一風斎の趣味的生活/もっと活字を!

新刊、旧刊とりまぜて
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11月1日の「万聖節」によせて

2007-10-26 03:15:54 | CD Review

Hugo Wolf・Richard Strauss
LEADER
Barbara Bonney・Geoffrey Parsons
(DG)


日本でも「ハロウィーン」は有名になってきましたが、実はこの日(夕方)が、「万聖節」のイヴだということは、あまり知られていないようです(したがって、「ハロウィーン」は10月31日、「万聖節」は11月1日)。

ちなみに「万聖節」とは、「キリスト教で、全ての聖者に祈りを捧げる日」なんだそうです。

この日にちなむ曲で、最も有名なのが、R. シュトラウスの "Allerseelen" (「すべての魂」の意。「万聖節」は "Allerheiligen") でしょう。普通は、この曲も『万聖節』と呼ばれています。

英訳の歌詞を以下に載せておきます (ドイツ語の詩作者は Hermann von Gilm)。
All Souls' Day
Place on the table the fragrant mignonettes,
Bring inside the last red asters,
and let us speak again of love,
as once we did in May.

Give me your hand, so that I can press it secretly;
and if someone sees us, it's all the same to me.
Just give me your sweet gaze,
as once you did in May.

Flowers adorn today each grave, sending off their fragrances;
one day in the year are the dead free.
Come close to my heart, so that I can have you again,
as once I did in May.

読んでのとおり、亡くなった恋人を「万聖節」に偲ぶという歌詞です。

ここでは若い女性をイメージして、バーバラ・ボニーの歌で聴いてみましょう。
"Morgen" も良いですが、この "Allerseelen" もなかなかの出来映えです。
やや細くストレートな発声で、清純なイメージ。J. ノーマンや E. グルベローヴァなどの脂っこい歌とは対照的です。その中間が、L. ポップということになるでしょうか(いかにフィッシャー-ディースカウといえども、男声は向かないように思えます)。

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