伊佐子のPetit Diary

何についても何の素養もない伊佐子の手前勝手な言いたい放題

HELP!

2009年12月04日 | 映画
更新しようと思うがなかなか実行出来ない。
ビートルズ関連について書く。

ビートルズの映画「HELP!」がテレビで放送された。
録画して何度も見る。

ビートルズたち本人はこの映画が好きではなかったようだけど、
でも私は好きだ。
コメディ映画としてとてもよく出来ている。
いつ見ても面白いし、今見ても面白い。
もう44年も前の映画だなんて、信じられない。

DVDも出ているみたい↓


リチャード・レスターのイギリス人らしい感覚が、
随所に、
というかどの場面からも溢れていて、興味深い。
アメリカ映画ではこのような味わいはないはずだ。

当時のユナイト映画だったと思うので、
007のテーマ曲が使えたのだろう(詳しく正確には知らないが)。
スコットランドヤード、バッキンガム宮殿、
ビートルズの住む市街にすらも英国の匂いが濃厚に漂う。

レスターはのちに「三銃士」や「ジャガーノート」などの
娯楽作品を作るが、特に「ジャガーノート」は素晴らしい出来で、
マイ・フェイバリットのひとつ。忘れられない作品だ。
随所に皮肉っぽいユーモアがあるところが彼らしさだろう。


「HELP!」はまずタイトルバックが素晴らしい。

私が見たすべての映画の中の
ベスト3に入るかと思うような見事なタイトルバックだ。

Where is the ring?と言うセリフにかぶるように、
「HELP!」の曲がいきなり始まり、ビートルズの演奏風景。

そしてストーリーのキイとなる
リンゴの嵌めている指輪(リンゴのリング!)がアップになる。
画面はなぜかモノクロで、
まるで前作の映画「ハード・デイズ・ナイト」を思わせるが、
そう思わせておいて、
あっという仕掛けをこのタイトルバックに施している。
なんと粋でシャープ。


今考えると、このタイトルを
ビートルズと彼らのマネージャー、エプスタインがよくオーケーを出したなと思う。
彼らのクローズアップ画面にダーツの矢が刺さるなんて!
それ以外にも、「ナイト・ビフォア」の演奏風景に、
その曲が突然ぶつ切りされて「シーズ・ア・ウーマン」の曲がかかり、
交互に2つの曲が流される。
映画の場面転換の上で必要なことなのだが、
こんなぶつ切りをよくビートルズサイドがオーケーしたと思う。


レスターは、ビートルズのメンバーを
完全にギャグの素材として扱っており、
それが映画的に成功している。
ドライな扱いではあるけれど、
それ故に映画が今見ても耐えうる出来になっていると思う。

当時、1965年はビートルズは完全にアイドルで、
世界的な人気者で、
スクリーンの画面に向って女の子がキャーと騒ぐことが普通だった、
そんな存在だった。
普通ならそんな存在を、腫れ物を触るように、大物として扱うだろう。
今の日本のSMAPみたいに。
でもレスターにはそうした遠慮がない。
それが、とても心地よい。


しかも、毎回この「HELP!」を見るたびに、
演奏中のビートルズのメンバーの表情が
とてもビビッドに映されているのに感心する。
スタジオの外、野外やバハマの海岸でも演奏風景があるが、
その時のビートルズの表情も良い。

こんなギャグ映画ででも、
彼らのナマに近い表情を撮影出来ていることが素晴らしい。
おそらくズームを使ったのだと思うが。

「HELP!」という映画は、
ビートルズファンの間ではわりと評価が低く、それが少し不満だ。
コメディとして良い出来なのに不憫なので、褒めてみた。
まあ少しやりすぎな面もあるけれど、クロージングも素晴らしいし、
もっともっと語りたいところだ。

あと、この映画で初めてカーリングという競技があることを知った。

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