いせ九条の会

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中国の脅威について考える/山崎孝

2006-01-13 | ご投稿
2005年12月8日、民主党前原代表は、中国の軍事力を「現実的脅威」と米国の講演で述べ、22日には麻生外相は、軍事費は「かなり脅威」と述べた。「現実的脅威」とは、国連を無視してイラクに軍事力を行使し、今も行使している米国の軍事力を問題にすべきです。それでは果たして中国は脅威となる政策を取っているのでしょうか。

2005年11月18日朝日新聞記事のキィワード要約は、中国の平和的台頭 中国政府 が目 指している発展のための新しい構想。一国だけで経済的に発展するのではなく、既存の秩序を崩さず、周辺国と協調し、一緒に発展して行くことを目 指す。これは2003年11月、アジアフォーラムで鄭必堅改革解放フォーラム理事長が提唱し、その後中国指導部が度々引用しています。

中国政府 は対外政策の基本 は、経済と科学による立国だと主張しています。この中国の動向を客観的に示したのが、2006年1月12日朝日新聞記事です。中国の主な輸出品目 は、電気・電子製品などを輸出している。NHKの番組は精密な工業部品を大量生産する金型産業は日本 の技術に迫るともいわれています。前述の新聞記事は中国は、日本 、ドイツと並ぶ貿易黒字大国になったことを報じています。

貿易市場を拡大させるのは昔のように軍事力を背景に他国を支配して権益を確保し市場を奪うのと違い、現在の世界はその国の人的資源と技術力、そして他国が投資する当該国の信頼度いかんです。このように平和的な要件が揃って経済が発展して貿易拡大が計られます。

2005年12月6日の朝日新聞新聞記事は、中国銀行業監督管理委員会の主席は5日開いた記者会見で、今年10月末時点で、外資系金融機関など22の外国投資家が17の中国銀行に対して出資した。出資額は合計で165億ドルに上り、国内銀行の総資本 の15%を占めると報じています。

日本 は中国への輸出の拡大が景気浮揚の要因だったといわれ、現在は中国が最大の輸出国です。中国の2005年の地域別貿易額は欧州連合(22.6%増)、米国(24.8%増)、日本 (9.9%増)の順位で、欧州連合、米国が大きく伸びたのは、欧米との貿易摩擦を避ける意味で欧米からの航空機の輸入を拡大したこと。中国に拠点を置く日本 企業が、逆に対欧米輸出を増やしたことも影響しているといわれます。

このように日本 と中国の経済は相互補完関係にあり、中国の軍事的脅威は中国の主要な側面ではありません。