しい時に笑い、悲しい時に泣いて、そんな普通の生活ができたらなぁと、真底思った。数日後の検査で大丈夫であろうという結果はでたが、それでもある程度成長するまで緊張感に包まれていた。

 こんなバカ母でも、一つだけ息子に真面目に伝えている事がある。「あなたの命は、救われた命だから大切になさい。」どんなに医療が発達しようとも、出産時の態勢は万全ではない。また、そこに至るまでにも、様々なトラブルがある。それをかいくぐって生まれてきた命は、それだけで価値あるものなんじゃないかな。あの時、お世話になった先生方、助産婦さん、看護士さん。そして心配してくれた、周囲のみなさん。本当にありがとう。息子は来月で10歳になります。息子よ。これからもそのキャラで、のびのびと育つんだよ♪

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肩越しの恋人

2007年07月09日 22時30分00秒 | ドラマ
 今期ドラマ。どこぞの局の人気作じゃないが、正にイケメンパラダイスだそうで・・・そんな好条件にも係わらず、私が選択したものに、胸をときめかせる人材はほとんどなし。選択ミスかなぁ~。まぁドラマは顔じゃない。内容よ!さて、木曜10時の対決。『山おんな、壁おんな』の及川ミッチーVS『肩越しの恋人』の田辺誠一。どちらを選ぼうか迷った末、『肩越しの恋人』に決めた。長く見続けるのに、失敗はしたくない。最後は脚本重視なのである。

 しかし惜しい。米倉涼子を取り巻く男性次第で、楽しみがぐ~~~んとアップするのに、精彩を欠く。期待していた田辺誠一だが、とっちゃん坊やみたいで、色気が感じられない。米倉と一夜限りのアバンチュールを楽しむ妻子持ちという設定から始まるのだが、彼のどこに米倉が惹かれて、一夜を共にするのかわからない。そういう瞬発力には、お互い余程の魅力が必要と思うのだが・・・・ウッチャンにしか見えなくて、がっかりだよ。職場で日常的に顔を合わせていく中、愛情が育まれる感じなんだよな~田辺くんは。

  一方、米倉の職場のバイトくんだが、こちらも今一歩。可愛いといやー可愛いのだが、愛でる可愛さじゃーないんだ。高岡早紀の夫、永井大も何だかねぇ。いらないよ。あんなマッスル野郎。(ごめんねー永井くん。嫌いじゃないんだよ)どうも夫としてピンとこないのだ。個人的には、『ママの遺伝子』の上川隆也とか、『眠れぬ夜を抱いて』の仲村トオルとか、『我輩は主婦である』の及川ミッチーが、ウハウハだった。『不信のとき』の石黒賢も、あまり嬉しくなかった部類だな。だって、色気がないんだもーん。浮気する役なのに!

 ともかく周囲の男性が、米倉&高岡に負けているのである。もどかしいじゃないか。しっかりせいっ!唯一の健闘は、要潤か。’GTO野郎’池内博之のゲイっぷりには、目を見張る。その一挙手一頭足から、目が放せない。こちらのチェックが、密かな楽しみとなりそう。

  脚本はよし。潤いのないサボテン女米倉 VS 愛を求めて泳ぎ続けるサメ化の女高岡の対比が面白い。特に米倉。彼女の心境を独白調のセリフにしているのだが、原作から拾っているのか、上手く効いている。「最近、自分がどんどん女を失い、オス化している」「女を捨てている訳ではないが、恋にときめくド真ん中の女を続けるのはしんどい」など30女のセリフがリアル。ちょっと早く枯れ過ぎじゃね?とは思うが・・・しかし本人がそんな心持でいる割には、周囲の男性が放っておかないのであーる。結局モテモテじゃん!バイトくんの「あなたは自分がかっこいい女である事に気づいてないだけ」という言葉が、核心を突いているという訳か。職場では主任とは名ばかりの、上からも下からもいいように扱われる便利屋と自認。この辺りは、男性の共感も呼びそう。30代の未婚女性が多い昨今、ヒロインの’色々経験を積んでいるのに、肝心な事はわからない。どうやって生きていけば・・・どうしたいのか・・・’などという漠とした不安に、どこまで感情移入できる作りになっているのか、とくと拝見。

 一方の高岡は、友人米倉の彼を略奪して3度目の結婚を果たすが、すぐに行き詰る。「結婚まであんなに関係をもっていたのに、結婚したらぱったり」というセリフは、実際に、この耳でしかと聞いた事がある。しかし、サメ化になった原因を3年間の女子校生活にあるとしていたのには参った。黄金時代を男ナシで過ごした、暗黒の3年間だとぉ。それくらいで、ガタガタ言ってんじゃないよっ!女子校出身者が、みんな男を求めてフェロモンむんむんになると思ったら、大間違い。ざらっと友人見渡しても、フェロモン系なぞいやしない 。同性に囲まれる生活を長く続けると、己の性を忘れるのだ。ムシムシする日にゃ、スカートの裾をちょいと持ち上げ、「あっちー」と団扇でパタパタ扇ぐ、それが女子校の実態なんだから。加えて男を見る目がないだとぉ?余計なお世話だい!高岡のキャラクターは、無邪気な女を通り越して、お子ちゃま過ぎかも。あんな30嫌だろう。彼女本来の持ち味を、出せないものか。

 最後に、私が反応したセリフを2つ。「大人になると、行き先も決めずにメチャクチャに走る事がなくなるじゃない?」「モテる男は言葉を選ぶの!」女の幸せは、恋か?仕事か?結婚か?さて、どんな回答になるのやら。

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