伊佐子のPetit Diary

何についても何の素養もない伊佐子の手前勝手な言いたい放題

みうらじゅんFES in京都

2024年08月07日 | 展覧会・絵
美術館「えき」KYOTOで、
「みうらじゅんFES マイブームの全貌展in京都」という、
驚くべき、呆れるような展示会をやっていた。
みうらじゅんにはどういうわけかシンパシーを感じるので、
この馬鹿げたというか、
ガラクタばかりを集めたとしか思えない💦展覧会へ行って来た。

(自分もそんなにいらないのに無料うちわを沢山集めていたり、
美術展のチラシを捨てず、ずっと保管していたりしているので💦)
(京都出身者でもあるし)

美術館「えき」KYOTO
https://kyoto.wjr-isetan.co.jp/museum/


https://kyoto.wjr-isetan.co.jp/museum/exhibition_2406.html
みうらじゅんFES 
マイブームの全貌展 in京都
2024.7.13 土 - 8.25 日

この展覧会はツアーであるらしく、各地を回っているという。



展覧会のメインビジュアルは
みうらじゅんのかわいいイラストが描かれているが、
本物はもっとむさくるしい(>_<)




マイブームやゆるキャラの名付け親としても名を馳せているが、
みうらじゅんの活動は多岐にわたる。
というより、趣味を仕事に出来た幸運な人という印象だ。




美術館の入口へ行く通路にはみうらじゅん飛び出し坊やのほかに
遺影が飾られている。



それを見ると単なるコレクションの展示ではないことが分かる。
みうらじゅんという、一人の人の人となり、思想、
生涯で残して来たもの。
みうらじゅんという人間を丸ごと表現している展示なのだった。



彼の集めているコレクションは他人にはどうでもよい、
ガラクタばかりのように思えるが、
しかし本人にとっては意味のあるものである。
積もり積もってそれらの大量のクズ?がみうらじゅんを形成しているのである。


ところどころにみうらじゅんの等身大フィギュアが置いてあったが、
それもみうらの人そのものの展示であることを強調したいからだろう。
膨大なコレクションによってその人が浮かび上がるのである。




会場内は一部を除き撮影OKだった。
撮影NGの部分もあったが、なぜNGなのか分からないくらい、
他の部分と同じようなどうでもよいパートだった((´∀`))
そうして客は殆ど写真を撮っておらず、
撮影をしているのは自分一人くらいだった(>_<)




この展覧会ではまず、子供の頃の絵画や漫画から展示されている。
みうらじゅんの人となりが分かるように。
子どものころからマイブームに憑りつかれて来た人物なのだった。



漫画家気取りブーム、エッセイスト気取りブーム、
仏像スクラップブーム・・・etc,etc...
とくに仏像スクラップの完成度には驚きを隠せない。
(まだ少年時代のもの)


みうらじゅんのスクラップは偏執狂的でさえある。
いや、律儀というか丁寧というか、
ここまで完成度が高いとひとつの作品と言ってもいい。
今でもみうらはスクラップを続けているらしく、
コクヨからゴールドのスクラップブックを贈呈された。



それほどスクラップはみうらにとって重要な作業である。
才能だと言える。


子どものころからマニアック、オタク気質を発揮していて、
大人になっても…いや、やがてそれを職業にまでしてしまった。
それはそれで才能だと言わざるを得ない。


自分の受験票まで残している(◎_◎;)
志望はデザイン学科、などと書いてあるから、
もともとグラフィック関連が好きだったのだろう。




初見はこれだけよく集めたなあと驚き呆れるばかりであり、
凄みというか、凄まじさすら感じる。
天狗に関するもの、金プラ、用をなさないような栓抜き、
ゴムへびのおもちゃ(大量)、土産物のご当地掛け軸、
観光地のへんてこな絵ハガキ(カスハガ)、飛び出し坊や、
甘えた坊主、カニパンフ、
などなど…。





それらのコレクションをみうらは(自分の中の)ブームと名付け、
テングーブーム、カスハガブームなどと呼んで大事に愛でているのである。

普段はこれらのコレクションは倉庫に入れているというが、
ガラクタがこのように美術館で整然と飾られているのを見ると、
何か価値があるようにさえ思え、これらのガラクタがとてもうれしそうで、
日の目を見て喜んでいるかのようである。


コレクションの中でとくに気に入ったのは英字の入った紙バッグのコレクション。
紙バッグは自分もなぜか捨てず、押し入れに溜まったままだが、
なるほどこのように的を絞って集めれば良いのだと気がついた(笑)。



般若心経ブームのパートは、見たいと思っていたもの。
街の中で般若心経の一文字ずつを探して写真に撮り、
お経を完成させるという(一人)プロジェクトだ。
半分しか写ってないが、下の解説札には般若心経全部が載せてある。
こういう酔狂なことに手間をかけるのがみうらじゅんの真骨頂だろう。




冷蔵庫に貼る水道屋のマグネットのコレクションも悪趣味ではあるものの、
大量に集めて整然と飾ってあると、ある種の凄みがある…。
中にみうらじゅんのマグネットがあるのがご愛敬だ。
(わざわざ作ったのかも?)



みうらはイラストレーターでもある。
いや、元来、イラストレーターとして知られているはず。

「見仏記」のイラストがずらりと並んでいた。


それだけではなくいろんなイラストが展示されていたが、
ポップな部分と写実的な部分が入り混じった独自の画風である。
ギャグ漫画家でもあるが仏像などは写実的に描きたいらしい。



圧巻だったのはコロナ画である。


コロナ禍の期間中、外に出ることが出来ないで家で籠っている間、
作品を描き続けたらしい。
パネルではなく、本物だろう。


展示室の壁一面に張り巡らされたカラフルな作品は、
各パートごと仕切りがあり、
一つの小さいパネルごとに描かれているが、繋げて描かれてもいる。
まずその大きさに圧倒されたが、細かさにも驚かされた。


描かれているのはみうらじゅんの好きなモチーフばかりで、
様々な仏像が描かれているのを始め、彼の好きなボブ・ディランや
ラクエル・ウェルチ、デヴィッド・ボウイ、松本清張など様々な人物像、
青江三奈や一昔前のグラビアアイドル、
その他数え切れないモチーフがびっしりと埋め尽くされた大作である。
その迫力、みうらじゅんの異才ぶりが発揮されていた。


モチーフは通俗的で低俗なものばかりだが、
壁一面の大作の迫力にただならぬものを感じる。



そばにモニターがあって、
みうらじゅん本人が登場して「コロナ画」のモチーフの解説をしていた。
いつものように飄々とした語り口で、何気なく喋っているが、
本人でなければ気づかないディテールを細々と説明していた。
時間があったとはいえ、相当な労力が要っただろうに、
相変わらず冗談かのように軽く喋っている。
そしてこれで終わりではなく、コロナ画はまだ続くような話もあった。


この「コロナ画」を見て、ポップアートを思い浮かべた。
市販の商品や宣伝広告をそのまま描いたり、
マリリン・モンローの写真をシルクスクリーンで刷ったアンディ・ウォーホール、
漫画の一コマを拡大してカンバスに描いたリキテンスタイン、
通俗的なテーマを描きつつアートにまで高めたアメリカのアーティストたちを。

どんなテーマであれ、これだけ手が込んでいればそれはアートになるのだ。
みうらじゅん畢生の大作が生まれたと言ってもいいだろう。



美術館えきKYOTOの来月の展示はブラックジャック─
これも楽しみ







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