一風斎の趣味的生活/もっと活字を!

新刊、旧刊とりまぜて
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「お願いします」と「お任せください」との間

2007-04-22 09:56:48 | Essay
さて、投票日となると、「ぜひ、私に投票をお願いします」との声もなくなり、静かな朝を迎えることができました。

今までの候補者たちの声を聞いていて、気になったのは、「私にお任せください」というフレーズです。もちろん、全員がそう言っているわけではありませんが、なぜか政権与党の候補者(しかも中年以上の男性)に多かったように思えます。

気になるというのは、これ、時代錯誤じゃあないの、と思われるからです。

われわれは、その候補者の政策に賛成する部分があるから投票するわけですが、すべてにわたって、彼/彼女に委託するわけではありません。
あくまで、その時点で公表された政策なり理念なりに、自分のそれに一番近いものがあるから投票しているわけです。

それを「お任せ」と理解(誤解)されてしまっては困るのですね。

投票したからといって、イシューAに関しては彼/彼女に賛成していても、別のイシューBに関しては賛成しないかもしれない。
そういった可能性を、「私にお任せください」と言っている候補者は、まったく想定していないんじゃないかしら。

極端に言えば、「お願い」をするのは投票行動だけで、当選してしまえば、「由らしむべし知らしむべからず」(最近は、「人民は為政者の施政方針に従わせればよいのであって、その理由など説明する必要はない」との解釈は誤りとの説もありますが、ここでは従来通りの意味として)。「オレに任せておけばいいんだ。ごちゃごちゃと小さなことで文句言うな!」という本音が見えるようです。

ということで、「私にお任せください」と言っている候補者は信用できない、という原則が成り立つようで……。

では、投票に行ってきまーす。