いせ九条の会

「いせ九条の会」の投稿用ブログです(原稿募集中)。
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「人間の尊厳を守る」ために/山崎孝

2008-12-11 | ご投稿
12月8日にブログに投稿した文章と同じ趣旨の文章を朝日新聞に投稿していました。この投稿が10日の「声」欄に掲載して戴きましたのでブログにも投稿します。

最近の「声」欄には、非正規雇用者の首切りを行うことに対する怒りの意見が多く掲載されています。11日の掲載文は《有効雇用の中途解約について労働契約法は倒産の危機など「止むを得ない自由」以外は禁止している》と鋭く指摘している文章もあり、テレビでは首切りにあった労働者がユニオンを結成して企業と戦う映像が放映されるようになりました。

私たちが戦争に反対し憲法を守るのも、政府や企業の横暴に声を上げるのも、言うまでもなく憲法の理念「人間の尊厳を守る」ためです。

2008年12月10日付朝日新聞「声」欄掲載文【家計支援より失業対策望む】

5日の衆院予算委員会で、定額給付金を「どんな気持から実施することにしたのか?」と質問された麻生首相は「家計への緊急支援だ」と答えた。

 定額給付金の支給を考えた時点では、物価の上昇が目立っていたから緊急支援という理由は合っていたかも知れない。

しかし、今の緊急な課題は、景気の悪化を理由に非正規雇用者が解雇されて大量の失業者が生まれていることだ。

 私は、高額所得者にも支給されるという緊急支援の意味を持たない定額給付金はやめて、その財源を、困っている失業者の生活支援にあてるべきだと思う。

 景気の回復は早期に望めそうもないから、雇用保険の支給期間を延長する財源にも使ってほしい。

 また、社員寮に住んでいた労働者は、解雇と同時に寮を出なくてはならない。住むところがなくなる労働者には一定期間寮に住めるよう改善すべきだ。政府には、困った人を寒空の路頭に放り出さないような強力な指導を望みたい。