観るミステリー小説相棒Ⅴ:第九話『殺人ワインセラー』

他人に馬鹿にされたことは忘れられないけど
自分が他人を馬鹿にしたことは覚えていない


これはよく言われることだけど、
それ以前に相手を傷つけたことに気がつかないことも多いかも。
現実の『怨恨』の事件にもこういうのは多いのではないだろうか。

他人に傷つけられた人間が、今度は逆の立場で自分で意識のないまま他人を傷つけてしまう。

今回の話はそんな人間の心理が生んだ殺人事件。
犯人は早い段階で明らかになり、
その犯行の動機に潜む人間ドラマと犯行を立証することがメインの話である。
(※あらすじは『相棒公式サイト』で)

今回のゲストは佐野史郎。
このドラマの素晴らしさのひとつにゲスト俳優のポテンシャルを引き出すという
ところがあるが今回もよかった。
まず佐野のワイン評論家という設定がいい。
あのワインをテイスティングする表情とかすごくいい芝居だった。
ラストのトリックがばれ、自分のトラウマになっていた劣等感を植え付けた
人間の正体を知ったときの演技はとても引き込まれた。

本当に水谷豊との素晴らしい演技力の競演は見応え十分だった。

ドラマの展開的にはすべてのエピソードがひとつになって犯行の謎がとける
ラストでのワインのトリック解明が見事だった。
それとあの劇中の『パルトネール』っていうワインが架空のワインで
『相棒』という意味だってのは洒落た仕掛けだ。

このドラマ、「宮部みゆき」にひっかけた「宮部たまき」とか
第4話の蒲田行進曲のセリフなどそんな隠し味的な仕掛けも楽しみの一つ。

あと今回、秋山エリサの存在がドラマにセレブ感をだしていたんじゃないかな。
彼女の存在は亀山刑事にフォーマルな格好を要求するのが自然な店の品格を
醸し出していた。

今回の話もいつもながらストーリーと俳優の演技が
うまくかみ合った見事なオチでさすが『相棒』という作品だ。



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