いせ九条の会

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モラレス・ボリビア大統領の来日講演/山崎孝

2007-03-08 | ご投稿
3月7日の朝日新聞に、6日に来日したモラレス・ボリビア大統領は、東京都内の日本貿易振興機構(ジェトロ)で講演して、「新憲法で戦争を放棄する」、「軍隊なしで人命は救える。武装放棄しながら、社会的な戦いを続ける」、「戦争は解決策にならない」、「唯一の良かった戦争である独立戦争でも、混血の人たちや先住民の命が失われた」と語りました。

ボリビアは現在、徴兵制を敷き、約4万6千人の軍隊を持つと見られています。ボリビアは米国流の新自由経済主義に批判的な政権です。

ボリビアは、現在の日本と経済や安全保障政策では対照的な考えで国づくりを行おうとしています。中央アメリカには、非武装の国で、1987年に中南米和平への貢献でアリアス大統領がノーベル平和賞を受賞したコスタリカがあります。

2006年12月6日の朝日新聞は次のように報道しています。

見出し「中南米に反米の嵐/貧困層から熱い支持/新自由主義の失敗背景」国連演説でブッシュ米大統領を「悪魔」と呼んだ南米ベネジェラのチャベス大統領が3日、大差で3選を決めた。中米ニカラグアでも11月、80年代に米国と敵対したサンディニスタ民族解放戦線のオルテガ元大統領が復活。エクアドルでも左派が勝つなど中南米で「左派」政権がますます勢いづいている。日本よりひと足早く、90年代に導入された民営化や規制緩和などの新自由主義(ネオリベラリズム)経済で貧富の格差が広がり、庶民が「票」を武器に立ち上がった格好だ。(以上)

中南米の国で親米右派の政権は、パラグァイ、メキシコなどとても少なくなり、中道左派政権はブラジル、アルゼンチン、チリ、ペルーなどと多くなっています。昔は左派政権が生まれると、米国の圧力や介入で各個撃破されていましたが、逆に今は左派政権が多く誕生し連帯を強めています。

2007年1月15日にコレア・エクアドル大統領が就任し、「ラテンアメリカは真の変革の時にある」、「人間の労働は工業製品でないのに、新自由主義は企業の必要に合わせて使い捨てできる、ただの道具にしてしまった。非人間的だ」と就任演説をしています。

「人間の労働は工業製品でないのに、新自由主義は企業の必要に合わせて使い捨てできる、ただの道具」という言葉は、日本にとっても他人事ではなくなりつつあります。