胃 癌 日 記 24
(剣沢を下る 平蔵谷出会いから剣本峰を望む)
12月19日(月)
朝6時30分目覚める。7時30分朝食。3分粥220gとおかず。8時55分Y先生回診。傷跡を見て、腹部を触診、膵液を出すチューブの先のガーゼを診て、
「まあいいでしょう。」
とのこと。昨夜から、北朝鮮の金正日が17日に死去したとのニュースが流れてきている。どうなることやら。テレビはそのことばかり報道している。限られた情報で止むを得ない事もあるだろうが、同じ画面と解説ばかりがすべての放送局から流れてくる。
10時20分清拭。40分間食で本日はプレーンヨーグルト。50分には20分ウォーク。11時15分に実習生がシャンプーをしてくれた。ちょっとぎこちなくて、あまり快適になったとは言いがたい。
午後12時5分昼食。相変わらず3分粥220gおかず付き。1時45分連れ合いがやってくる。3時間食で、昨日と同じコーンスープ味の高カロリー飲料。4時10分に、本日は孫を学童保育に迎えに行くとのことで連れ合いが帰る。明日は来られないとのこと。4時30分20分ウォーク。その後職場に電話する。全身麻酔の挿管の後遺症で声がガラガラで出にくい。職場のW、K、S課長と仕事のことやら病気の経過について話す。Wが『Yが見舞いに行くと言っている』とのことだが、
「だめ。来るな。」
と返す。その後売店に行ってポカリスエットを買う。
(平蔵谷の全景)
6時10分夕食。3分粥220gとおかず1品。最近はK氏と一緒に食べて、家族のことやら仕事のことやら話している。しかしプライバシーにはお互い深くは立ち入らない思いで、会社名やらそんなことは話していない。
7時45分、20分ウォーク。8時10分間食。本日はベビークッキーとアップルジュース。夜9時過ぎにT先生が回診にやって来て、
「○○ちゃん、どうや?」
「先生。頑張っています。毎日かなり歩いてますし、昨日からは20分ウォークを始め、これから1日に何本かやろうと思っています。今日は約10,000歩。食欲もあってご飯も残さず食べられています。」
「ご飯全部食べてるの? 全部食べんでいいよ。無理して食べて手術瘡の接合不全になったら元も子もないよ。残したらいい。その替わり溶けるもんなら食べえもいい。アイスクリームやチョコレート、飴もちゃんと口の中で溶けるまで舐めてたらかめへんよ。もうちょっと辛抱し。」
とのこと。わたしは早い回復を目指して頑張っており、身体も動かし、栄養も摂って、褒めてもらおうと思っていったのに、何たることだ。心の中で『先生。もっと早よ言うてえな。』とつぶやいた。
テレビはどこを見ても、金太郎飴のように、同じ企画と内容・解説の金正日死去や後継者は誰か、北朝鮮の今後などの特番の洪水。日本のマスコミの底の浅さをつくづく嘆きつつ、しかし自分の残された人生の空しさを考えたら、かなり覚めた目でそれを見ていて、結局就寝は11時。
本日歩き9,180歩。(12周、13周、14周、15周各1回)
(剣沢をさらに下り 長次郎谷出会いから 頂上稜線を望む)
(続く)