毎年楽しみにしている「京の名工展」へ、今年も行って来た。
もうとっくに終わってしまったが💦…。
今回も京の伝統工芸士たちの名作・力作ぞろいで、
その技術のすごさに圧倒された展示だった。
京都文化博物館の5階にて、入場無料だった。
「京の名工」たちの発表会のようなものだから、
無料なのだ。
京都文化博物館
https://www.bunpaku.or.jp/
京の名工展
2022年10月19日~10月23日
↑ただ、この京都文化博物館のサイトには、
どこにも「京の名工展」のことは触れられていなかった…。
5階の貸し展示室を使い、通常展示とは違うので
(通常展示は4階と3階)、
サイトには載らないのだ。
5階(洋室)
https://www.bunpaku.or.jp/exhi_gallery_hall/exhi_gallery/info-2/
それがひっそりと、
ほとんどの人に知られずに開かれる理由なのだろう。
多くの人に知ってもらいたいのに、それが残念だ。
京都の伝統工芸士たちの熟練した超絶技巧の技が、
目の前で見られるチャンスなのに、といつも思う。
ただ、文化博物館へ行くと、博物館前にポスターが提示されており、
1階エントランスにもちゃんとポスターが貼ってある。
「京の名工」は、正しくは「京都府伝統産業優秀技術者」
といい、伝統工芸士の資格を持つ。
「京の名工」も、一つの資格である。
京都の伝統産業は多岐にわたる。
いちばん出品が多いのは友禅だが、
それ以外にも仏壇・仏具、刺繍、組紐、袈裟から畳(!)、
表具、簾、京版画、京人形、漆器、京扇子、刃物、
竹工芸、木工芸、京印章、造園・・・・・
などなど数え切れない。
こうした伝工士に認定された京の名工たちが、
年に一度、
腕によりをかけて一点ものの作品を制作して展示・披露するのが、
「京の名工展」だ。
主催は京都府と京都府巧会。
巧会は生前の父も加入していた。
なつかしい名前だ。
西脇隆俊京都府知事の挨拶もある。
5階の展示室に入ると、一目で圧倒される。
写真撮影は、禁止のマークがついているもの以外はOKだった。
殆どがOKだったが、仏像などいくつか撮影禁止のものがあった。
見事な准胝観音があって、
それが撮影禁止だったのが少し残念だったが仕方がない。
ちなみに仏像彫刻師は仏壇・仏具に含まれるらしい。
ちょっと驚きだ。
入ってすぐに、このような沓がある。
これだけでかなりびっくりなのだが…。
現在でもこのような作品を作っている人がいるのか、という…。
「靴の沓」(かのくつ)というタイトルで、
「浅沓師」という工芸士の作品だ。
「神祈調度」というカテゴリーに属する。
隣には「冠」。
冠師という技術者がいるのだ。
最初だけで、このように珍しいものが展示されていて、
それだけで圧倒される。
さすがだ…今でも需要があるから作るのだろう、と。
どの作品も力作揃いなので、片っ端から写真に撮る。
一つずつ全部撮りたいと思ってしまうくらいで、
全部撮れなかったのが悔しい(>_<)。
「文箱」
表具師の作品というから、意外だ。
修理品らしいが、
精緻な完成度に丁寧な仕事ぶりが伺われる。
飾房製造師による
「総角(あげまき)結び 夫婦房 染め分け」
壁に奥ゆかしく吊られた飾房に惹かれて撮った。
そして京人形のコーナーでは定番のお雛様のほか、
珍しい人形も。
京人形頭師の作品だから、頭(かしら)を専門に作る人だろう。
雛人形は、雛人形着付師の作品で、着付けを担当した。
意匠紋様のパートでは意匠紋様師による美しい作品が。
意匠紋様とは、西陣織の設計図のようなもの。
表舞台に出ることはないが、
ここでは、こうして作品として見ることが出来るのだ。
簾や印章も伝統工芸士の作品だ。
簾が壁にかかっているのは、何とも言えない美しさがある。
印章も、毎年どんな作品が出品されるのか、
楽しみな一つ。
今回は鳳凰が彫られていた。
京扇子。
去年に続き、巨大な3尺の飾扇と、
15間の飾扇が飾られていた。
15間は扇子折師と地紙師の共同作業で、
3尺の方は扇子仕立師の作品だった。
見事だったのは「織」の部の織師による、
「宗達 蔦の細道」。
手織り手つむぎ真綿手引箔、というもの。
美しくて、思わず立ち止まった。
宗達の絵をもとにしたものだ。
染色補正師の作品は毎年楽しみにしているもの。
しみ抜きの技法を用いて、しみを抜くように絵を描いてゆく。
この超絶技巧には毎年驚かされる。
京友禅彫刻師による京友禅立体アートパネルも見事で、
染め型の技術で友禅柄を彫刻しているそうだ。
あまりにも見事で写真に撮らずにいられなかった。
そのほか、目についたものを撮りまくった。
友禅染は展示が一番多いが、
浮き上がるように染め抜かれた帆船の模様が幻影のように美しい。
庭師が造園部門で展示するのも、風物詩だ。
もうひとつの別の部屋には、
京の若手職人「京もの認定工芸士」の作品展があり、
まだ「京の名工」には選ばれておらず、
名工を目指して技を磨く職人たちの作品も飾られていた。
とはいえ、「京の名工」と遜色のない技術に唸らされたのである。
毎年楽しみにしている「京の名工展」。
今年も期待に違わない、それ以上の超絶技巧の作品群を見られて、
とても満足感に満たされた。
作品の前へ行くたび、ほおお、と感心するばかりだった。
時間をかけてひとつひとつ、丁寧に作られる工芸品は、
それだけで美術品だと言える。
京の伝統の確かさを再確認出来たのである。
