いせ九条の会

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麻生首相、地金を表す 解釈改憲願望を表明する/山崎孝

2008-09-27 | ご投稿
【麻生首相 将来的には解釈改憲で集団的自衛権行使可能を】(2008年9月26日午後4時のBSニュース)

麻生総理大臣は、訪問先のニューヨークで、記者団に対し、政府が憲法解釈上認められないとしている集団的自衛権の行使を認めるかどうかについて「基本的に解釈を変えるべきものだと、ずっと言っている」と述べ、将来的には認めるべきだという考えを示しました。

この中で、麻生総理大臣は、国連総会での一般討論演説について「経済的繁栄と民主主義を通じて平和と幸福があるということをきちんと伝えるのがポイントだ。アメリカのライス国務長官らと会ったが、『外務大臣のときに言っていたことを聞いたことがあるが、総理大臣になってから聞くと全然違う』ということだった」と述べました。また、麻生総理大臣は、インド洋での海上自衛隊の給油活動について「国内的な政治の事情の難しさはあるが、結果的に継続してきた。世界が期待しているもので、こちらができるものは、やはり油の補給がいちばんだと思う」と述べ、継続の必要性を強調しました。さらに、麻生総理大臣は「集団的自衛権は基本的に解釈を変えるべきものだと、ずっと言っている。ただ、給油活動は憲法違反ではなく、直ちに集団的自衛権の解釈を変える必要はないと思う。集団的自衛権というのは大事な問題だと思う」と述べ、将来的には集団的自衛権の行使を認めるべきだという考えを示しました。

【首相、憲法解釈の変更検討 集団的自衛権行使で】

 【ニューヨーク25日共同】麻生太郎首相は25日夜(日本時間26日午前)、自衛隊の国際貢献に関連し、政府見解で禁じられてきた集団的自衛権行使について「重要な問題で、これまで解釈を変えるべきだと言ってきた。大事な問題だ」と述べ、容認へ向け解釈変更を積極的に検討していく考えを表明した。ニューヨーク市内で記者団の質問に答えた。

 集団的自衛権行使をめぐる憲法解釈変更については安倍晋三首相が在任中に行使容認に意欲を示したが道半ばで挫折した経緯がある。首相の発言は自衛隊の新たな海外派遣に向け、議論を再び活発化させる狙いがありそうだ。

 集団的自衛権をめぐっては今年6月、政府の有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」が行使容認のために憲法解釈の変更を求める報告書を提出したが、当時の福田康夫首相は解釈変更を否定した。

 これに関連し、浜田靖一防衛相は26日午前の記者会見で「衆院解散・総選挙があるかもしれない中で、表面上だけの議論はよくない。腰を落ち着けてゆっくり話した方がいい」と述べ、集団的自衛権の問題を議論する環境にはないとの認識を示した。

【コメント】麻生氏は北朝鮮のミサイル発射実験の時、国連加盟国が米国を含め、国連憲章第42条の規定 経済制裁や軍事制裁をしない方向の時に、安倍氏とともに外務省に檄を飛ばし、採決ぎりぎりまで42条の適用を主張するよう指示しました。麻生氏は、かようにもともと軍事指向が強い人物でした。

浜田靖一防衛相は、集団的自衛権の問題を議論する環境にはないとの認識を示しましたが、これはあくまでも「憲法を守れ」の声が高い現在時点ではという考えです。私たちは憲法を守り活かす声を高めていかなければと思います。総選挙で自民党に打撃を与えなければなりません。

本年下された名古屋高裁判決は、現実に戦闘行為を行う他国軍兵士の輸送することは「他国の武力行使と一体化し、自ら武力行使を行っている(自ら戦争を行っている)との評価を受けざるを得ない」として、イラクにおける後方支援活動を憲法9条1項に違反するとしています。また、バクダットに兵士を輸送することを、憲法9条の制約を受けたイラク特措法の自衛隊の活動は「非戦闘地域」に限るとした規定にも違反すると判断しています。

裁判所は憲法の規定は、具体的には自らが他国で戦闘行動を行なうこと、戦闘行動をする他国軍の兵員輸送・武器輸送をしてはならないです。

安倍首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の柳井俊二座長は、2007年7月10日、朝日新聞社のインタビューで、集団的自衛権の行使容認を安倍首相に求める報告書を今秋まとめる意向を表明した際に、解釈改憲をして(1)公海上で自衛艦と並走中の米艦船が攻撃された際の反撃(2)第三国が発射し、米国を狙った弾道ミサイルに対するミサイル防衛(MD)システムで迎撃する(3)国連平和維持活動(PKO)などで、他国軍が攻撃を受けた場合、自衛隊が応援に駆けつけ支援するなどを可能にすることを言明しています。これらは、自らが武力行使を行ない、他国の軍隊の武力行使と一体となる活動です。

憲法9条1項の精神は、国際紛争を武力で解決しない=戦争放棄です。この憲法9条1項は2005年の自民党新憲法草案にもそのまま盛り込まれています。要するに自民党はあからさまには国民に「戦争を放棄する」とは言えないのです。

解釈改憲は、三権分立の原則を破壊して、憲法制定以来、一貫して海外での武力行使は出来ないとする内閣法制局の見解を破壊する大きな無法行為です。