goo何気無い日々が心地よい安寧

何気無い日々が続く様に。生きていく事の大変さがカナン。ある種空気の様な存在になりたいもの。

⚠️ 化石燃料化するメディア  202201

2022-01-02 23:15:00 | 気になる モノ・コト

化石燃料化するメディア
 FORBES より 220102  川村雄介

 血の巡り、という。血液が体内を循環することは、小学生でも知っている「当たり前」の事実だが、400年前の西欧では、異説も異説、主流派からめった打ちにあった。肝臓でつくられた血液は体の各部で消費され循環したりしない、これが当時の常識だった。血が巡るなど、曲学阿世の言説とされ、主唱者のウィリアム・ハーベイはやぶ医者を意味する「循環器」と蔑称された。

 血液循環説の100年前がコペルニクスの地動説だ。これまた、異説だった。血生ぐさい異端裁判を引き起こしたともいわれ、「コペルニクス的転回」という用法は健在だ。

 ふと思う。コペルニクスやハーベイの時代にテレビや週刊誌があったら、どのような報道をしたのだろうか。

 ひげ面にちょうちんブルマをはいたワイドショーのキャスターが喚く。「血が体の中をグルグル回るだって?血は古くなると腐りますよ。ハーベイさんは私たちの体が腐敗しているって言ってるわけだ!」。週刊誌には専門家と称する法服の老爺が寄稿している。
「太陽の周りを、わが地球が回転している?なら、人はどこで誕生したのか?どうして四季があるのだ。蓋し、理論も検証もなき冒涜的妄想である」。

 昨今の多くのメディアも似たような報道ぶりではないのか。いずれ劣らぬ重大テーマのコロナ禍、原発汚染水や化石燃料問題の報道には危うさを感じる。

 コロナ報道のあおりや、何が専門なのかよくわからない人士のコメントはしばしば物議を醸した。ある程度は各メディアの主張としてのみ込めるが、事実の曲解や不勉強なままの垂れ流しは看過できない。

 初期の情報の混乱はやむをえない。けれども、一年以上たっても真摯な勉強の跡が見られない。疫学と免疫学の区別もなく、自称専門家を多用する。アクセルとブレーキを同時に踏み続ける。ワクチン有効率も正確な定義を踏まえず誤用する。だから、国民はメディアを信じなくなる。

 原発といえば、汚染水処理問題が悩ましい。当面はトリチウムへの対処だが、これに関する報道も不十分だ。
 トリチウムは十分に希釈すれば、人体への危険性はあまりないといわれている。それゆえ、フランスでも米国でもカナダでも、液体で薄めたり海洋に流したりしている。フランスの液体処理量は1京1400兆ベクレル、対して福島第一原発は上限が22兆ベクレルである。
 いや、いくら薄まっても毒は毒、福島の海産物など食べられないとのたまう中国原発の流出量は52兆ベクレルだ。オリンピックの場で福島食材を非難した韓国古里原発は50兆ベクレルである。いずれも日本の2倍以上だ。メディアはこうした事実をほとんど報じない。

 カーボンフリー社会の実現は人類共通のテーマとされる。世界中の専門家の95%以上が、温暖化は悪いことで、その主因は人間が排出するCO2だ、化石燃料が元凶だ、と言っている。他方、数万年という地球の時間軸で見ると、温暖化は太陽から受けるエネルギーの強弱が大いに影響し、地軸や公転面がズレることによって生じるそうだ。ミランコビッチ・サイクルという有名な理論である。

 しかし、昨今のメディアは、何はともあれ化石燃料撲滅の一辺倒だ。
もう少し、別の切り口や異説があることを踏まえてもよいのではないか。それに、化石燃料問題は国際政治問題でもある。国際標準を狙うEU、一帯一路の名目にしようとする中国、そこはかとなく距離を置いている米国、いずれもしたたかな国家戦略に裏付けられている。日本だけが貧乏くじを引くことがないか。メディアによる検証がいまこそ大切だ。
 化石燃料は産業革命をけん引し、人々の生活を飛躍的に向上させてきた。ITも仮想通貨も化石燃料の恩恵を受けてきた。人類の光明そのものだった。それが今や人類最大の敵とみなされている。

 メディアの真骨頂は適時適切な真実の報道にある。真実とは「真がわかりにくい事実」である。真実はひとつではない、ともいわれる。だからこそ、メディアは謙虚であらなければならないし、不断の勉強を怠ってはならない。
 通説必ずしも真説ならず。多様性を説きながら自ら単一性の一方通行では困る。
 まして受け狙いばかりのバイアスのかかった発信はご法度である。社会の木鐸、公器たる電波などの「上級国民」意識にあぐらをかくと、いつの日か、そっぽを向かれる。このままでは、メディアが化石燃料になる日も遠くない。


⚫︎川村雄介◎一般社団法人 グローカル政策研究所 代表理事。1953年、神奈川県生まれ。長崎大学経済学部教授、大和総研副理事長を経て、現職。東京大学工学部アドバイザリー・ボード、嵯峨美術大学客員教授などを兼務。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

