「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和四年(2022)3月1日(火曜日)
通巻7239号 <前日発行>
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プーチンの思惑は90%外れたが、例外は「バイデンは無能」
ウクライナのクーデターより、ロシア軍のクーデターがあるかも。
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戦争前のプーチンの思惑は以下の計算で成り立っていた、と思われる。
ウクライナに打って出ても西側は軍事介入はしないだろう
ドイツはガスの元栓をしめると脅せば、手も足も出せないだろう。
中国、インドなどは国連でロシア擁護に廻ってくれるだろう
ウォール街、シティはSWFITからロシア排除に反対するだろう。
カザフスタンはよもや裏切らないだろう。
NATOは参加国が増えたため、かえって結束しないだろう
ロシア国内の反プーチンデモは盛り上がるまい
思惑は九割方外れた。
例外は「バイデンが無能」という実態が浮き彫りになったことだ。
ワシントンポストといえば民主党左派、バイデン礼賛のメディアである。直近の同紙の世論調査には驚かされる。
就任直後の21年5月。バイデン支持は52%、不支持が42%だった。
直近の22年2月22日。支持は僅かに37%、不支持が55%。
プーチンの予測と事態は逆に回転した。
ドイツはウクライナにスティンガーミサイルなどを供与するとした。シュルツ首相は国防予算を大増額し、13兆円とするとした。
欧米はSWIFTからロシア排除を決めた。ロシア・ルーブルは唸りを上げて大暴落。
カザフスタンはロシアからの派兵要請を拒絶し、ドンバス地方の独立を承認せず。
ウクライナの正規軍、志願兵は強い抵抗を示し、ロシア軍の被害甚大となった
ロシア軍の進行速度が鈍り、キエフ陥落は望み薄となった
ロシア国内で反プーチンデモは数十の都市に拡がり、かつプーチン辞任を求める署名に数十万人がすでに応じた。ロシアの知識人等著名人170名が連名で辞任要求を突きつけた。150のロシアの地方都市、自治体がプーチンに戦争やめろと要求書を出した。
日本を含む世界各国で激しい反ロシア運動が拡大した。とくにベルリンでは十万を超える民衆が集結した。
英国BPはロシアのロフネフツ株250億ドルを売却すると発表
「友軍」で出撃基地となったベラルーシも制裁対象となり日本も応じた。ベラルーシはロシアの「共犯」と見なされ、ルカシェンコ反対派の国外脱出が続く。
EUは580億ドルの武器援助(ジェット戦闘機を含む)。ロシア機の上空通過禁止
スエェーデンも武器輸出解禁に踏み切ると発表した。同国はNATO未加盟である。
ロシア製フェイクニュースは簡単に見破られた
▼ウクライナ支援の「國際義勇軍」が誕生へ
かつて米軍は日本への宣戦布告前に「フライング・タイガー」を非正規、志願兵として組織し中国へ送り込んだ。実態は正規軍パイロットだった。
スペイン内戦では多くの人々が義勇軍に志願した。ヘミングウェイも。
デンマークは志願兵のウクライナ義勇軍参加を黙認するとした。
國際義勇軍が編成される可能性がでた。
情勢はプーチンの描いた方向とは逆方向に向きを変えた。
ロシア1憶4400万国民のなかで、ウクライナ侵攻に賛成する層が、予測を遙かに下回っている実態も表面化した。
となると、ウクライナ軍にクーデターを呼びかけたが、実際の心配事はロシア軍が反プーチンのクーデターを引き起こすことではないか?
