伊佐子のPetit Diary

何についても何の素養もない伊佐子の手前勝手な言いたい放題

東本願寺・大寝殿、白書院

2023年01月16日 | 京都の社寺と文化財

ここ数日は寒さが緩んで来たが、
それまでは朝、散歩で歩く時は、
寒すぎて手袋をしていても手の指がすごく冷たいというか、
痛いくらいだった。
冷たすぎて痛くてたまらないのだ。
朝、6時半ころ外を歩くのは真っ暗なうえ、寒すぎてつらい。

けれども昼になれば陽がさして来て、
コートを着ていたらとても暖かくて、歩くのが苦にならない。


今年の「京の冬の旅」は近くの東本願寺が含まれていたので、
早速行ってみることにした。



「京の冬の旅」はオフシーズンに観光客を誘致するため、
真冬に公開される京の冬の風物詩である。

非公開文化財特別公開として、毎年冬の時期に行われている。
非公開文化財特別公開は夏と冬、春と秋にも行われている。
春夏秋冬と行われていて、常に公開されている感じだが、
ラインナップはその都度変わっている。
東寺や知恩院など、いつも公開される所もあるが、
初公開の場所もいくつかいろいろある。





今回は東本願寺の白書院が40年ぶりに公開された。



今年は宗祖親鸞聖人の生誕850年の年に当たる。
それでお東さんも力が入っているのだろう。




お東さんはよく行っているが、
真宗の寺院なので境内やお堂は無料である。

書院があることは知っていたが、入ったことはなかった。
今回、800円で特別公開されていた。
いつもは無料で境内に入るので高いと思ったが、
文化財の保護のために使われるはずだ。
ケチなことは言わずに料金を払い、見て来た。


第57回 京の冬の旅
非公開文化財特別公開
~秘められた京の美をたずねて~
2023年1月7日(土)~3月19日(日)

https://ja.kyoto.travel/specialopening/winter/


公開されていたのは、
普段は非公開の東本願寺の白書院と大寝殿だった。

「京の冬の旅」非公開文化財特別公開 
東本願寺 大寝殿・白書院
2023年1月7日(土)~3月16日(木)

https://ja.kyoto.travel/event/single.php?event_id=7331





大寝殿と白書院は、東本願寺の正面玄関ともいうべき
御影堂門(ごえいどうもん)をくぐり、
正面の御影堂へ行く前に右に曲がり、北へ向かった所に受付がある。
境内は広大で、
御影堂の北側にもいろいろ建物があるのは知っていたが。。


御影堂の北側の受付で靴を脱ぎ、
渡された袋に靴を入れて見学するという形だった。
書院へ行くまでにいろいろ建物があり、というか、
長い廊下があり、どこを歩いているのか分からないという(>_<)、
とても広い場所だった。



入り口近くに、親鸞聖人による直筆(?)の
教行信証が置いてあってびっくりしたが、
影印本とのことで、写真撮影した複製であった。
(ああびっくりした)
しかし本物そっくりで、
親鸞聖人の荒々しい筆遣いがそのまま表されていて、
思いがけず教行信証に出会え、うれしかったのは確かである。





順路どおりに歩いていくと、
まずとても広い「大寝殿」という所へ入る。
禁門の変(1864)の時焼失したあと1868年に再建されたそうで、
本山の中では最も古い建物だそうだ。
竹内栖鳳の障壁画がまわりを飾っていた。



とても広い場所で、係の人がいて、説明書きを読みながら、
東本願寺の正式名称は「真宗本廟」であるなどと説明していた。
周りには真宗と親鸞聖人の教えのパネルが張り巡らされていた。


東本願寺は幕末の禁門の変で焼けてしまい、
建築物はすべて明治になってからの再建である。
それでも貴重な巨大木造建造物ばかりなので、
多くのものが重要文化財に指定されている。

大寝殿は登録有形文化財だということだ。


竹内栖鳳の雀の図、そして竹の豪放な襖絵を鑑賞した。
ガラス張りで保護されていたが、
大変立派なもので、普段公開されていないのが残念だ。
しかし、そのせいで保存状態がとても良い。

写真はいずれも撮っても良いということだったので、
どんどん撮った。


竹内栖鳳の障壁画は「風竹野雀図」「歓喜図」「古柳眠鷺図」
ということである。


風に晒される竹の図は栖鳳らしかった。

ガラスで障壁(襖)が保護されているので、
きれいに撮れなかった。
雀の図は反射がきつくて撮れなかったのが残念だ。




廊下ですべての建物が繋がっており、
廊下自体も風情があった。
踏みしめると音がするので鴬張りなのかもしれない。




大寝殿から白書院へ行く廊下越しに能舞台が見える。
西本願寺の能舞台は有名だが(確か国宝?)、
お東さんにも能舞台があるのは…
多分、あるだろうとは思っていたのだが、
(お西にあるのだから東にもあるだろう、と)
現物を見て本当にあるのだと感動した。

明治13年(1880年)に建てられたものだという。
現在の位置には昭和12年(1937年)から設置されたそうである。
白書院から観覧するように建てられているという。
もちろん現在でも能楽に使われている。






白書院は明治44年(1911年)、
宗祖・親鸞聖人の650回御遠忌に際し再建されたものだそうだ。
来賓の接待などを行う場所で、書院造で、
上品な内部だった。


白書院という名称は柱などその他の用材が白木で、
漆を塗らずに仕立てられていることに由来するという。



中央部分に立派な格天井があり、目を見張るほどだった。

案内によると控えの間と上段の間が設えられており、
一の間は帳台構え、違い棚などを設えた正式の書院造で、
正式な対面施設だということだ。
現在も来賓接待等に使用されているとのこと。





一の間の手前にかけられている額は
「国豊民安」と書かれており、
閑院宮載仁親王(1865-1945)の筆によるものだそうである。




障子の上には壁面に装飾が施されていて、
欄間には木彫りの装飾もあり、
見どころの多い書院造りの部屋であった。
対面施設だけあって、設えに気品がある。
豪華というより質素ではあるが、
整った気持ちの良い空間である。



世界でもっとも巨大な木造建築とも言われる
御影堂に負けない重厚感のある書院で、
お東さんにこのような一室があるのをまったく知らなかったので、
大寝殿、能舞台ともども驚くばかりだった。

境内だけでも思ったより広大だった。
…確かに京都駅近くにあれほど存在感のある敷地であるし、
境内にいろんな建物があっても不思議ではない…。

東本願寺はまだまだいろんな非公開部分を持っていそうだ。




帰りに巨大な御影堂門を斜めから写す。
そうでないと全貌が入らない。


御影堂門の内部も荘厳である。
いつ本山へ行っても、
この巨大木造建築になぜか安心感を覚える。
木造建築が好きだからだろう。。


近くにあるのにまったく知らなかった、
お東さんのいくつかの建物を見ることが出来て、
まだまだ知らない東本願寺の姿があることを知る。
あらたな発見をした気持ちになった。



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