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胃癌日記17

2012-06-18 18:21:34 | 闘病

                        胃 癌 日 記 17

  (四国88ヶ所 第85番霊場 五剣山八栗寺 の登山口にて)

 いよいよ手術の日 3

 回復室は術後の患者が私を含めて3人だったが、そこでの一晩は大変だった。かつて2006年3月に脳外科手術をした日のICUも大変だった。その時年配の男性患者は一晩中、

 「痛い、痛い、何とかしてくれ。」

と叫び、挙句自分で傷口を接合している勾を抜き出したり、もう一人の年配の女性も

 「痛い、ヒーッヒーッ、」

 と叫び続け、看護師さんの様子や口ぶりでは、着ている物を脱ぎだしたり大騒ぎで、結局私は一睡も出来なかった。私も頭が割れるほど痛かったのだが、『手術して実際に頭が割れているから仕方が無い』などと自分に言い聞かせ我慢していた。もっともその時は術後に軽い脳出血をしていたようで、連れ合いの話によると我慢してはいけないのだそうだ。

 そんな経験もあり、今回も覚悟していたが、やはり大変だった。

 (八栗寺本堂)

 (第86番霊場 志度寺の立派な五重塔)

 私の右隣の年配の男性は、胆石で胆嚢を取ったらしい。最初のうち家族や親族の方と話していたときは、見舞いの方が『石や、といって見せてもらったが、パチンコの玉みたいのが2個やった。記念に持って返ってと言われた。胆嚢は卵みたいなもんやった。胆石なんて病気の内にはいれへん。』などの話に調子を合わせていたが、見舞いの人たちが返るとまもなく、

 「痛い、痛い。痛み止めの注射をしてくれ、痛み止めの薬をくれ。」

とうるさいことうるさいこと。それが一晩中続いた。左隣の患者さんは大腸の一部を切除した様子。一晩中、

 「痛い、痛い。わしはもう病院変わる。N市民病院へ帰るから先生に紹介状を書いてもらってくれ。痛いからN市民病院へ行く。救急車を呼べ。」

 などと叫び続ける。看護師さんも慣れてはいるだろうが、一生懸命なだめている。私は『やかましい!痛いのはおっさんらだけと違う。ちょっとは我慢しろ!だまっとれ!』とよっぽど言いたかったが、痛みとともに我慢した。身体を動かすと傷口が痛い。じっとしてると腰や節々がだるく、痛くなってくる。喉はがらがらで水が飲みたい。おまけに回りはわがままな『おっさん』ばかり。まるで拷問で、今回もやっぱりまどろむだけで一睡も出来なかった。 

 (いよいよ結願前の 第87番霊場 長尾寺の本堂)

(続く)

 

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