いせ九条の会

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名古屋高裁はイラク派遣の航空自衛隊の空輸活動は違憲/山崎孝

2008-04-17 | ご投稿
【イラク特措法にも違反 名古屋高裁の違憲判断】(2008年4月17日付東京新聞夕刊)

イラク派遣の航空自衛隊の空輸活動は違憲との判断を示した名古屋高裁の青山邦夫裁判長(異動のため高田健一裁判長代読)は17日の判決理由で「現代戦で輸送の補給活動も戦闘行為の重要な要素。武装兵員の輸送は自らも武力の行使を行ったと評価を受けざるを得ない」として、武力行使を禁じたイラク特措法にも違反するとした。

原告側は実質勝訴と受け止め上告しない方針。請求自体は1審に続き退けられたため国も上告できず、自衛隊のイラク派遣に対する初の違憲判断は確定するとみられる。

町村信孝官房長官は同日午後、「バグダッド飛行場などは非戦闘地域の要件を満たしており、納得できない。自衛隊の活動は継続する」との見解を示した。

青山裁判長は判決で、空自の空輸活動は「多国籍軍の戦闘行為にとって必要不可欠な軍事上の後方支援を行っている」とし、空輸が行われているバグダッドについて、「戦闘地域」とした。(共同)(以上)

★コメント 2007年に朝日新聞と中日新聞で報道された、航空自衛隊員の話したイラクでの状況です。

朝日新聞 ミサイル攻撃の「(警報が鳴る)可能性が常にある。一度、空へ上がったら下りられる保証はない。そんな意識で、すぐに対応できるよう準備しつつ飛ぶ」と小林3佐は心得を語る。

2度、イラクに派遣されたロードマスター(空中輸送員)の新納博文1曹(40)は「実戦的な訓練は重ねている」と話す。

中日新聞 隊員の耳にも日々、確認情報が届く。「離陸前の待機中、機体のすぐ上を複数の迫撃砲弾が飛んだ」「飛行してきたばかりのルートを着陸直後、ミサイルが通過した」。いずれも数分の差で被弾していた可能性が高い。中堅の隊員は「飛ぶ日には必ず自室に遺書を置いていく隊員もいる」と明かします。この現実は非戦闘地域で活動すると規定したイラク特措法に違反していました。

名古屋高裁は、空自の空輸活動は「多国籍軍の戦闘行為にとって必要不可欠な軍事上の後方支援を行っている」とし、空輸が行われているバグダッドについて、「戦闘地域」と判決しました。イラク特措法にも違反しているという判断を示しました。

この判決で政府・自民党は明文改憲と解釈改憲の自衛隊海外派遣恒久法制定の取り組みを強めると思います。このことを国民に知らせていく必要があります。