izumishのBody & Soul

~アータマばっかりでも、カーラダばっかりでも、ダ・メ・ヨ ね!~

外出自粛要請が出て、大好きな英国のドラマを繰り返し観ている

2020-04-12 11:36:15 | 日記・エッセイ・コラム

コロナウイルスの感染拡大が続き、太極拳教室は3月が過ぎて4月になっても休講中。。

3月は辛うじて開講していたカルッツかわさきの楊式教室に参加させてもらって、4月も、と思っていたら緊急事態宣言が出て結局施設が利用停止。。。5月3日に、陳式太極拳普及会で陳式器械の特別講習会を予定していたら、こちらも5月31日まで休館になってしまった!(^_^;)。年明けにギッシリ書き込んだスケジュール帳は、5月まで中止中止の黒い線。。あ〜あ〜。。。

 

連日(家の中で)陸瑶先生の八段錦動画配信を見ながら一緒に身体を動かして、夜はもっぱらケーブルテレビのオンデマンド放送でイギリスのミステリードラマを見る(もう何度も繰り返し見ているからストーリーは熟知🙆)。

アガサ・クリスティーの「ミス マープル(ジョーン・ヒクソン版に限る!)」に「ポアロ(ヘイスティングス大尉が一緒に活躍する初期のシリーズ!)」。コナン・ドイル作「シャーロック・ホームズの冒険(もちろんジェレミー・ブレッド版!)」。どれも制作年代はすでに古いのだが、デジタルリマスターされていて画面はきれい。着ている洋服や生活スタイル、習慣、建物や風景等々、階級制度がしっかり存在していた当時のイギリスの、品のいい、でも古い因習が残る伝統的な社会の様子とそれぞれの人物が魅力的。

 

これ以外に大好きな英国の刑事ドラマでは、まずはマーティン・ショウ演じる「孤高の警部 ジョージ・ジェントリー」。

1960年代中頃のイギリスのクラシカルな雰囲気(ジェントリーや部下のバッカスが乗ってる車の色の美しいこと!)と、戦争に出ていた大人と若者(モッズ)のギャップと社会の荒廃が、舞台となっているイギリス北部の荒々しい海岸の風景の中に見事なコントラストを見せている。海を見下ろす崖に立つジェントリーの佇まいが、なんとも言えずいいのね〜。。。。寡黙で、頼りになる大人の男、って感じ。

 

さらにコリン・デクスター原作「主任警部モース」の主役モースの若かりし頃を描いた「刑事モース〜オックスフォード事件簿〜」。ワタシはこの若きモースを演じているショーン・エヴァンスが大々大好き!!♥️

こちらも時代は1965年代前後のイギリスの街オックスフォード。伝統的な知と静寂と深い緑に包まれた大学の街である。オペラが大好きなモースの心情を象徴するオペラのアリアが効果的に流れ、美しい風景の中で難解な事件が起こる。登場する女性たちのファッションはミニスカートと濃いめのアイメイク。。。。モダンでお洒落だ。

オペラとクロスワードパズルを好み、人付き合いが苦手で頑固、ナイーブでシャイな青年から大人の男に成長していくモースの不器用さと初々しさが、見ていて切なくなる。しばしばドラマの中でモースが涙を浮かべるシーンがあるのだが、大きなブルーの瞳から本当に涙が溢れ出て流れる映像は本当に美しい!

 

大好きなシリーズの中でも、最初の回のcase1 「華麗なる賭け/ある晴れた日に」。憧れていたソプラノ歌手が犯人だった、というお話では「マダム・バタフライ」のアリア「ある晴れた日に」が流れ、モースの切ない気持ちに共振する(多分、マリア・カラスが歌っている)。

シリーズ3の第1話「表と裏のバラッド」では、サーカスで育った双子を演じる男優の甘いマスクが印象的(彼は今放映中の「女王ヴィクトリア」で女王と結婚したアルバートの兄の役で出演)。笑顔の中に時々浮かべる苦しそうな表情やさりげない行動がなんともいえず哀しい。

 

シリーズ3第4話の「愛の終止符」では、上司であるサーズデイ警部補の娘ジョアンが務める銀行に強盗が入り、警部補の娘であることが分かって(たまたま居合わせたモースと共に)人質になり。。 

一睡もできないまま、モースはジョアンとのこれまでの様々なシーンを思い出す。霧が立ちこめる早朝、まだ両親が眠っている時間に家を出たジョアンにモースは言葉をかける。「僕を頼って」「あなたはご両親の宝だ」。。。決して叫ばない。モースの大きなブルーの瞳に、(本当にこぼれ落ちそうに)涙が溢れる。。。。

 

シリーズ2第8話「の絞殺魔/ 情事の代償」は、モースの上司であるサーズデイ警部補の想い出に胸が痛む。死んだと思っていた女性に偶然巡り会ったサーズディが語る。「覚えているとも。松の木の香り、湖面に輝く太陽・・・」。光り降り注ぐイタリア、戦争の最中の恋。。。

「私たちは友情で結ばれていた」と思っておきたいサーズデイに、彼女は言う。「それは違うわ。友情は時間が育むもの。でも、私たちが一緒にいたのはせいぜい3ヶ月くらいのもの」。想いを抱き続けていた女性の「戦争はむごいわ」という言葉が、心の傷の深さを語る(彼女は結局自殺してしまうのだ)。

サーズデイ警部を演じるロジャー・アダムが、またいいんだわ〜!頼りになる男、夫、父親、上司、って感じだ。

 

こう見てみると、事件の犯人は誰だったか?はほとんど記憶にない。心に残るのは事件の解決ではなくその経緯や周辺の人物のストーリーである。単に刑事物を見るだけでない、愛という深みがある。イギリスのドラマは、寡黙で静かで語らずとも伝わる。だから映画でもTVドラマでも、何度観ても深い感動があるのだった。

 

コメント
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