見るミステリー小説相棒Ⅴ:第十話『名探偵登場』

「タフでなければ生きて行けない。
優しくなれなければ生きている資格がない」


小説家レイモンド・チャンドラーが生み出した名探偵
フィリップ・マーローの名セリフ。

今回は完全にまずゲストありきのストーリーだった。

(※あらすじは『相棒公式サイト』で)

自らマーロウと名乗る探偵矢木(高橋克実)の
トレンチコートに帽子というハードボイルド探偵小説の主人公
フリップ・マーロウそっくりなファッション。
それと現実にこんな奴がいたらそれだけで怪しいという
二人組みの殺し屋の古い洋画からでてきたようなギャングファッション。

高橋克実がゲスト(探偵の矢木役)ということで
コメディタッチだとは想像できたが、
ここまで徹底的にやってくれたおかげで
割り切れてとても楽しむことができた

偵小説好きの探偵さんに合わせてストーリーの題材が
あのミステリーの名作『裏窓』をはじめ
今まで映画や小説で数々の名作を生んでいる
『偶然に窓越しに目撃してしまった殺人事件』
というミステリーの定番ネタがいい。

自分の連れ去られた経路を知らせるために
タバコを落としていくなどとという古典的な手法など
笑えるネタを随所に散りばめながらも、
謎解きにいたる過程はすごく本格的だったし、
ミステリーという視点からも十分に楽しめる内容だった。

芝居は高橋が活きていた。
彼の良さを活かす脚本は見事だったし、右京をもとより
今回は亀山刑事のコミカルな面も十分堪能できた作品でもあった。

このゲストの高橋を中心にした面白さの部分と
レギュラーのトリオ・ザ・捜一の面白さの部分の
ダブルのおかしさに街のいろいろな連中に好かれている
矢木のキャラクターが醸し出す人情話的要素が加わることで
いいコメディの味がでていた作品。

そしてあの『あなたは見られている』の看板。
これはすごいアイディア!素直に感動!
それも矢木探偵のキャラを好んでくれてる
落書きを消す仕事をしていた看板屋さんが協力してくれるという
唐突な感じがしない自然なストーリー展開の中からでてきたのが実に見事。
これだけ街のいろいろな連中から捜査に協力してもらえる矢木は
やはり名探偵といっていいでしょう。

今回は異色な作品だったけどオレ的には高評価。

さて次は元旦のスペシャル!これは楽しみ!DVDに録画しよう!



コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
     
 
 
<