伊佐子のPetit Diary

何についても何の素養もない伊佐子の手前勝手な言いたい放題

みうらじゅん マイ遺品展

2022年03月05日 | 展覧会・絵


みうらじゅんの「マイ遺品展」
という展覧会は、新聞に宣伝が出ていたので知った。
その時から行きたい、と思っていたのだ。

断捨離とは無縁のみうらじゅんのコレクションに興味があった。



みうらじゅんの本はたくさん持ってるし、
いとうせいこうとの共著「見仏記」は私にとって教科書のようなもの。

「月刊HANADA」に連載をしているのを知った時はぎょっとしたが、
節操のない人なんだろうと解釈することにした。



展覧会は、ずっと長く開催されていたので、
3月末くらいまでやっていると思っていたら、
3月6日で終わりだと新聞で知り、慌てて行こうと思った。




アサヒビール大山崎山荘美術館
https://www.asahibeer-oyamazaki.com/

https://www.asahibeer-oyamazaki.com/tokubetu/43936/
開館25周年記念「みうらじゅん マイ遺品展」
2021年12月18日(土)-2022年3月6日(日)





展示会のタイトルや、メインビジュアルはかなりヤバいが…。
みうらじゅんのシニカルな、やや自虐的なギャグだろう、と思った。
露悪的なところもあるようだ。

 

大山崎山荘美術館へは以前に一度行ったことがあるが、
すっかり行き方を忘れていた。


アクセスを調べたり、JRの駅を調べたり、電車の時刻を調べたり、
下調べをしているうちに、
そんなに準備をしてまで行く値打ちのある展覧会なんだろうか、
という思いがむくむくと湧いて出て来た。

 

大山崎山荘美術館は、かなり遠い。
京都府乙訓郡大山崎町にある。

しかも山の中腹にあり、坂を登らなくてはならない。

腰を痛めているのでそれがきつい。
そこまでして…そこまで苦労して行く必要はあるのか?
町中の美術館ならすぐ行けるからまだしも…と。

みうらじゅんのしょうもない(?)コレクションを見るために…


自問自答しながらも行くと決めていたので、
京都駅まで歩き、JRに乗り、大山崎まで行って来た。

 


美術館へ行く坂の途中に、
いくつかの「みうらじゅんの飛び出し坊や」が設置されていた。


飛び出し坊やは滋賀県に最も多いという。
その滋賀県の飛び出し坊やを制作している会社が、
特別に「みうらじゅん飛び出し坊や」を今回のために作ったという。

みうらじゅん的には本望だろうと思った。









美しい外観の瀟洒な美術館の中へ入り、展示物を見ると、
まず思ったのは、予想はしていたものの、
その予想以上にがらくた(コレクション)が多い。

どうでもいいものばかりある。
旅先の土産物屋で売ってる実用にならなそうな栓抜き、
ヤシの実の置物、ゴム製のヘビ、水回りの救急宣伝マグネット、
甘えた坊主、ヌードボールペン、ヌードトランプなどなど。
(エロはみうらじゅんのテーマでもある)

旅行先のどうでもいい土産物が多い。

 

そして一番変だと思ったのは、それらのカスのようなコレクション
(本人がカスだと言ってるので、そう言ってもいいだろう)が、
大山崎山荘美術館という、内装が素晴らしく、気品があり、
格調の高い展示室や、棚や美しい展示ケースに、
あたかもとても大事そうにきちんと並べられ、
それらが何か、とても値打ちがあるかのように展示されている事だった。


みうらじゅんにしか価値がないようながらくたたちが、
整然と美しく、とてもきれいな展示ケースに一つずつ並べられることで、
俄然輝き出している。
それらがまるで美術品のように見えて来たりして…。

 

不思議な光景だった。


大山崎山荘美術館には似つかわしくない、
がらくたとのミスマッチが不思議な異空間を形成していた。

大山崎山荘美術館がよくこのコレクションを展示する気になったな、
というほど似つかわしくないのだ。

 

そして、もっと不思議だったのは、展示されていたコレクションが、
とてもきれいに保存されていたこと。
保存状態がとてもいいのだ。


金プラ(金メッキの五重塔などの土産物)はピカピカに磨き上げられ、
新品のようだった。

そのほかの展示品もすごく状態が良い。


カスのようなコレクションだが、すごく大事にして、
ひとつひとつをなおざりにせず、大切にされていた。










みうらじゅんは、今回展示されているこれら以外にまだ沢山所持していて、
特別に倉庫を借りて、そこに保管しているそうだ。


思ったのは、倉庫でもそれらのコレクションは、
ごちゃっとただ入れられているのではなく、
特製の棚を作り、一つずつ、整然と並べられているのだろう、
と言うことだった。

劣化を防ぐため、温度も管理しているだろう(笑)。

 

「マイ遺品」と名付けられてるが、
その名の通り、みうらじゅんはコレクションを死ぬまで手放さず、
彼らと運命を共にする覚悟なのだ。


みうらじゅんに買われた土産物はきっと幸せだ、と思った。





展示室のうち、別館のような廊下を隔てた一室、山手館のみ撮影可能だった。
そこにある展示物の写真を撮って来た。











ちゃんと写せなかったものもあり、残念



所々に等身大のみうらじゅん像がある。
それを見ても分かるように、
この展覧会はみうらじゅんそのものを見る展示会だった。

 


コレクションを見ればその人となりが見えて来る。
みうらじゅん本人が言うとおり、これはコレクションを見る、
というより、
みうらじゅんの人生や歩みを追体験する展覧会なのだった。





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