沖縄・台湾友の会

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ネオコンはアメリカ政治のなかで色褪せてきた    グラハム上院議員、またまたウクライナを訪問

2023-05-28 16:16:36 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和五年(2023)5月29日(月曜日)
        通巻第7770号 <前日発行>
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 ネオコンはアメリカ政治のなかで色褪せてきた
   グラハム上院議員、またまたウクライナを訪問
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 リンゼー・グラハム上院議員は米国議会において暴言を吐く名物男。ウクライナ侵攻が始まった直後の22年3月4日、FOXテレビに出演し「戦争を終わらせるには、『あの男』を殺すしかあるまい」と発言した。「あの男』が誰を指すかは云うまでのない。

グラハム議員の主張を聞いていると、共和党には例外的なネオコン同調組である。したがって党内に限っては、支持者は少ない。

因みに2016年の共和党大統領予備選に出馬した候補は、スタート時点で16人いたが、グラハムは2025年段階ではやばやと撤退した。当時の予備選を振り返ると、2016年2月から6月までの集計で、
トランプ        45%
テッド・クルーズ    25・1%
ケーシック       13・8%
ルビオ         11・3%

グラハム議員はサウス・カロライナ州選出で、軍歴は退役空軍大佐。1995年から四期下院議員を努め2003年から上院議員である。

ネオコンは当時、ブッシュ政権に深く食い入ったが、トランプ政権となって多くのネオコンは民主党へ潜り込んだ。現在のバイデン政権でウクライナ政策を決定しているブリンケン、サリバン、ヌーランドの『ユダヤ人三人組』はいずれも考え方がネオコン的、とくにヌーランド国務次官はロシアからクリミア半島を取り戻すまで闘うとゼレンスキー大統領に発破をかけている女傑。トランプとネオコンは思想的に対立している。

 ロシアのウクライナ侵攻作戦が始まってからグラハム議員は既に3回、ウクライナを訪問して大統領と懇談を繰り返し、ロシア航空機を直接攻撃するためにジェット戦闘機供与をバイデンに求めた。

 グラハムは「超党派の支援」という語彙を駆使し、ウクライナに対しての米国の援助は「最高の資金」だと述べている。
計算方法で金額が異なるが、米国のウクライナ支援は520億ドル、うち武器供与が330億ドルだ。しかし「2022年だけでウクライナへ1130億ドルを超える資金を議会が承認し、そのうちの60%がウクライナ軍に振り向けられた」とする数字もある。

 アメリカの対ウクライナ世論は目先のデフォルト危機を前に急速な冷却を見せており、かつての熱狂的支援は存在しない。

そもそもバイデンへの不支持が67%もある。
米軍の他国への戦争関与路線は色褪せ、ブッシュ、オバマ政権でのイラク、アフガニスタン、シリアにおける戦闘を推進したネオコンにアメリカ人はうんざりしつつある。だから「ワクチンは陰謀だ」とか少数意見を言い張るRKJ(ロバート・ケネディ・ジュニア)に19%もの支持が集まっている。

 こうした状況下にキエフ入りしたグラハム議員をゼレンスキー大統領は大歓迎し、とくにジェット戦闘機供与でグラハムの貢献があったことを評価した。 
 ゼレンスキー大統領は米国に対して22年3月から「ウクライナが陥落したら次はバルト三国がやられる。制空権をとるために戦闘機を呉れ」と要求し続けてきた。


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