いせ九条の会

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伊藤和也さんの「志」は不滅である/山崎孝

2008-08-29 | ご投稿
29日の朝日新聞朝刊に「ペシャワール会」現地代表の中村哲さんが、不条理な暴力で命を奪われた伊藤和也さんの棺に寄り添う姿の写真がありました。小柄なお体ですが情熱を秘められた中村哲さん。厳しいアフガンの大地に真の国際貢献を示された伊藤和也さん、中村哲さんらの思いを拝察し、悲しみがこみ上げてきました。

国際貢献の最大は軍事的貢献である。憲法を変えるため国民に対しての意識工作としてとして捉え、この方向の政策に重点を移す政権与党及び民主党の一部の議員たちです。前原誠司議員は、伊藤和也さんが拉致された問題について、「相当程度の警護のための自衛隊員を出さないと、民生支援を丸腰で出すというのは極めて危険だ」と発言しています。

これに対して暴力は暴力を呼ぶと考えて非武装で、アフガニスタンの民衆の生活を向上させることでテロリストとの戦い方を示した「ペシャワール会」の活動です。この考え方は道理のある考えです。PKOの紛争当事者に対する通常の武装解除は丸腰で行なわれます。

不運にも犠牲者が出てしまいましたが「ペシャワール会」と亡くなられた伊藤和也さん「志」は、アフガニスタンの人たちに深く理解されると確信しています。

私はなぜテロリストたちが見境の無い行動をするのか、そしてこの行為を恥じないのか、その背景にあるものを広く訴えたいと思い、朝日新聞の読者投書欄「声」に投稿しました。幸いにも掲載していただきましのでお読み下さい。

2008年8月29日付朝日新聞「声」欄掲載文【民間巻き込む戦いは改めよ】

アフガニスタンで活動する日本のNGO「ペシャワール会」の伊藤和也さんが武装グループに誘拐された事件は残念な結末となった。御家族に対して深い哀悼の意を表します。

拉致された時、周辺地域の有力者が犯人グループと交渉をしたり、大勢の村人が捜索を手伝ったりしたことから分かるように、「ペシャワール会」の農業支援や医療活動は、評価され信頼されていたと思う。

それなのにアフガニスタンの情勢は有益な活動を行なう団体にさえ危害が加えられるような状況になってきた。背景にはアフガニスタンにおけるテロとの戦いに重大な問題があると思う。

潘基文国連事務総長が2007年7月、北大西洋条約機構主導の国際治安部隊の空爆で民間人の死傷者が相次いでいることについて「敵を利し、われわれの努力を損なうものだ」と述べている。今月22日には80人を超える民間人を死亡させている。

このようなテロとの戦い方を改めない限り、治安の回復は出来ないだろうと思う。