
その中で、
こんな女の人、今まで読んだことがない
と、ポイントが大きくなって『眠り』という小説が話題に上がります。
短篇集『TVピープル』に収録されているという。
私にも「眠っている間に」という小説があります。
小説1に入っています。
ひょっとしたら『眠り』に触発されて書いたのかもしれない。
『TVピープル』の埃を払いながら読み始めました。
「眠っている間に」とまるっきり違ったので一安心。
町の作家でもオリジナリティーは大事です。
『眠り』の内容は全く忘れてました。
28年前の作品だから当然かもしれません。


私は金縛りによくあいます。
悪夢もよく見ます。
『眠り』は恐怖です。
あっちへ行ってしまうと帰ってこれない恐怖があります。
「眠り」は異界への入り口のような気がします。
「死」とよく似ています。
村上氏は「眠り」が失われた世界を提示します。
これも怖い。
金縛りの私の足に水差しで水をかける老人。
よくこんなことを思いつくなあ。
目を開けた時、彼女から「眠り」が失われていた。
日常が動き始めると、
彼女は思います。

全てがうまくいっている。
「眠っている分、自分は充実した時間を持つことが出来る」
だが……。