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もうとっくに終わってしまったが💦…。
今回も京の伝統工芸士たちの名作・力作ぞろいで、
その技術のすごさに圧倒された展示だった。
京都文化博物館の5階にて、入場無料だった。
「京の名工」たちの発表会のようなものだから、
無料なのだ。
京都文化博物館
https://www.bunpaku.or.jp/
京の名工展
2022年10月19日~10月23日
↑ただ、この京都文化博物館のサイトには、
どこにも「京の名工展」のことは触れられていなかった…。
5階の貸し展示室を使い、通常展示とは違うので
(通常展示は4階と3階)、
サイトには載らないのだ。
5階(洋室)
https://www.bunpaku.or.jp/exhi_gallery_hall/exhi_gallery/info-2/
それがひっそりと、
ほとんどの人に知られずに開かれる理由なのだろう。
多くの人に知ってもらいたいのに、それが残念だ。
京都の伝統工芸士たちの熟練した超絶技巧の技が、
目の前で見られるチャンスなのに、といつも思う。
ただ、文化博物館へ行くと、博物館前にポスターが提示されており、
1階エントランスにもちゃんとポスターが貼ってある。
「京の名工」は、正しくは「京都府伝統産業優秀技術者」
といい、伝統工芸士の資格を持つ。
「京の名工」も、一つの資格である。
京都の伝統産業は多岐にわたる。
いちばん出品が多いのは友禅だが、
それ以外にも仏壇・仏具、刺繍、組紐、袈裟から畳(!)、
表具、簾、京版画、京人形、漆器、京扇子、刃物、
竹工芸、木工芸、京印章、造園・・・・・
などなど数え切れない。
こうした伝工士に認定された京の名工たちが、
年に一度、
腕によりをかけて一点ものの作品を制作して展示・披露するのが、
「京の名工展」だ。
主催は京都府と京都府巧会。
巧会は生前の父も加入していた。
なつかしい名前だ。
西脇隆俊京都府知事の挨拶もある。
5階の展示室に入ると、一目で圧倒される。
写真撮影は、禁止のマークがついているもの以外はOKだった。
殆どがOKだったが、仏像などいくつか撮影禁止のものがあった。
見事な准胝観音があって、
それが撮影禁止だったのが少し残念だったが仕方がない。
ちなみに仏像彫刻師は仏壇・仏具に含まれるらしい。
ちょっと驚きだ。
入ってすぐに、このような沓がある。
これだけでかなりびっくりなのだが…。
現在でもこのような作品を作っている人がいるのか、という…。
「靴の沓」(かのくつ)というタイトルで、
「浅沓師」という工芸士の作品だ。
「神祈調度」というカテゴリーに属する。
隣には「冠」。
冠師という技術者がいるのだ。
最初だけで、このように珍しいものが展示されていて、
それだけで圧倒される。
さすがだ…今でも需要があるから作るのだろう、と。
どの作品も力作揃いなので、片っ端から写真に撮る。
一つずつ全部撮りたいと思ってしまうくらいで、
全部撮れなかったのが悔しい(>_<)。
「文箱」
表具師の作品というから、意外だ。
修理品らしいが、
精緻な完成度に丁寧な仕事ぶりが伺われる。
飾房製造師による
「総角(あげまき)結び 夫婦房 染め分け」
壁に奥ゆかしく吊られた飾房に惹かれて撮った。
そして京人形のコーナーでは定番のお雛様のほか、
珍しい人形も。
京人形頭師の作品だから、頭(かしら)を専門に作る人だろう。
雛人形は、雛人形着付師の作品で、着付けを担当した。
意匠紋様のパートでは意匠紋様師による美しい作品が。
意匠紋様とは、西陣織の設計図のようなもの。
表舞台に出ることはないが、
ここでは、こうして作品として見ることが出来るのだ。
簾や印章も伝統工芸士の作品だ。
簾が壁にかかっているのは、何とも言えない美しさがある。
印章も、毎年どんな作品が出品されるのか、
楽しみな一つ。
今回は鳳凰が彫られていた。
京扇子。
去年に続き、巨大な3尺の飾扇と、
15間の飾扇が飾られていた。
15間は扇子折師と地紙師の共同作業で、
3尺の方は扇子仕立師の作品だった。
見事だったのは「織」の部の織師による、
「宗達 蔦の細道」。
手織り手つむぎ真綿手引箔、というもの。
美しくて、思わず立ち止まった。
宗達の絵をもとにしたものだ。
染色補正師の作品は毎年楽しみにしているもの。
しみ抜きの技法を用いて、しみを抜くように絵を描いてゆく。
この超絶技巧には毎年驚かされる。
京友禅彫刻師による京友禅立体アートパネルも見事で、
染め型の技術で友禅柄を彫刻しているそうだ。
あまりにも見事で写真に撮らずにいられなかった。
そのほか、目についたものを撮りまくった。
友禅染は展示が一番多いが、
浮き上がるように染め抜かれた帆船の模様が幻影のように美しい。
庭師が造園部門で展示するのも、風物詩だ。
もうひとつの別の部屋には、
京の若手職人「京もの認定工芸士」の作品展があり、
まだ「京の名工」には選ばれておらず、
名工を目指して技を磨く職人たちの作品も飾られていた。
とはいえ、「京の名工」と遜色のない技術に唸らされたのである。
毎年楽しみにしている「京の名工展」。
今年も期待に違わない、それ以上の超絶技巧の作品群を見られて、
とても満足感に満たされた。
作品の前へ行くたび、ほおお、と感心するばかりだった。
時間をかけてひとつひとつ、丁寧に作られる工芸品は、
それだけで美術品だと言える。
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