いせ九条の会

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米国に一番忠実な行動をした英国が陥った苦境と苦渋/山崎孝

2008-06-12 | ご投稿
【アフガンで英軍兵士3人死亡、展開開始以来の死者100人に】(2008年6月9日付読売新聞)

【ロンドン=本間圭一】英国防省は8日夜、アフガニスタン南部ヘルマンド州をパトロールしていた英軍兵士3人が同日、自爆テロを受けて死亡したと発表した。

英軍が交戦していた旧支配勢力タリバンの攻撃と見られる。これにより、2001年10月のアフガン展開以来、英軍要員の死者は計100人となった。

英軍は06年にタリバンの拠点とされる同国南部に兵力を集中させて以降、犠牲者が増加している。

アフガンには現在、北大西洋条約機構(NATO)主導の国際治安支援部隊(ISAF)に約40か国が派兵しているが、英政府はパリで近く開催されるNATO関連の会合で、治安が比較的安定した北部に駐留する国などに負担の分担を求めていく方針だ。

【英、イラク完全撤退を検討 BBC報道、年内にも】(2008年6月11日付朝日新聞)

【ロンドン=土佐茂生】英BBCは9日、英政府がイラク駐留英国軍を年内にも完全撤退させること検討しでいる、と報じた。

 国防省は「何も決まっていない」としているが、正式に決まれば、ブッシュ米政権にとって大きな痛手となりそうだ。

報道によると、政府は7月にまず、現在の4千人から規模を縮小することを発表。さらにバスラ周辺の治安改善が進めば、年内に完全撤退を決める方向で検討しているという。

 ブラウン英首相は昨年12月までに、治安維持を担当していたイラク南部4州の権限をイラク当局に移譲。今春には2500人まで削減する計画だったが、権限移譲後にバスラの治安が悪化し、削減計画を中止していた。

 今月8日に約7800人を派遣するアフガニスタンで英兵の死者数が100人を超えたこともあり、政権内に「イラクでの軍の負担を軽くするべきだ」との声が出たとみられる。(以上)

【コメント】《英政府はパリで近く開催されるNATO関連の会合で、治安が比較的安定した北部に駐留する国などに負担の分担を求めていく方針だ》と報道されました。激戦地のアフガン南部にドイツとフランスが部隊を展開することを渋ったため、米国の国防長官は怒って南部への派遣を要求しています。ドイツは国民の反対が強く正式には南部への部隊の展開は決定していません。

かようにISAF内部で激戦地への部隊の展開をめぐって軋轢が生まれています。タリバン勢力との戦いで苦戦を強いられ、勝利の展望が持てず、自国兵士の損耗を減らそうとして軋轢が生まれているISAFに日本は憲法解釈を変えてまで加担する可能性があります。

米国に一番忠実な行動をした英国は苦難と苦渋を強いられました。日本も米国に忠実な国ですが、憲法の規定が歯止めになって英国のような運命は免れています。このことを国民に宣伝する必要があります。