いせ九条の会

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6カ国協議の進展に期待する/山崎孝

2007-01-31 | ご投稿
【北京で米朝金融協議 制裁解除の行方焦点】(1月30日付中日新聞ニュース)

【北京30日共同】北朝鮮に対する金融制裁をめぐる米国と北朝鮮の協議が30日午後、北京の米国大使館で行われた。中国外務省は同日、核問題をめぐる6カ国協議を2月8日から北京で再開すると発表した。金融協議は数日間続く見通しで、6カ国協議の前哨戦。北朝鮮が求める金融制裁解除に米国がどう対応するかなど金融協議の行方が、その後の6カ国協議の展開を大きく左右する。

6カ国協議は昨年12月に休会した第5回協議の第3ラウンドと位置付けられる。会期は不明だが、協議筋は1週間前後との見通しを示している。北朝鮮の核施設凍結や査察受け入れなど核放棄に向けた初期段階の措置をめぐり、具体的な実行プログラムまで確定できるかどうかが最大の焦点。(以上)

【6カ国協議:日本も軟化の兆し 足並みそろえ支援検討】(1月31日付毎日新聞ニュース)

北朝鮮の核問題に関する6カ国協議再開に向け、北朝鮮への「圧力一辺倒」だった日本の姿勢に軟化の兆しが見え始めた。北朝鮮が核放棄に向けた措置の実施を表明した場合、各国の「見返り」措置と足並みをそろえる支援策の検討に着手した。背景には米朝対話ムードの影響に加え、拉致問題をめぐる北朝鮮との直接交渉を実現するには、強硬姿勢だけでは困難との判断があるようだ。

「北朝鮮が核放棄に向けて具体的な行動を取るように、6カ国協議を有効に活用してよい結果を出していきたい。結果が出なければ、国際社会の圧力はさらに高まっていく」。安倍晋三首相は30日、北朝鮮に核放棄を求める強い姿勢を記者団に強調した。

ただ今回の協議は、ベルリンでの米朝協議を受けて北朝鮮の核放棄に向けた進展が見込まれ、焦点は各国の「見返り」に移る可能性が高い。日本は「拉致問題の解決なくして支援なし」の立場だが、外務省幹部は「各国が支援を表明して、日本だけ何もしないわけにはいかない」と語る。北朝鮮籍船の入港禁止など日本独自の制裁解除は困難だが、政府筋は「制裁を続けながらの支援はできる」と、人道支援の検討に含みを残す。

今回の協議では、日朝国交正常化を含むテーマ別の作業部会が設置される見通し。日本は拉致問題解決を北朝鮮に直接訴える構えだが、外務省幹部は「(05年の第4回協議で採択した)共同声明には国交正常化も書いてある」と述べ、作業部会が実質的な国交正常化交渉につながり、拉致問題以外も議論される可能性を示唆する。

国内には安倍政権に対し、北朝鮮への強硬姿勢を求める声はなお根強いだけに、政府は国際情勢と国内世論をにらんだ慎重な対応を迫られる。【大貫智子】(以上)

中川昭一氏が国会の代表質問で《北朝鮮に「対話と圧力」で臨むのが基本方針だが、北朝鮮は自ら対話を閉ざしているため、諸外国とともに圧力をかけていかなければならない。》と述べたことを昨日は紹介しましたが、6カ国協議の進展状況は中川氏の思惑が外れそうで《外務省幹部は「各国が支援を表明して、日本だけ何もしないわけにはいかない」》という状況になりそうです。

6カ国協議を進展させ成功させることは、東アジアの平和と安定につながり、日本の軍拡や改憲の口実に打撃を与えると思います。私は6カ国協議が成功に向けて進展することを期待しています。

拉致問題も話し合わない限り、北朝鮮からの正確な情報は得られません。米国と北朝鮮は対話を重ねることによって、双方の考えを深く理解し合うことになり、進展させる糸口を見出したと思えます。要は対話に失敗すれば圧力があると考えるのではなく、あくまでも対話での解決の態度を堅持して真剣に取り組みかどうかです。

米国が対話を粘り強く重ねたのは、イラク政策の失敗でブッシュ政権内の強硬派(ネオコン)の力が弱まり、穏健派・現実派が北朝鮮問題では主導権をとるようになったからだと言われています。

1月31日付朝日新聞の報道を抜粋します。《米国の最大の懸案はイラク問題だ。対応に追われる米国は、北朝鮮まで手が回らないのが実情。さらにボルトン国連大使が辞任、ジョセフ国務次官が時評を出すなど、北朝鮮との安易な妥協を嫌う人々が政権内から去り、対話が重んじるヒル国務次官補らの発言が強まっている。初日の金融協議に臨む前、グレーザー米財務次官代理は記者団に「進展に期待を持っている」と意欲をみせた。》

北朝鮮の事情は国内経済の窮状の打開を援助により打開しようとする考えです。外国の支援が受けなければ国の経営が出来なくなっている国を脅威などと大きく宣伝するのは、周知のように日本の軍事体制を強化するのに都合が良いから、改憲を宣伝するのに有利からです。

日本は拉致問題があるためにこの宣伝が国民に受け入れられやすい下地があります。先日も拉致被害者家族会の講演に参加した人と話をしましたが、講演者は拉致の問題は、金正日政権が倒れなければ解決できないと述べたと言いました。政権が倒れるような大混乱が起きたとき、拉致された人たちは大丈夫なのでしようか、心配です。

拉致問題は本来的には警察分野に関係し、軍事の分野とは関係がありません。不審船に対する取り締まりは、海上保安庁が高速の巡視船とヘリコプターを増強して対応を図っています。なによりも拉致問題が起こった時代背景を理解することが一番肝心です。北朝鮮と韓国が鋭く対立していた時代に起こった出来事です。現在は南北関係は、様変わりしています。穏やかな方法で拉致問題は解決すべきです。