🧠寿命が伸び続けても「脳の老化は止められない」という怖い現実  202201

2022-01-02 22:16:00 | 健康関連

寿命が伸び続けても「脳の老化は止められない」という怖い現実【医師が解説】
  幻冬社ゴールド onlain  より 220102  和田 秀樹


 人生100年時代、私たちの人生の晩年は、大きく変わろうとしています。高齢者専門の医療現場に携わってきた精神科医の和田秀樹氏は、著書『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)のなかで、「人の老い」について解説しています。


◆◆脳の老化を止めたり、脳の再生はできない
■早死にするか、認知症で亡くなるかの時代

 私たちはこれまで、医学の進歩によって病気を克服し、寿命を延ばしてきました。たとえば、結核を克服したときには、日本人の平均寿命は20年ほど延びました。

 現代医学は日々、ものすごいスピードで進歩していますので、近い将来には、がんの治療法が見つかる可能性もあります。もし、がんを克服できたら、平均寿命は5年ほど延びるのではないでしょうか。

 かつて夢の新薬と話題となったオプジーボも、その効果は限定的なものであることがわかってきましたが、今後、別のタイプの薬が開発され、免疫の活性を上げる治療法が確立されるようになると、がんが克服されることも十分考えられます。

 iPS細胞に関する研究の進捗も、非常に期待されるところです。iPS細胞とは、身体のさまざまな組織、臓器の細胞に分化することができる万能細胞です。つまり、この技術が進めば、老化した臓器を若返らせるようなことが可能となってきます。

 たとえば、動脈硬化の見られるところに、この細胞を生着させて、古くなった血管を若い血管に再生させることができるようになるかもしれません。骨の細胞を再生して、骨粗しょう症を治療することもできるかもしれません。
 すでに、眼科の治療においては、網膜の再生に実用化されていますので、あとはコストの問題ですが、近い将来に、iPS細胞を使ったさまざまな再生技術と治療法が一般化することは十分考えられます。

 このような医学の進歩が、死に至るような病気を克服し、今後、私たちの寿命を延ばしていくと考えられます。

 しかし、ここで大きな問題があります。
医学の進歩が、がんや心疾患、脳血管疾患といった三大成人病をある程度克服し、また、iPS細胞を使った治療が開発されて、どのような臓器も新品に再生して若返らせることができたとしても、脳の老化を止めたり、脳を再生したりすることはできないという点です。

 私たちの身体は、肝臓や腎臓、肌なども,その細胞は細胞分裂をしていて,時間とともに新しい細胞に入れ替わっていきます。しかし,唯一,脳だけは原則的に新しい細胞をつくらない臓器なのです。脳の神経細胞は、細胞分裂をしないで、同じ細胞をずっと使い続けます。
 そのため、脳の神経細胞にiPS細胞をばらまいても、そこで分裂が起こり、新しい脳神経細胞がつくられるかどうかはわかりません。

 もし仮に、新しい脳神経細胞ができて、古い細胞にとってかわったとしても、それは、これまでのデータが書き込まれていないまっさらな脳になってしまいます。当然、新しい神経細胞に、これまでのデータを書き写す技術が必要となってきますが、いまのところ、そのような技術は実現不可能です。

⚫︎早死にするか、認知症で亡くなるか
 私たちが「学習」とみなしていることも、脳の中ではタンパク質が変性するなど、なんらかの変化が起こっているはずですので、それらを解明して、再生した新しい脳神経細胞に、これまでのデータを移行することもいずれ可能になるかもしれません。しかしそれは、ずっと先のことになるはずで、少なくとも私たちの生きている間は不可能でしょう。

 脳の老化にともなうアルツハイマー病についても、世界で多くの人たちが研究をしていますが、いまだに治療法はわかっていません。
 まだ、仮説の段階ですが、脳の中でアミロイドという物質がたまることによって、アルツハイマー病が引き起こされると考えられていて、そのアミロイドの産生、蓄積を止める薬が開発できれば根本的な治療法になるとみられています。

 しかし、この治療薬の治験は、20年、30年前から行っていて、動物実験では多少は成功した例もあるようですが、人間にはほとんどうまくいかず、いくつかの会社はすでに研究から撤退しています。つまり、脳の老化を止めるということは、それほど難しいことなのです。ようやくそのような薬がアメリカで認可を受けたという話も出てきましたが、それでもその薬は、かなり高額のものです。

 いずれにせよ、医学の進歩が大きな病気を克服し、さまざまな臓器を若返らせたとしても、結局人は、脳から老いていくことを避けることができないのです。

 私が高齢者専門の浴風会病院に勤めていたときは、亡くなられた方々の病理解剖の報告に毎週、接していましたが、そのときにわかったのは、85歳以上の方で、アルツハイマー型認知症の変性が脳にない方はいないということでした。
 つまり、それくらいの年齢になると、脳は確実に老いていきます。軽重の差はあっても、85歳を過ぎればみな、脳の病理としてはアルツハイマーになっていることが普通なのです。

