地福寺ブログ

地福寺は、宮崎県延岡市の山あいにある曹洞宗のお寺です。
永代供養のご相談も承ります。

福島県視察研修④

2013-05-19 09:25:33 | 日常のヒトコマ
③の続きです。

飯館村から、県道12号線・八木沢峠をこえて南相馬市へ入ります。
山を越える辺りは、路肩に少し雪が残っていました。

途中、バスを停めて側溝付近に線量計を近づけてみると、
数値が見る見るうちに上がっていきます。
「側溝のように、まわりのものが集まりやすい所がホットスポットになりやすい」
ということでした。


地図が無いので判りませんが、
南相馬市の海岸まで出ました。
ここで震災物故者供養をさせていただきました。


読経ののちも、しばし海岸を離れられません。
参加した皆さんは、それぞれ思うところがおありだったでしょう。


やや内陸に戻って、南へ。
小高(こだか)という町に行きました。
常磐線の小高駅前に行きます。

ここが、私としては今回一番印象に残る場所になりました。


駅前にある観光案内の看板。そこそこ大きな町です。


駅前から西へ延びる通りを見ます。




ごらんのとおり、人が居ないんです。


飯館村もそうでしたが、ポストは使えません。


駅にお手洗いがありましたが、下水処理等の市民サービスが停止していますから、
「使用禁止」の張り紙が…。
仮設のトイレが別に設けてありました。


駅前の駐輪場には、こんなに自転車がとめてありますが、
常磐線のこの区間は震災以後、止まっています。
ですから電車を利用している人がいるわけではありません。
つまり「あの日」のままなんです。
あの日は金曜日でした。
通勤や通学で、多くの方が朝、ここに自転車を停めたことでしょう。
この自転車たちは、そのまま、持ち主が戻ってくるのを今も待っています。




ただひとつ、駅前広場のしだれ桜だけが、春の到来を告げていました。
この桜を見た時、「花枝自ずから短長」の一節を思い出しました。
ちょうど、私がこの日つけていた絡子の裏に師匠が書いてくれた言葉です。
自分にあたえられた命を、なんの見返りも求めず、ただ咲いている。

不覚にも少し涙が出ました。


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