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中国がウラジオストックを回復へ??   ロシア税関当局、中国の国内輸送経由地として貨物トランジットを認める

2023-05-19 22:07:13 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和五年(2023)5月18日(木曜日)
       通巻第7750号 
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 中国がウラジオストックを回復へ??
  ロシア税関当局、中国の国内輸送経由地として貨物トランジットを認める
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 1860年の北京条約によってウラジオ、ナホトカを含む沿海州はロシアへ割譲された。これにより中国(当時は清朝)は、日本海への出口を失った。
 ウラジオストックは中国名が海参威(ハイシャンウェイ)。いまも中国の地図帳にウラジオという地名はない。あくまでも海参威である。

 ウクライナ戦争の戦局が膠着し、ロシアの疲弊は甚だしく、いまでは習近平がプーチンの風上に立って兄貴風を吹かしている。そのうえで停戦の仲介をおこがましくも買って出た。特使をモスクワとキエフに飛ばした。

 かの国は伝統的に「火事場泥棒」が得意である。
 この際、ウラジオストック返還への道筋をつけよう。ウラジオを平和裏に合法的に奪還できるチャンスを活かせとする論調が、中国で急増した(たとえば『騰訊網』(5月15日)

 現場でも顕著な変化がでている。
ウラジオストックの税関当局は中国貨物の国内輸送のトランジットを認めている様子なのである。
 具体的に言うと吉林省、黒竜江省などで生産された中国製品、農産物、部品などを従来は鉄道かトラックで大連、あるいは営口港へ輸送し、それから船で上海、福州などへ輸送された。

このルートを軍春から図門江を船でウラジオストックへ輸送し、集荷された貨物を「寄港」(トランジット)として扱いとして船に積み替え、上海などへ輸送するルートを「国内港」て開放、則ち「国境越え国内貿易扱い」とする。

 もっとも距離的には長春から大連が770キロであり、吉林省の一部の地区だけがウラジオへの距離が短く、くわえて軍春からウラジオへは小型船舶した航行できない。ずばり非効率である。

 あくまでこの措置は「象徴」的な出来事として捉えるべきで、ロシアがウラジオストックを中国に返還するというシナリオを想定しているわけではない。
海参威回復のチャンスだと主張しているのは中国のナショナリストだけだが、中国はこの意見はネット上でも封殺していないのである。
(註 「軍春」の「軍」は『日篇』)

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