プーチンの賭けは裏目に出つつある。
台湾は別の考えを含めて事態の推移を注視している。中国の侵攻に備えて、いかなる準備が必要であり、通信インフラの確保、フェイクニュースの見破り方、国内に於ける中国共産党の第五列の蠢動監視。そして防衛武器の充足と、緊急時はどの国から何を供与されるか、そのためには日頃、いかなる外交が必要なのかを、ウクライナの情勢分析により学んでいるに違いない。
令和四年(2022)3月1日(火曜日)
通巻7239号 <前日発行>
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プーチンの思惑は90%外れたが、例外は「バイデンは無能」
ウクライナのクーデターより、ロシア軍のクーデターがあるかも。
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戦争前のプーチンの思惑は以下の計算で成り立っていた、と思われる。
ウクライナに打って出ても西側は軍事介入はしないだろう
ドイツはガスの元栓をしめると脅せば、手も足も出せないだろう。
中国、インドなどは国連でロシア擁護に廻ってくれるだろう
ウォール街、シティはSWFITからロシア排除に反対するだろう。
カザフスタンはよもや裏切らないだろう。
NATOは参加国が増えたため、かえって結束しないだろう
ロシア国内の反プーチンデモは盛り上がるまい
思惑は九割方外れた。
例外は「バイデンが無能」という実態が浮き彫りになったことだ。
ワシントンポストといえば民主党左派、バイデン礼賛のメディアである。直近の同紙の世論調査には驚かされる。
就任直後の21年5月。バイデン支持は52%、不支持が42%だった。
直近の22年2月22日。支持は僅かに37%、不支持が55%。
プーチンの予測と事態は逆に回転した。
ドイツはウクライナにスティンガーミサイルなどを供与するとした。シュルツ首相は国防予算を大増額し、13兆円とするとした。
欧米はSWIFTからロシア排除を決めた。ロシア・ルーブルは唸りを上げて大暴落。
カザフスタンはロシアからの派兵要請を拒絶し、ドンバス地方の独立を承認せず。
ウクライナの正規軍、志願兵は強い抵抗を示し、ロシア軍の被害甚大となった
ロシア軍の進行速度が鈍り、キエフ陥落は望み薄となった
ロシア国内で反プーチンデモは数十の都市に拡がり、かつプーチン辞任を求める署名に数十万人がすでに応じた。ロシアの知識人等著名人170名が連名で辞任要求を突きつけた。150のロシアの地方都市、自治体がプーチンに戦争やめろと要求書を出した。
日本を含む世界各国で激しい反ロシア運動が拡大した。とくにベルリンでは十万を超える民衆が集結した。
英国BPはロシアのロフネフツ株250億ドルを売却すると発表
「友軍」で出撃基地となったベラルーシも制裁対象となり日本も応じた。ベラルーシはロシアの「共犯」と見なされ、ルカシェンコ反対派の国外脱出が続く。
EUは580億ドルの武器援助(ジェット戦闘機を含む)。ロシア機の上空通過禁止
スエェーデンも武器輸出解禁に踏み切ると発表した。同国はNATO未加盟である。
ロシア製フェイクニュースは簡単に見破られた
▼ウクライナ支援の「國際義勇軍」が誕生へ
かつて米軍は日本への宣戦布告前に「フライング・タイガー」を非正規、志願兵として組織し中国へ送り込んだ。実態は正規軍パイロットだった。
スペイン内戦では多くの人々が義勇軍に志願した。ヘミングウェイも。
デンマークは志願兵のウクライナ義勇軍参加を黙認するとした。
國際義勇軍が編成される可能性がでた。
情勢はプーチンの描いた方向とは逆方向に向きを変えた。
ロシア1憶4400万国民のなかで、ウクライナ侵攻に賛成する層が、予測を遙かに下回っている実態も表面化した。
となると、ウクライナ軍にクーデターを呼びかけたが、実際の心配事はロシア軍が反プーチンのクーデターを引き起こすことではないか?
プーチンの賭けは裏目に出つつある。
台湾は別の考えを含めて事態の推移を注視している。中国の侵攻に備えて、いかなる準備が必要であり、通信インフラの確保、フェイクニュースの見破り方、国内に於ける中国共産党の第五列の蠢動監視。そして防衛武器の充足と、緊急時はどの国から何を供与されるか、そのためには日頃、いかなる外交が必要なのかを、ウクライナの情勢分析により学んでいるに違いない。
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