 寿命が今後100歳近くまで延びていくということは、身体のほうはある程度、健康が保たれるようになっていく一方で、脳の健康はそのように保てないというアンバランスを生んでいきます。結果的に、認知症などとつき合いながら過ごす老いの期間が延びていくという晩年をもたらします。

 私が医学部を卒業した1985年前後は、アルツハイマーにかかったら5、6年で死ぬ病気とされていましたが、いまでは、10年生きることも普通です。それが今後は、もっと長くなっていくと考えられます。

 嫌な言い方をすると、寿命が延びていくこれからの時代は、事故や、まだ解明できていない病気で早死にするか、100歳近くまで長生きをして認知症で亡くなるかのどちらかという時代になってくるはずです。私たちの人生の晩年は、大きく変わろうとしているのです。


和田 秀樹/  和田秀樹こころと体のクリニック 院長
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

医師が高齢者に「マクドナルド」勧める驚きの理由 202201

2022-01-02 21:32:00 | 健康関連

医師が高齢者に「マクドナルド」勧める驚きの理由
 東洋経済 onlain より 220102  佐々木 淳:医療法人社団 悠翔会 理事長


⚫︎高齢者にとってマクドナルドのハンバーガーがよい理由とは
「年をとったら、粗食にするほうがいいんだ」
「最近、肉とかの脂っこいものは避けているんだよ」
「年寄りのひとり暮らしだし、食べられる量を少し食べていれば十分」
みなさんの高齢の親御さんは、こんなことを言い始めてはいないでしょうか? もし、似たようなことを言っていたとしたら、注意が必要です。脅かすわけではありませんが、こういう食事を続けていたら、いつの間にか衰えて、寝たきりや要介護になることもあるかもしれません。
※本稿は佐々木淳氏の著書『在宅医療のエキスパートが教える 年をとったら食べなさい』から一部抜粋・再構成してお届けします。

 なぜなら、高齢者の場合、食事量の減少や摂取栄養の低下が「衰え」を進ませる大きなきっかけになるから。年をとってからの食事量低下や低栄養は、てきめんに筋肉量減少・体重減少につながってしまいます。
 また、筋肉量や体重が減ると「転倒骨折」や「誤嚥性肺炎」を起こすリスクが高まり、もし骨折や肺炎になって入院でもしようものなら、いっそう筋肉が落ちて衰弱が一気に進んでしまうようになります。

 つまり、巷で流行っているから……という理由で、「粗食でいい」「一汁一菜でいい」「簡素な食事で十分だ」などと言っていると、高齢者はいずれ衰える一方となってしまう可能性が高いわけです。
 こういった衰えの悪循環を防ぐ唯一の手段が「しっかり食べること」。高齢者が人生のラストステージを健康に生きていくには、「日々しっかり食べること」が必須であり、年をとればとるほど、ちゃんと食べるようにしていく姿勢が求められるのです。

⚫︎「カロリー」と「たんぱく質」が不可欠
 具体的にどのようなものを食べるのがいいのか。まず、高齢者の食の基本は「1にカロリー、2にたんぱく質」です。これを合い言葉にして、毎食、おいしくしっかりと食べること。守るべきことは、ほとんどこれに尽きます。

 カロリーは私たち人間が生きていくために必要な「熱量(エネルギー)」です。この熱量が足りていないと、体は自身の筋肉のたんぱく質を分解してエネルギーをまかなおうとし、それによって筋肉や体重が減っていってしまうようになります。

 つまり、日々の食事で十分なカロリーを摂れていないことが、低栄養や低体重を招き、高齢者の衰えを加速させる大きな原因となるわけです。ですから、高齢者はとにかく十分なカロリーの確保を最優先にして、いかにもカロリーが高そうなものを意識して摂るようにしていくべきなのです。
 また、カロリーの次に確保しなくてはならないのが「たんぱく質」です。たんぱく質は筋肉をはじめ、身体をつくる材料。人は高齢になると、この「材料」をコンスタントに摂取していないと筋肉量を守ることができなくなってきます。
 さらに、筋肉量が落ちてしまうと転倒骨折や誤嚥性肺炎を起こすリスクが高まり、衰えを加速させることにつながります。だから、肉、魚、卵、乳製品、大豆製品などのたんぱく質を毎日欠かさず摂って、筋肉を守るようにしていかなくてはならないのです。

 このように、カロリーとたんぱく質は、高齢者が日々の食事で「何がなんでも死守していかなくてはならないもの」。このふたつさえちゃんとクリアしていれば、ビタミンとかミネラルとか、他の細かい栄養素はそんなに気をかけなくても構いません。よほど偏った食べ方をしない限りビタミンやミネラルは自然にカバーされるもの。

