少年の心が蘇るファンタジー:エラゴン~遺志を継ぐ者~(2006年19本目)

   
悪の王国に囚われの身のお姫様。
悪に立ち向かう正義の勇者・・・そのヒーローに自分自身を重ねる。

そうなんだよな~。
これって洋の東西を問わず、
男って子供の頃、おもちゃをいじりながらとか
砂場で遊びながら、夜に布団の中で
そんな妄想にふけるもの。

だからこそ大人になっても、その感覚が忘れられずに
『スターウォーズ』や『ロード・オブ・ザ・リング』に
多くの男性が夢中になるんだと思う。


でもその自分の頭の中のおとぎ話を、本にまで書き上げられる表現力を
持っている人間はそうそういない。

このエラゴンは原作者のクリストファー・パオリーニは
この物語を15歳から書き始めて17歳に完成したというから、
その表現力、構成力の才能は素晴らしい。

しかも大人になってから書いたものじゃないだけに、
より少年らしいファンタジーにあふれている。
(その分、もっと凝った展開を好む映画ファンとは
感覚的にズレを生じる可能性もあるけど)
(あらすじと内容はエラゴン 遺志を継ぐ者 - goo 映画を参照してください)


ストーリーは上に書いたとおり、悪の王国やお姫様、など
他のファンタジーと同じ『王道』をしっかりと歩むもので
特に目新しいものはこの1作目にはない。

このファンタジーの一番の大きな特長は『ドラゴン』の存在だ。



西洋の少年にとっては『ドラゴン』って
いかにも典型的なおとぎ話の素材ではないだろうか。

しかもこの『ドラゴン』が
本当に西洋のおとぎ話に出てくるドラゴンそのもの。
いわゆる日本の『怪獣』や『恐竜』から連想する爬虫類ぽさがない。

同じファンタジーでも「ロード・オブ・ザ・リング」のドラゴンは
キリスト教的な邪悪なものというイメージだったけど
この映画のドラゴンは欧州の神話に出てくる『霊獣』って感じの外観だ。

それに、このドラゴンが雌という設定も意外だった。
これは主人公との絡みで面白そう。

映画の中の戦闘アクションは空中戦が主体だけど、
飛行機型やバイク型の乗り物を使った空中戦よりも、
それぞれ意志のある生物の乗り物とその乗り手(ライダー)の組み合わせで
カップル同士の戦いというところに新しさと面白みがある。

VFXの仕上がりもなかなか迫力があったし、
セットや映像、音響もよかった。

キャラクターも主人公の17才エド・スペリーアースは
あのスターウォーズのルークを連想させるけど、
まぁ男の子が夢の中で自分をヒーローにすると
現実はどうあれあんな感じなんだろうな・・・。
自分をあくの強いキャラに連想する子供はまずいないだろう

この壮大なファンタジーがたった2時間弱で終わるはずもなく、
今回は続編へのプレリュードって感じのストーリーだったが
十分に『掴みはOK!』だったと思う。

真価が問われるのは次回作だと思う。
そのための投資だと思って観ると十分に楽しめる。

とりあえずは創刊号って感じの映画。
評価は次を観てだね。
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