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「ブラジルとアルゼンチンが共通通貨の創設を計画」???? 左派政権同士「反米を共通のカレンシーでやり遂げよう」と威勢やよし

2023-01-24 15:06:34 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和五年(2023)1月24日(火曜日)
       通巻第7602号  <前日発行>
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「ブラジルとアルゼンチンが共通通貨の創設を計画」????
左派政権同士「反米を共通のカレンシーでやり遂げよう」と威勢やよし
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英紙「フィナンシャル・タイムズ」(1月22日)は「ブラジルとアルゼンチンが共通通貨の創設を計画している」と報じた。
 アルゼンチンのセルジオ・マッサ経済相は、「財政問題から経済規模、中央銀行の役割まで、共通通貨に必要な事項、条件などの研究を開始する」と語った。

 アルゼンチンは他のラテンアメリカ諸国が共通通貨プロジェクトに参加するようサミットに招待する段取りで、新通貨は「南(米)」を意味する「シュール」と呼ぶらしい。
 つまり「南米版ユーロ」というわけだ。

 ただし同大臣は「ヨーロッパがユーロを創成したのに 35 年かかった」。そうした過去の教訓から、「作業は何年もかかるだろう」と実現性が乏しい現実を示唆した。「しかし、新通貨が地域貿易を促進し、国のドルへの依存を減らすことに役立つと期待される」
 つまりは反米で気勢を上げたということだ。
両国は南米で最大の経済を誇るとはいえ、もし実現となると西ドイツ(ブラジル)が、東独(アルゼンチン)を通貨統一して飲み込もうという野心があるのかもしれない

ブラジルはBRICSグループの一員であり、経済アナリストは今年のブラジルのGDP成長は低いと予測している。一方、アルゼンチンは何十年にもわたって経済の不安定さに悩まされており、債務不履行は1989年以来、8回という「常習犯」。ブラジルはIMFに債務を返済したがアルゼンチンはまだ400億ドルもの債務を抱えている。
不釣り合いであるうえ地図をみると、両国間には」ウルグアイ、パラグアイがあって四カ国で「メルコスル」(地域経済連合)を形成しているが、共通通貨の兼ね合いをどうするのか?

 日本は12月のインフレ率が4%(41年ぶり)と大騒ぎの最中だが、南米にあって4%はインフレの範疇に入らない。

 ブラジルは人口が2・2億人。その面積は日本の22・5倍。しかもカソリック主流で言語はポルトガル語だ。大統領は極左のルーラ。  
 日本へのブラジル人の出稼ぎは凡そ20万。日系人がブラジルに200万強いる。

 アルゼンチンはワインとタンゴと牛肉、フォークランド戦争で英国に敗戦後、軍人政権から民政移管したが政情不安が続き、フェルナンデス大統領も左派。
 言語はスペイン語でカソリック。人口4600万人。面積は日本の7・5倍。インフレ率40%だから、実は国民はすぐに米ドルに換える。過去に三回通貨切り下げ、新通貨発行をくり返した。日系人は6・5万人。

 この両国の人口、国力、言語の違いなどアンバランスを比較するだけでも共通通貨などは非現実的である。

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