 カロリーとたんぱく質さえしっかり押さえておけば、高齢者が人生のラストまで生き抜くための体のベースはだいたい整うと考えてよいでしょう。

⚫︎これが高齢者におすすめの「最強フード」
「脂っこくてこってりしたもの」「肉が多いもの」「揚げ物」「甘いスイーツ」……カロリーが高くて、たんぱく質豊富というと、だいたいこういった食べ物が目に浮かぶのではないでしょうか。実際にこうした食べ物はカロリーが高いので、高齢者の方々はこうした「ハイカロリー・イメージ」の食べ物や料理を積極的に摂るようにしていくといいと思います。

 メニューや料理を選ぶ際には、「野菜たっぷりよりも、お肉たっぷり」「ごはんだけでなく、おかずをしっかり食べる」「なるべく油を使ったものを食べる」などをポイントに選ぶようにしていくといいでしょう。
 それでは、ここで私が「高カロリー&高たんぱく」を基準にして選んだ「高齢者におすすめの食べもの」をいくつかご紹介しましょう。

1. ハンバーガー🍔
 マクドナルドを例に挙げると、ベーコンエッグバーガーは1個で390キロカロリー。たんぱく質も23グラム含まれています。こうしたハンバーガーにマックフライポテトとコーラでもつければ軽く1000キロカロリーくらい摂れることになります。手軽に効率よくカロリーとたんぱく質を摂れるという点ではたいへん優秀。マクドナルドは子どもや若者に人気のイメージがありますが、高齢者も利用しない手はありません。

2. 牛丼🍜
 吉野家の場合、牛丼の並盛に生卵をつけるとトータル760キロカロリー。たんぱく質も28グラム摂れることになります。カロリー量もたんぱく質量も1食分としては十分です。リーズナブルですし、ぜひ高齢者も積極利用したいものです。

3. 宅配ピザ🍕
 Mサイズのピザの1ピースはだいたい160~200キロカロリー。あの三角の一切れでこれだけのカロリーが摂れるのです。3切れも食べれば500~600キロカロリー。もちろん、チーズやベーコン、サラミなどもたくさん載っていて、たんぱく質もしっかり摂ることができます。

4. フライドチキン🍗
 ケンタッキーフライドチキンのオリジナルチキンは1個で237キロカロリー。2個食べればこれだけでほぼ500キロカロリーですし、当然、たっぷりのたんぱく質を摂れます。また、ビスケットやフライドポテトのSサイズを組み合わせればプラス550キロカロリー。少ない量でもかなりの高カロリーになります。

5.餃子🥟
 餃子の王将を例に出すと、ラーメン1杯が470キロカロリーで、たんぱく質20.7グラム。餃子が1皿6個350キロカロリー。ラーメンと餃子の両方を食べれば、カロリーもたんぱく質もたっぷり摂れて、ほぼ完ぺきではないでしょうか。

⚫︎高カロリー・高たんぱくの食事が重要
 ここに取り上げたラインナップは、どれもカロリーが高くて太りやすいものばかり。メタボや生活習慣病が気になる若い世代や中年世代は、医者から「こういう食べ物はなるべく避けてね」と言われてきたわけです。

 しかし、年をとって衰えを自覚し始めた高齢者にとっては、こうした高カロリー・高たんぱくのメニューこそが「健康にいいベストセレクトの食事」となるのです。

 上記の食べものは、とにかく手軽だし、価格もリーズナブル。両親と食事をするときは「1にカロリー、2にたんぱくを合言葉に、積極的に食べてね!」と伝えて、こうしたお手軽フードをセレクトするのもアリです。
 「年寄りは粗食がいい」「脂っぽい肉はどうも……」と言っているような気難しい親御さんにも、子どもや孫といっしょに食べられるセレクトは意外に喜ばれるのではないでしょうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

🚶‍♀️…右岸…隠元橋…左岸…🚧…宇治橋… 220102

2022-01-02 18:02:00 | 🚶 歩く
🚶‍♀️…右岸河川敷…隠元橋…左岸堤防道47km碑…左岸河川敷…JR新橋🚧👀…宇治橋…右岸堤防道…>
🚶‍♀️11282歩2kg

☀️:隠元橋9℃:快晴:風やや強い

新橋🚧👀

そして今日もパーソンof interest…
 ギャラリーフェイク(一気見)堪忍して〜
録画&早見…




虹色に映る陽光(レンズ汚れ)

雀ではない


今日の比叡山

同:愛宕山

JR新橋🚧



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

⚠️ 商社マンが明かす世界食料争奪戦の現場 日本がこのままでは「第二の敗戦」も 202201

2022-01-02 01:29:00 | 気になる モノ・コト

商社マンが明かす世界食料争奪戦の現場 日本がこのままでは「第二の敗戦」も
  Newsポストセブン より 220102

[東京湾をゆくコンテナ船。新型コロナウイルスの世界的流行が始まって以降、世界でコンテナの奪い合いが起きている]

