ENGLISH LUTE DUETS
JAKOB LINDBERG - PAUL O'DETTE
FERRABOSCO*DOWLLAND*DANYEL
JOHNSONE*ROBINSON*MARCHANT*NON.
(BIS CD-267)
日本の夏から秋に掛けての涼しげな音は、何になるでしょうか。
まずは谷川を流れる清流の音、そして町中だとかそけき風鈴。
秋になりかけると、蟋蟀、鈴虫などが鳴き出します。
まちがっても、救急車のサイレンなどは、暑くるっしくなるだけ。
今年は、なぜか拙宅の前の国道を走る救急車が多いみたい。まさか、全部が全部熱中症の患者さんだとは思いませんが、その内かなりの割合でいるのじゃないかしら。ご無事なことを祈るのみです。
さて、それでは涼しげな楽器となると、何だと思います?
人によって、さまざまでしょうが、小生は、その一つにリュートを挙げたい。
楽器の構造が単純なだけに、あまり大きな音が出せないこと。
また、オシロスコープに現してみると、きっとあまり複雑でない波形のように思えます。
つまり、耳をそばだてなければ聴き取り難く、かつシンプルな音がする。
そんなところが、涼しげに聞こえる原因ではないかしら(あと、日本の箏や琵琶と同じで、自然音を連想させるところも、大きな理由)。
そこで、今回聴いてみるのが、"ENGLISH LUTE DUETS" というCD。
ヤコブ・リンドベルイとポール・オデット、リュート演奏の巨匠二人のデュエットで、主に17世紀の英国音楽を演奏しています。
このCDには、Alfonso Ferrabosco II (1575 - 1628), John Dowland (1563 - 1626), John Danyel (1564 - 1626), John Johnsone (? - ?), Thomas Robinson (c. 1560 - after 1609?), John Marchant (1588 - 1611) といったマイナーな英国作曲家(ダウランドは有名?)によるリュート音楽のほか、無名氏作曲の作品3曲を含め、全21曲が収録されています。
こうしてまとめて聴いてみると、やはりダウランドの3曲が、飛び抜けて出来がいいようです。ただ、ダウランドの作品は、リズミカルなものが2曲、"Lachrimae" のようなスローでメロウなものは、"Complaint" 一曲のみ、しかも短い曲、というのが残念です。
なお、無名氏の作品 "La Rossignoll" なども、結構面白く聴くことができました。
暑さ凌ぎにリュート音楽などいかが、というお勧めでした。
*この他に、
John Dowland "LACRIMAE, OR SEAVEN TEARES" (BIS CD-315)
"ROBIN IS TO THE GREENWOOD GONE"(NONESUCH 79123) (→こちらを参照)
などもあります(前者はリンドベルイ、後者はオデットの演奏)。
涼気を求めて宗教曲やリュート曲ですか。
私は専らカラッとした陽気さでイタリア・バロック協奏曲を中心に聴いておりました。
他にはルイージ・ファランクやメル・ボニスといったフランス女性作曲家のピアノ曲などを。こちらは木陰で陽を避ける程度ですが。
こちらは幾分涼しくなりました。
関西はいかがでしょうか。
さて、イタリア・バロック協奏曲は、
明るくっていいのですが、
小生は暑さの疲れが取れないようで、
ちょっとつらいものがあります。
やはり、単純明快なものの方がよろしいようで。
そこで、本日はエジプト音楽にしてみましたが、
いかがなものでしょうか。
では、また。