JINCHAN'S CAFE

My essay,My life
エッセイを書き続けることが、私のライフワーク

My essay,My life -書を捨てよ、町へ出よう-

2012年11月10日 10時28分55秒 | My essay,My life
友人の元同僚がね、BARを開いたそうで。このご時世に脱サラとは、勇気あるなぁと思いますけど、同じ職場から作家へ転身された方もおられるらしく、そうした影響もなきにしもあらず⁈

あれはまだ暑い日のことじゃった〜。せっかくなので応援がてら訪れたいという友を中心に、何人かでお邪魔する運びとなりました。夜のお出かけなんて、久しぶりじゃねぇぇぇ?勿論じんちゃんも、二つ返事でOKです。子育てをしていると、こんな機会もなかなか。送り出してくれた母と家族に感謝ですね。

さて、冷麺で軽く小腹を満たし、向かった先は東門街。大阪の北新地には遠く及ばないが、神戸の中心地三宮界隈では、日の暮れから俄然元気になるエリアです。限られた空間にたくさんのお店がひしめき合い、ネオンがチカチカ。付近を通る度、気にはなっていたものの、女性一人ではちょっとね(笑)。なのでちょうど良かった。

まずはカウンター席へ通され、「ええっと、何にいたしましょう?」非日常の空間に、早くも心が踊ります。「どんなものがありますか?」と尋ね、マスターに勧められたのがシャンパン。連れてきてくれた友人の誕生祝いを兼ねて、皆で乾杯しました。いい滑り出しだ〜。ただ一つ難を言えば、5人が横に並んでいるので、2つ隣くらいまでしか声が届かない。かと言って、お酒を頼みやすいのはカウンター席だしねぇ。マスターと会話ができるのも。

腰を落ち着けて飲んでいると、繁華街から流れてくるのか、次第に周囲が賑わってくる。入店時には一人だったお客さんも、その後10名以上の団体が入り、テラス席まで埋まる盛況ぶりになりました。日曜の夜に、これだけ集客できるなんて、すごいよぉ!元々休日だったのを、「やっぱり休んでいる場合じゃない」と開店へ踏み切ったそうで、ひとまず読みが当たったということかな。

後から来た団体さんは、小さな丸テーブルに、寄り合って座っておられました。気働きのあるおばちゃんが、グラスをまとめてカウンターへ運んだり、マスターの代わりに動く動く!ちたみにこちらも、全員1杯目はシャンパンで、この店のとりあえずはシャンパンなのか!?つーかビールないの?ひょっとしてワインBARなんかな〜。メニューは見当たらず、グラスが空になると、黙って2杯目のシャンパンをつがれました。それが代金としてついているのか、マスターのはからいなのかも、わからない…

しばらくして団体客のお一人から「トイレのドアが開きませんねん」との訴えがあり、「これで開けてください」とマスターが差し出したブツが、私と友人Tちゃんの顔の間を通り抜けていったんですが…それが一本のナイフで。「どんなBARだよ!」「しかも刃先向けてるし」喧騒の陰で、二人ツッコミまくり。

「ホラ、元同僚の作家さんに教えてあげないと!」正に、’事実は小説より奇なり’ですね。挙句ナイフを持っていったおじさまが戻ってきておっしゃるには、「押すと引くを間違えてました」そのオチかよ~。(~_~) じんちゃんのツボに、すっかりハマってしまった。

「次は何飲もう?」「常温で飲む赤ワインは、暑い時どうかなぁ。白の方がいいかも」しばし悩みつつ、それでも赤ワインを注文。ふと気がつくと、私たちのみならず、他の友人たち、さらには団体さんも、すべて赤!「私ら、呼び水になってるで。」あ、いや呼びワイン。まぁボトルを開けているから、マスターもついでしまうんだろうけどね、それを受け止めるお客さんも、度量が広いや。

Tちゃんとは、概ねドラマの話をしていました。『東野圭吾ミステリーズ』はどう?みたいな。お互いミステリー好きで、松本清張や横溝正史作品についても、アツく語り合う間柄なのです。「今のところ坂口健二の回が良かったねぇ。次回は反町くんが主演だよ。」えーっ 見る!絶対に見る!

「彼は、ここ数年いい仕事してるわ~」その内容として『ワンダフルライフ』『戦国自衛隊』『14才の母』等を挙げたのだけど、Tちゃんはやはり『GTO』だと言う。勢い放送中のパート2にも話が及んだ。ただし、2代目グレートティーチャーを演じるAKIRAは芝居が硬いと不満顔。「反町くんの突き抜けたバカっぷりが良かったのに。そうして鬼塚はアツい男でないと」「脚本は面白いよ。生徒役の子たちも上手いなぁ。それぞれ魅力的な人物像へ仕上げてる。」反抗していたはずの鬼塚へ一人、また一人と陥落していく図を、じんちゃんは毎週楽しく眺めていたのだ。王道のパターンなのだろうが、まっこと痛快!である。

「お昼の再放送で『海猿』を見ていたら、次が反町くんの『GTO』で」「窪塚洋介が生徒役なのね?」「小栗旬もよ。」「贅沢やなぁ。」「私の記憶だと、鬼塚は大人気ないことをしているんだけど」「うんうん」「目には目を!ズルにはズルを!で真っ直ぐ生徒にぶち当っていく清々しくもアツい先生だったの。これが改めて見ると…」純真な大きい子ども(鬼塚)が、鋭く真理を突くような事を口にして、周囲がはっと気づく展開になっている。私以上の熱量で、脚本には脚本を!とばかりに返されてしまった。

そこまで魅力を語りたくなる脚本、誰が手掛けていたのだろうと興味が湧いて調べてみたら、パート1の担当は『家政婦のミタ』の遊川和彦さんでした。道理で惹き込まれるはずだぁ。しかし、東野圭吾ミステリーの話は、一体どこへ行っちまったのよ〜。

赤ワインから白ワインへ移る頃には、息子の受験談義に。「今の時期に、志望校が定まらないのはキツいなぁ。」「これという決め手がね…」「っていうか、推薦考えてたんかーい。」「ふふ」「学校の成績と受験の勉強は、また違うから」「私立では大学のあるK高の募集人員が多くて、こちらの推薦枠も一つのテかなと思ったんだけど」「それいいやん!」「来年度向けの学校案内では、まだ男子校なのねぇ。」それが発覚しましたらな、適度に食いついていた息子の反応が、さぁーっと冷めましてん。

「3年の辛抱やないの。」「近い将来女子が入ってくるんやけど。」それでも本人の中では、ツラいんやろね(笑)。「ホンマ頭痛いわ。」「軍隊並みに厳しいというO高も気になるねぇ。」「でもそれは周囲が言ってることであって、実際中に入ってみないと、本人との相性はわからないよ。」Eちゃんも加わり、受験談義は進んでいくのでした。

店内がしんみりし出した頃、カウンター席の常連さんに、さっきこんなことがあって…と、ナイフ事件をお話していたら、「ああ、知っています。」私たちが入店した時に、一人グラスを傾けていたお客さんなのだった。他所で食事をして、戻ってこられたらしい。私らどれだけ長居してるねん!「ちなみに、最初は何を飲んではったんですか?」「ビールです。」「おいとったんかい!!」再び、友人とツッコむ羽目に。家が近く、週に1度は訪れるという常連さん。ホンマ第二の我が家状態やねぇ。

マスターは細かいことに拘らないざっくりした性格らしく、お会計もEちゃんを除いて大サービスでしたが、東野圭吾さんもビックリの実録『さまよう刃』。書を捨てよ、町へ出よう♪ ああ、楽しかった。
コメント
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