 日本は70年以上も戦争と関わらずにきたはずだった。しかしその日本がいま、世界で激しい「食料戦争」の渦中にある。
 俳人で著作家の日野百草氏が、「国の通貨が安いまま戦うのは厳しい」と焦る商社マンに、牛肉を中心とした日本の「買い負け」事情を聞いた。

 * * * 「どこより高い金を出せば買えますよ、ただ買い負けているだけです」
 食品専門商社のA氏(40代)に話を伺う。以前、彼がこの国の食料問題に対する危機感を訴えた『憂国の商社マンが明かす「日本、買い負け」の現実 肉も魚も油も豆も中国に流れる』は思わぬ反響を呼んだ。筆者もそこまでとは思っていなかったのだが、現実に食肉や魚介類に次々と値上げ、不足のニュースが続いている。ただ一人の話だが、その一人の肌感は現に日本の危機を象徴している。多くの他国と「戦う」企業戦士も同様だろう。

「それと船ですね。こちらは取り負け、日本に寄ってもらえない」
その食料を運ぶコンテナ船もコンテナそのものも不足している。食料争奪戦が「戦争」だとしたら、いまはまさに「戦時下」だ。
「値上げはさらに続くでしょう。いつ相場(食肉、穀物)が落ち着くかわからない」
 個別の値上げを見れば、魚介類でいえばウニ、イクラ、タラバガニ、ズワイガニ、数の子など、いずれも最高値かそれに近い値上がりを記録している。大手鮮魚専門店のスタッフいわく「あるだけマシ」とのことで、値段は高くても手に入れば御の字だという。

「魚介は高くてよければ国内産でリカバリーできます。でも肉や穀物は厳しい」
 日本の食料自給率(カロリーベース)は本当に低い。コロナ前の2018年の農水省データでアメリカ132%、フランス125%、ドイツ86%、イギリス65%、イタリア60%に対して日本は37%。1980年代までは50%以上を維持してきたのに30年間ずっと低水準、30年間変わらない日本の平均賃金と同じ様相だ。

「フランスは自給率を上げるために努力してきましたからね。食料を掴まれるのは命を握られるのと同じって連中はわかっているのでしょう。私も同じ考えです」

⚫︎必要なところに必要十分な金を払う中国
 この国の自給率は保守・革新関係なく「食の安全保障」を先送りした結果だ。それがコロナ禍はもちろん、名実ともに大国となった中国の徹底した「食の確保」によって露呈した。
 いまから約四半世紀前、『Who will feed China?』(だれが中国を養うのか?)という本がレスター・R・ブラウンによって書かれたが、彼の仮説であった中国人が豊かになり、世界中の肉や穀物を先進国同様に欲するという未来は現実となった。

 ただし彼の「中国はそれで飢える」という予測は違った。誰より高く大量に買えばいいのだ。それを実現するため中国は時として途上国として振る舞い、下げたくない頭を下げて日本や欧米の会社の下請けとなった。そして「技術を教えてください老師(先生、の意味)」とこれまた下げたくない頭を下げて技術を蓄積した。いまや中国が日本に教わる技術などたかが知れている。
 中国は1996年に江沢民指導下で第九次五カ年計画を決定、長期目標として「2010年に経済大国となる」と掲げた。目標通り、その2010年に中国は日本のGDPを抜いて世界第2位となった。

「(食料が)3億トン足りなくなるとか言われてましたが、中国はそれを見越して何十年もかけて国家レベルで取り組んだわけです。まあ、手を貸したのは日本ですけど」
 1995年は日本の対中直接投資が最大になった年でもある。合弁企業を作り技術の「教え」の代わりに安価な労働力を求めた。日本国内の工場を閉鎖、新卒採用もせずに現地で中国人を大量に雇った。
 中国も1990年代はまだ企業メカニズムが未成熟で国有企業の赤字は増大する一方だったが、その日本の「教え」の蓄積で世界的企業をいくつも作り上げた。
 そうして三洋電機はハイアール(海爾集団)やアクアとなり、東芝の家電事業はマイディア(美的集団)傘下の東芝ライフスタイル、NECや富士通のパソコン部門はレノボ(聯想集団)の傘下となった。
 例を上げると切りがないが、とにかく中国が食料を「買い勝ち」できるのは今や日本と逆転した圧倒的な国力の差である。
「気に入らないけど認めざるを得ません。彼らは必要なところに必要十分な金を払います。シンプルなんです。欲しいのですから、うるさいことを言わずに欲しがるだけの金を積めばいい、本当にシンプルです」

 現在の中国はその「シンプル」が結果として現れている。合理的というべきか。悔しければ日本がかつてそうしたように金を積めば済む話だが、激安国家日本でそれは無理な話、円安もあり買い負けるしかないのが現実だ。

