静かの海

この海は水もなく風も吹かない。あるのは静謐。だが太陽から借りた光で輝き、文字が躍る。

s06 パルミラの光と影(1)

2016-02-14 11:16:52 | 日記

         S06 パルミラの光と影(1)

「パルミラ(ラテン語ではパルミュラ)は、その位置、肥沃な土壌、心地よい多くの泉によって有名である。その耕地は四面広大な砂漠によって取り巻かれており、いわば自然によって世界から孤立させられている。そしてローマとパルティアの両大帝国の間に自分自身の運命を持ち・・・常にその両方の注目の的となる」(『博物誌』)。

そのパルミラも今は飛行機とバスで容易に行ける。その名はpalm(ナツメヤシ)からきているのだろうか、そのヤシの林が旅人の心を慰める。『博物誌』が書かれたのは紀元一世紀だったが、その後もパルミラは栄華と衰退を繰り返してきた。

 

1.パルミア夢の跡

都市パルミアの歴史は何千年前からと数えればいいのだろう。その遺跡に立って眺めると、遮るものもなく、陽は砂漠の地平から昇り同じ砂漠に沈む。古代都市の遺した巨大な列柱の影に佇む人は、何を感じ何を思うのだろうか。

2,ベル神殿に通ずる巨大な列柱道路。

3,長い脊柱の影が、哀愁をそそる。

4,ローマ劇場。砂漠の中でパルミラの人たちは何を夢みていたのだろう。