TOTOからはじまったイモづる式音楽日記

旧タイトル:TOTOからはじまるLA FUSION CONNECTION~ネタはフュージョンやらAORやら。

鎌倉ものがたり

2018-01-11 23:50:04 | Weblog
こないだ見に行った映画「DESTINY 鎌倉ものがたり」の話。
そんな映画評をするような立場でもないので、この映画で興味深かったことを少し。

主人公二人の新婚旅行ドライブのシーンから始まるこの映画、その車は見るからにクラシックで、昭和20~30年代くらいの趣でしょうかね、「ALWAYS 三丁目の夕日」のような時代設定なんでしょうか・・・と思いながら見ていると次のシーンには江ノ電が出てきます。ここで(極端の言い方をすると)度肝を抜かれます。登場する江ノ電は最新型で、シングルアームパンタグラフも誇らしげにVVVFインバータ音を響かせながら走り去るのです・・・はぁ?
映し出される駅の風景も、特に昭和っぽくはなく、ロケをした現代そのまんま、という感じ。

この映画のプロデューサーは知る人ぞ知る鉄道マニア。「三丁目の夕日」に登場する特急「こだま」のシーンとかも相当拘って作られていて、そのインタビューが「鉄道ファン」に掲載されるほど。しかも「RAILWAYS」シリーズの映画も制作されている方だけに、この最新型の江ノ電が映画において設定されているであろう時代に合わないのをわかっていないなんてことはないはずです。この時点でもう時代設定がそもそも破綻している、というかそこを敢えて無視しているのがわかるのです。

その後も面白いことに、いくつかのシーンの背景にカレンダーが映り込むのですが、目を凝らして見ても何年、という表示はありません。このカレンダーも演出だったんでしょうね、わざと時代設定をわからなく仕向けるような。会話の中で「百均で買ったの」なんてセリフが出てきたり、映し出された紙幣が現行の福沢諭吉さんの一万円札だったり・・・。そもそも出て来る死神がいかにも現代風。

携帯電話もない、パソコンもない、だけど冷蔵庫はあったり、とにかく全体的にはレトロな、昭和なテイストで描かれているんだけど、端々に現代っぽいアイテムが映し出される。よくよく見ていると、レトロな雰囲気、というだけで、今思えば実はレトロっぽさを演出する様々のモノそれぞれは、登場する時代が実は結構ズレてたりもしているんですね。

その意味で、普通映画って時代設定があって、その時代考証に基づいた小道具やら風景やら生活感やらを用意するんでしょうけど、この映画って、そのあたりを敢えて無視する演出をしているということがわかります。そんなところが一風変わったテイストを付けている、この映画の特徴でもあるんでしょう。原作の漫画にもそんなようなところがあったようですし。

次回もしCSとかで見ることができる時は、最初からそういう見方をしていけば更に面白い発見があるかもしれませんね。

以上、この映画でもの凄く興味深かったところでした。

今日の通勤音楽
LIVE AT BLUE NOTE TOKYO / LARRY CARLTON & STEVE LUKATHER
LIVE AT THE BAKED POTATO 2000 / LABORIEL,MATHIESON,LANDAU & COLAIUTA

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