⚫︎アメリカ−中国航路がドル箱。日本の港に寄るのは無駄
 2021年12月、日本ハム、伊藤ハム、プリマハムの食肉加工大手はついに値上げを発表した。そしてはっきりと幹部は「買い負け」を認めている。食肉に限らずあらゆる海外依存は「買い負け」だ。アメリカやEUはもちろん、とくに中国に勝てない。

「中国に勝つなんて冗談、現場で買いつけていればその強さはわかりますよ。私の入社したころに比べて日本は弱くなったなあと感じます。むしろ競争相手は東南アジアや南米です」

 もちろん今回の話は「食料に限れば」という前提だが、日本の現状はいかにこの両大国の「余りもの」を分けてもらうか、「取りこぼし」を狙うか、と言っても過言ではない。それは半導体や建材、樹脂など他の「買い負け」と同様である。

「それぞれの国にも国内消費分がありますから全部売るわけにもいきません。その輸出分がアメリカや中国に取られるとなれば余り分を狙って調達するとか、金を出せない分いろいろ手は使います。各国の取り決めも違いますから一概には言えないのですが」

 彼の言う通り、この話は非常に煩雑で個々別の品目や国情、時事に左右されるため「必ず」は存在しない。バイヤーの動向なども含め個々の細かい話は端折るが、あくまで「買い負け」の一点で話を聞いている。その買い負けの代表格、牛肉でみると中国はブラジル、アルゼンチン、ウルグアイなど南米の他にニュージーランド、直近ではアメリカからも輸入を強化している。南米は中国の牛肉輸入の生命線で近年はチリやコスタリカからも輸入している。

 もちろん中国にも大規模な牛の肥育施設は存在するし、広大な土地を生かした繁殖農家も存在する。古く中国は文化的にも牛肉をほとんど食べなかったため、出回る牛肉といえば農耕などに使い終えた廃用牛が多かった。それが、国民が豊かになると牛肉を食べるようになり、飼育コストや輸送コストも上がったために輸入に頼るようになった。

「冷蔵、冷凍の牛肉はもちろん、生体で運ぶ分もあります。一度に船だと2000頭くらい、飛行機で400頭は運べますね。生体牛は中国国内で屠畜するんですが、需給バランスの難しい冷凍牛肉より生体のほうが自国で解体できますから、しばらく飼ったり屠場に送ったりの需給調整がきくんでしょうね。広大な国土、鮮度も重要ですし」

 肉はみんな冷凍や冷蔵で加工されて運ばれてくるイメージがあるが、実際は生体、要するに生きたまま船や飛行機で運ぶケースも多く、世界では年間500万頭近くの牛が海や空で生きたまま運ばれ食卓に並ぶ。牛の生体そのものの輸入量は中国に比べて少ないが日本も例外ではない。何気なく食べているどんな食べ物も市場という戦場で買い勝った戦利品だ。

 その戦場で「何でも食べちゃう」14億人の大国、中国が猛威を奮っている。それも20世紀の中国と違い、政治力と軍事力はもちろん潤沢な資金を背景に世界中から買い漁っている。肉も魚も油も豆などの食材だけではなく半導体、建材からウレタン、ゴム、プラスチックなどありとあらゆる素材やその原料まで「買い勝ち」している。

「他にはアメリカですね。中国に負けじと買い漁って覇権を争ってます。このアメリカと中国の航路がドル箱路線で船がそのルートしか通りたがらない。これからもっとひどくなるでしょう。日本の港に寄るのは無駄と言われかねません」

 まさに世界は食料戦争という戦時下、日本人にその自覚はあるのだろうか。

⚫︎日本の買い負けは悪しき円安のせい
 この原油高と需要増大の中、海運会社、とくに利幅の小さい海上コンテナ輸送は効率よく稼ぐしかない。日本はすでにこのコンテナ船事業という海運そのものには敗北(ロジスティクスによる敗北は日本の伝統芸)したため、現在の日の丸コンテナ輸送はONEジャパン1社と中小のわずかな船会社しか生き残っていない。
 天然資源はもちろん日本は何もかも他国頼み、大量消費と飽食を謳歌してきた数十年ばかりの繁栄は砂上の楼閣だったということか。それにしても改めて現場の声として聞きたい。この買い負けの原因はなにか。大まかで構わないので教えて欲しい。

「まず日本人が商売相手としては面倒くさいってことですね。欲しがるくせに金をケチる。どれだけ値下げできるか、この価格内でなるべく多く売ってくれって要求が度を越してます。これは輸入業者に限らず日本のどんな産業だって、企業人として働いていれば感じることだと思いますよ。おまけにちょっとでも売り主、製造側に瑕疵があれば報告書を出せ、改善計画書を出せって居丈高に要求する。日本人でもうんざりします」

 この報告書、改善計画書というのは本当に曲者で、大事なことかもしれないが度を越すと難癖、クレーマーになる。それも社内でやる分には勝手にすればいいが、取り引き先相手に要求するとなると他国では煙たがられることが多い。

