恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

2023/03/04 三遊亭歌る多 講演と落語の会

2023年03月04日 | 噺とか
純粋に落語ということではなく、
講演と落語がセットになった無料の会が目に留まり、
早々に予約して行ってきました。
80人満員ということで盛況でした。
会場は文京区男女平等センター。
普段ならあまり縁のなさそうな所ですが、
こういうことについて知見を広めるのもよかろう、ということで。

講演「女性落語家 真打への道
   〜セクハラ・パワハラを超えて〜」
−仲入り−
手紙無筆  二之吉
替り目   歌る多
(踊り かっぽれ)

講演は約45分間。
男女雇用機会均等法が制定される以前、
親の反対を押し切って先代圓歌に入門した歌る多師匠のエピソードを中心に。
セクハラやパワハラの概念のない時代、
様々な苦労をするものの、
自分がなりたくてなった噺家の道、
自分なりの考えと信念をもとに、
それらを乗り越えていくエピソード。
明言はされませんが、
意識しているなかな、と感じました。
落語会の常識は世間と10年はズレている。
という歌る多師匠。
これらを肯定するのではなく、
少しずつ改善していかねば理解は得られないだろうとして講演を結びました。
噺家さんの講演だけあって、
笑いもあって楽しい45分間でした。

休憩後に落語へ。
開口一番は二之吉さん。
軽くマクラと小噺から入って手紙無筆へ。
しっかり笑いをとって楽しい一席。

いつもの寄席スタイルの歌る多師匠、
先ほどの講演の内容と絡めて酒の話。
お酒のお付き合いって大事なんですね。
そこからたっぷりと替り目でした。
よくある前半で切るパターンですが、
本来の下げの由来まで説明されました。
噺の後には景気良くかっぽれでお開き。

講演では普段聞かないエピソードが聞けたことと、
落語も2席ながら楽しく拝聴しました。
これで無料ならいいですね。

とはいえ、区として行う男女平等の理解を広める講演としては正直、??です。
過去はこうだった、私はこうだった、というだけでは未来には繋がらないように思います。
古い制度の残る伝統芸能の世界で、
どうしたら男女平等を実現できるのか、
セクハラやパワハラをどうやって根絶していくのか、
そういう提言があれば良かったかなと。

落語のイベントとしては満足。
男女平等について考える講演会としてはもう一声、という気がします。

恐懼謹言。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする