「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和五年(2023)5月26日(金曜日)
通巻第7765号 <前日発行>
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中国を制裁すると言いながら、中国との商売は維持する
政策的矛盾のバイデン対中外交はどこへ向かっているのか?
****************************************
米国務省から三人の中国通がいなくなる。
外交路線は必ずしも商務省が主導する中国企業との取引禁止651社というエンティティリストと適合しない。
ましてUSTRは中国との交渉を続行している。毎日、矛盾に遭遇する国務省としてはやる気を失う人が出てくるかも知れないなぁ。
ウェンディ・シャーマンは初の女性国務副長官である。
ハーバード大学ケネディスクールの教授を努め、国際政治を講義した。2011年から2015年までは国務次官(政治担当)を務め、54カ国を訪問した。国務省ではオルブライト国務長官の下で参事官、クリントン大統領の特別顧問および北朝鮮政策調整官、クリストファー国務長官の下で立法担当国務次官補を務めてきた。
シャーマンは2021年4月に上院が指名承認後、すぐに来日し、そのあと韓国、モンゴルを訪問しバイデン外交と安全保障政策を説明した。
そのシャーマン次官が近く、国務省を去ると発表された。
国務省「中国室」の責任者で副次官補を兼ねるリック・ウォータ-も六月末で退任する。
かれは中国、中東専門家で北京語、アラブ語、モンゴル語、スペイン語を操る稀有の存在だった。
ローラ・ローゼンバーガー(女性)は外交や安全保障分野で多彩なキャリアを重ね、国務省やホワイトハウスの要職を歴任した。三月までサリバン補佐官率いる国家安全保障会議(NSC)の中国担当上級部長だった。台湾政府と頻繁に意見交換を積み重ね、ブリンケンが国務副長官時代には首席補佐官を務めた実績がある。
彼女は三月に米国在台協会(AIT=事実上の米大使館)の理事長に就任した。台湾外交部は歓迎声明を出した。
5月22日に米国企業の代表者らは上海で中国の王文濤商務大臣と会談した。中国が米国の半導体メーカー「マイクロン」に制限を課すことが切っ掛けとなった。在中米国商工会議所などは外国企業の多くが中国のおけるビジネスの継続に不安を高めており、会合がもたれたのだ。
王文涛は両国が協力を継続する方法を見つけることを提案した。
一方で、「中国製」を買わない傾向が顕著となった西側企業がサプライチェーンの再構築を急ぐ中、中国企業も海外へ進出し、「中国製」というラベルを貼り替えて輸出を続行拡大に挑む。
こうしたいたちごっこはいつまで続くか?
令和五年(2023)5月26日(金曜日)
通巻第7765号 <前日発行>
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中国を制裁すると言いながら、中国との商売は維持する
政策的矛盾のバイデン対中外交はどこへ向かっているのか?
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米国務省から三人の中国通がいなくなる。
外交路線は必ずしも商務省が主導する中国企業との取引禁止651社というエンティティリストと適合しない。
ましてUSTRは中国との交渉を続行している。毎日、矛盾に遭遇する国務省としてはやる気を失う人が出てくるかも知れないなぁ。
ウェンディ・シャーマンは初の女性国務副長官である。
ハーバード大学ケネディスクールの教授を努め、国際政治を講義した。2011年から2015年までは国務次官(政治担当)を務め、54カ国を訪問した。国務省ではオルブライト国務長官の下で参事官、クリントン大統領の特別顧問および北朝鮮政策調整官、クリストファー国務長官の下で立法担当国務次官補を務めてきた。
シャーマンは2021年4月に上院が指名承認後、すぐに来日し、そのあと韓国、モンゴルを訪問しバイデン外交と安全保障政策を説明した。
そのシャーマン次官が近く、国務省を去ると発表された。
国務省「中国室」の責任者で副次官補を兼ねるリック・ウォータ-も六月末で退任する。
かれは中国、中東専門家で北京語、アラブ語、モンゴル語、スペイン語を操る稀有の存在だった。
ローラ・ローゼンバーガー(女性)は外交や安全保障分野で多彩なキャリアを重ね、国務省やホワイトハウスの要職を歴任した。三月までサリバン補佐官率いる国家安全保障会議(NSC)の中国担当上級部長だった。台湾政府と頻繁に意見交換を積み重ね、ブリンケンが国務副長官時代には首席補佐官を務めた実績がある。
彼女は三月に米国在台協会(AIT=事実上の米大使館)の理事長に就任した。台湾外交部は歓迎声明を出した。
5月22日に米国企業の代表者らは上海で中国の王文濤商務大臣と会談した。中国が米国の半導体メーカー「マイクロン」に制限を課すことが切っ掛けとなった。在中米国商工会議所などは外国企業の多くが中国のおけるビジネスの継続に不安を高めており、会合がもたれたのだ。
王文涛は両国が協力を継続する方法を見つけることを提案した。
一方で、「中国製」を買わない傾向が顕著となった西側企業がサプライチェーンの再構築を急ぐ中、中国企業も海外へ進出し、「中国製」というラベルを貼り替えて輸出を続行拡大に挑む。
こうしたいたちごっこはいつまで続くか?
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