「それも含めた過度の品質要求ですね。この場合は輸入材の瑕疵や輸送の遅れとかですね。日本人は完璧にしろ、時間は守れと言いますが多くの国はそうではありません。日本人の感覚や都合を押しつけてもこれまた相手はうんざりします」

 品質管理とクオリティの高さは衛生用品や自動車などを中心に消費者の信用を得ているが、時として過剰品質になりかねない。
 食肉についていえば日本は「この部位だけ切り分けろ」「形を均等にしろ」「色をよくしろ」と要求し、食べるに支障のない、おそらくエンドユーザーも大半は気にしないであろう部分まで要求する。中国は「なんでもいいからちょうだい」とうるさいことを言わない上に日本より金を出す。まして牛肉は内蔵どころか、近ごろは廃棄することが増えている皮などの部位まで持っていってくれる。売る側がどちらを選ぶかは自明の理である。

「物流だってそうです。安くてうるさい日本の荷主なんか相手にしたくない」

 相手がしぶしぶでも動いていたのは日本の金払いがよかったからであって、買い負ける、取り負けるということは金払いが悪くてうるさいから。他にもっと金を払うクライアントがいるからそちらへなびく。いたってシンプルな構図である。

「それにコンテナ不足で船は取れても運べない。コロナはもちろん自然災害でダメージを受けるのが物流です。マクドナルドもそれですね」

 日本マクドナルドは2021年12月、カナダの水害により港が混乱、コンテナも足りず加工ジャガイモが運べなくなったとして「マックフライポテト」のMサイズとLサイズをしばらく休止した。ごく短期間だが世間の衝撃は大きかった。当たり前に食べられたものが食べられない(実際はSサイズで食べられるのだが)、その実体以上のインパクトがあったのかもしれない。MサイズとLサイズ販売の最終日には行列ができた。漠然とした不安感がわけのわからない行動に走らせる。それほどまでに食の影響とは恐ろしいものなのだ。人間の動物としての本能を喚起する。

「さすがにマックは今後対策するでしょうけど、2022年からはこうしたことがあらゆる食の現場に起きるでしょうね」

 実際、ジワジワと食品の価格は上がり、値段据え置きでも中身の減る「ステルス値上げ」も増えている。とくに菓子類、ポテトチップスなどは顕著でちゃんと内容量の表示を見なければ「こんなに少なかったかな」と驚かされる。

「でもね、それもこれも日本の買い負けは円安のせいだと思ってます。強い円の力で引っ叩いて買い勝って言うこと聞かせてたのに、いまの日本で通貨が安いって怖いことですよ。通貨の安さにも良し悪しありますから」

 日銀の黒田東彦総裁は2021年12月23日、経団連の会合で「円安はメリットが大きい」と語った。どうだろうか、かつては円安のメリットがあったかもしれないが、輸出企業だって結局のところ燃料や原材料、部品の多くは海外から調達しなければ製品を作り輸出できない。
 そもそも非製造業の大半にとって円安はデメリットのほうが大きい。日本はかつての輸出一辺倒の国ではない。しかし日銀はいまだに円安容認。じつは本稿、この件でA氏が怒って連絡してきたことに端を発している。

「いまの円安は悪い円安だと思います。もちろん強い国が自国通貨を操作、調整することはあります。人民元なんてまさにそれです。日本だってかつてはそうでした。でも現在の円安は日本の国力そのままの評価だと思っています」

 現場で、現地で買いつけている彼にすれば後ろ盾となる通貨が安いことは不利。多くの日本の一般国民も物価高、まだ一部とはいえ報道される品薄に不安を感じていることだろう。

⚫︎食料の奪い合いも戦争、その戦争の感覚がないのが日本
「いま中国は日本の和牛にも目をつけています。とくに富裕層に人気があります。カンボジアもいいけど日本の和牛を食べたいってね」

 あまり知られていないが和牛はアメリカ、オーストラリアや東南アジアなど多くの国で生産されている。とくにカンボジアは中国にとって和牛の供給源、金に目のくらんだ徳島県の畜産農家が和牛の精子や受精卵を中国に持ち込んでいた件で2019年に逮捕されたが、いまさらな話でカンボジアの他にベトナムやラオスでも中国主導で和牛の生産が行われている。そもそも技術協力と称して日本人専門家も呼んでいる。すべて金の力だ。

「日本で畜産やったって貧乏暮らしですからね、それでもいいって人もいるし儲けてる農家もありますが少数でしょう。365日、休み無く牛の世話して出荷なんて若い人はやりたがらないし、既存の農家は儲かる上に必要とされるなら中国でもどこでも手を貸しますよ。個人の事情ですからね、農家をそうしたのはどこの誰なのかと、そういうことですよ」

 日本の畜産農家の戸数は絶望的なまでに減り続けている。農水省によれば肉用牛の飼養戸数は2012年に6万5200戸だったものが2021年には4万2100戸にまで減少している。なんと約10年で三分の一の農家が消えた。幸いにして1戸あたりの飼養頭数は減った分とはいかないまでも増えているが、つまるところ農家1戸あたりの負担は増大している。
 これは乳牛も豚も鶏も同じ、いや農家というくくりならコメ農家も同様で、高齢化と少子化はもちろん、国内の絶望的な「農業収入だけでは食えない」状態にしてしまった。

