いせ九条の会

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日中が共に未来をつくりあげるために/山崎孝

2007-12-29 | ご投稿
2007年12月29日付朝日新聞より 福田首相は12月28日、北京大学で講演し、日中間の歴史について、「不幸な時期を直視し、子孫に伝えていくことが我々の責務だ。過去を見据え、反省すべき点は反省する勇気と知恵があって、はじめて将来に誤りなきを期すことが可能になる」との認識を示した。そのうえで、日中両国が「今ほどアジアや世界の安定と発展に貢献できる力を持ったことはない」と指摘。アジアや世界の未来を築く「創造的パートナー」であるべきだと訴えた。

一方で、両国関係の現状について、「相互理解や相互信頼がまだまだ足りない」と指摘。「日中関係の歴史や様々な経緯、国際情勢の流れに思いたさない大局観の欠如、折々の感情に流されて事を進める危険性も指摘しなければならない」と述べ、日中双方における、日本に留学していた作家魯迅の作品「故郷」の一節「もともと地上には道はない。歩く人が多くなれば、それが道になる」を引用。「共に歩き、共に道を造り、共に未来をつくりあげていこう」と呼びかけた。(以上)

15年戦争の戦争指導者を神として祀る靖国神社に参拝するか、しないのかの態度を明確にせず、腹に一物をもった安倍前首相とは違い、福田首相は明確に日中の負の歴史に言及し反省する態度を明確にし、そのことが「将来に誤りなきを期すことが可能になる」と指摘しました。

福田首相は、魯迅の作品「故郷」の一節「もともと地上には道はない。歩く人が多くなれば、それが道になる」を引用しました。日本国憲法第9条の理念は、国連憲章の第2条〔原則〕《4 すべての加盟国は、その国際関係において、武力よる威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない》と一致していて、「歩く人が多くなれば、それが道」になって示されています。

日中が福田首相の述べた、共に歩き、共に道を造り、共に未来をつくりあげてゆくためにも、日本国憲法の理念に立脚することが大切だと思います。中国とも敵対することを想定した軍事志向の改憲の道では決してありえません。