「食料の奪い合いも戦争なのに戦争の感覚がないのが日本です。他人が売ってくれるのが当たり前と思ってる。安全保障には食料も入ります。その和牛だって飼料は輸入に頼ってるんですから」

 先に紹介したフランスは、この食料戦争を見越して自給率を高めるために徹底して農家を保護、改革を繰り返し自給率100%維持し続けている。すでに40年前からこの政策に取り組んできた同国はさすがとしか言いようがないが、取り組んでこなかった日本は日々の食い扶持を他国に委ねたほうが安いからと自給率を下げ続け、旧態依然の政策ままに農家の生活を追い詰め、あらゆる種子や精子を海外に流出させた。

「南米では自分たちの食べる牛が無くなって政府があわてて規制しましたが、それでも国内より高く買ってくれるならと中国に売り続けています。日本もそうなりますよ」

 日本政府は農林水産物・食品の輸出額を年間1兆円に伸ばす目標を掲げてきたが、2021年12月3日公表の「農林水産物輸出入情報」によれば達成の見通しが立ったという。
 喜ばしい話だが日本人ではなく他国民を食わせるための輸出というのは国策として正しいのか。

「カナダやオーストラリアみたいに売るほど食うものがある国なら農業輸出国もありでしょうが、日本みたいな小規模農業国では危ういと思います。一時的に農家は助かるでしょうが根本的な解決にはならないし、アルゼンチンみたいになったらどうするんですかね」

 アルゼンチンは主食の牛肉を中国向けに輸出していたが2021年、中国の牛肉需要の急増により自国で消費する牛肉が高騰、地域によっては出回らなくなる異常事態が起きた。アルゼンチン政府は慌てて牛肉の輸出を30日間停止したが農業関連団体や生産者が反発、それは当然でアルゼンチンの中国向け牛肉輸出は全体の75%にまでおよぶ。金のない自国民より中国に売ったほうが金になるからだ。そうして自国民の主食が不足してしまった。

 日本も将来的にそうならない保証はない。牛肉に限った話ではなく、まっすぐなキュウリ、形の均一なトマト、まったく傷のない果物、ちょっと見てくれが悪いだけの魚を排除してきた売り手とそれをエスカレートさせた潔癖な日本の消費者に、生産者が、農家が愛想を尽かしても仕方がない。まして激安まで求める。
 もやし1円で売ったスーパーが独禁法違反で公正取引委員会から警告を受けたが、その1円にまで下げたコストは誰かが損を被っている。1円もやしに群がる消費者によって被らされている。安売りは構わないが過剰な激安は社会悪だ。

「コロナも収束するどころか世界でまた拡大ですからね、困ったことにアメリカと中国で広がり始めてます。私もまた仕事がしづらくなりました。ざまあみろと鬱憤晴らすのも結構ですが、この二大国がコロナまみれで地獄を見るのは日本ですよ」

 アメリカと中国はいっそうの食料確保と自国中心主義を貫くだろう。それに追随する資源国や食料輸出国は金のある二大国との取り引きを加速させる。定期コンテナ船のルートは米中に集中し、日本は食料を買い負け、コンテナを取り負け、国内の物価は上がり続ける。30年間平均賃金の上がらない国でこれは確かに地獄だ。
 数少ない国内農家すら海外輸出に舵を切り出した。1兆円達成の次は5兆円だと農水省も鼻息荒いが、先のアルゼンチンのように国民の食べる分まで回されかねない。

 食料の確保と輸送もまた戦争であり、安全保障の要である。軍事では「兵站」だが、日本はかつてこの兵站を軽視して敗北した。優秀な兵器も燃料がなければ鉄の塊、勇敢な兵士も食料がなければポテンシャルを発揮できない。また同じ鐵を踏むのか。

「買い負けは戦場で負けたのと同じです。でも国の通貨が安いままで戦え、買い勝て、なんて無理ですよ」

 市場は戦場、食料争奪は戦争のたとえは大げさではない。こうした商社マンをはじめとする多くの現場で奮闘する日の丸企業戦士が戦場で負け、その繰り返しの先に待ち受けるのは日本の「第二の敗戦」だ。買い負けを繰り返す中、再びコロナが世界で猛威をふるい始めた2022年、それは将来的な日本の食料危機の端緒となりかねない。



【プロフィール】 日野百草(ひの・ひゃくそう)/本名:上崎洋一。1972年千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。全国俳誌協会賞、日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞(評論部門)受賞。『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』(宝島社・共著)『評伝 赤城さかえ 楸邨、波郷、兜太から愛された魂の俳人』(コールサック社)他。


💋明治迄の人の方が隣国をよく知悉していた
昭和以降は…
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする